23.03.02
少子化、予想以上のペース。出生数80万人を下回る

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!
『少子化、予想以上のペース。出生数80万人を下回る』
吉田:『厚生労働省』が先月28日に公表した、2022年の『人口動態統計』の速報値によりますと、去年1年間に国内で生まれた子どもの数は、統計開始以来、初めて80万人を下回りました。国が2017年に公表した予測では、出生数が80万人を下回るのは2033年となっていて、想定を上回るペースで少子化が進んでいます。
ユージ:塚越さん、少子化問題がますます深刻になっていますね。
塚越さん:少子化は将来の働き手の減少を意味しますので、経済成長の低下をもたらします。そして、年金や医療といった社会保障制度の安定を揺るがすので、実は、高齢層の方々にとっても他人事ではないんですね。日本の平均寿命は、2021年のデータで男性は81歳、女性は87歳で、今後も伸びると予想されているので、年金を支える働き手という意味でも、子どもたちは将来、税金を納めてくれますので、そう考えると社会全体の問題ですよね。
ユージ:岸田総理は、「『異次元の少子化対策』に取り組む」と発言がありましたけど、現在、どのような対策が話し合われているのでしょうか?
塚越さん:政府は、3月末までに少子化対策のたたき台をまとめる方針で、いろんな柱があるんですけれども、やはり注目されているのは、児童手当などの『経済支援の強化』ですね。これまでも中学生までの子どもに月額5000円~最大1万5000円の支給といった支援はあったんですけれども、さらに強化しようというもので、自民党ですと、所得に応じて第二子には月額最大3万円、第三子には月額最大6万円の支援を検討していますし、公明党ですと、支給対象を高校生にまで拡大する案もあったりしますが、特に大きな話題になったのが、所得の高い世帯には児童手当を制限する『所得制限』を撤廃するという案なんですね。1月下旬の国会で、これまで所得制限を支持していた自民党の茂木幹事長が、従来の主張を翻して、“児童手当の所得制限の撤廃”を主張したということで、この発言は自民党内での調整前の発言だったこともあって、非常に驚かされました。茂木さんの政治的なアピールの側面もあると思いますが、現在も非常に関心を集めておりまして、若い世代では、『所得制限の撤廃』を支持する人が多いんですね。
ユージ:どのあたりが『異次元』の対策と言えるのでしょうか?
塚越さん:「異次元、異次元…」とは言っているんですけれども、基本的には、これまでの支援策の額を増やすみたいな延長線上で、あまり目新しいものはなく、“どこまで本気なのか?”とちょっと疑問に思うところがありますね。例えば、2月15日の衆院予算委員会で岸田総理は、「家族関係社会支出は、令和2年度でGDP比2%を実現。それを倍増しよう」と発言したんですね。普通に考えると2%から4%というのは、およそ11兆円の財源が必要になるんですけれども、その後、すぐに野党から国会で追求されると、「何をベースに倍増とするかは検討中」と述べたんですよね。ちょっと何をおっしゃっているのかわからなかったんですけれども、要するに、“数字ありきではない”と言ったわけですよね。けれども、防衛費に関しては、わりと“数字ありき”で「増額する」と言っていたんですよね。こういうところを比較してみるとですね、どこまで政府が少子化対策に本腰を入れているのかは不透明だなと現段階では言えますし、当然、財源問題も大きな課題ですよね。
ユージ:現状の案でどこまで効果があるのか…塚越さんはどうお考えですか?
塚越さん:国会の議論は、子どもを産んだ後の支援の話が多いんですけれども、子どもを産む前、例えば、結婚することも難しくなっていますよね。昨年末に『三菱総合研究所』がまとめた資料によりますと、雇用形態が“正規なのか?非正規なのか?”で、婚姻数に大きな差がありまして、特に30代の男性では、雇用形態が正規・非正規で未婚率におよそ2倍の開きがありますよと…。つまり、非正規雇用だと婚姻数が低くなるというデータがあってですね、経済的な要因があるのかなと思いますね。また、『国立社会保障・人口問題研究所』の統計データとか、様々なデータを見てみるとですね、20代~30代の人で“いずれは結婚しよう”と意思がある人は、減ってはきているものの、7割~8割の人はそう考えているんですよね。なので、“結婚=子どもを産む”というわけではないので、その点には注意が必要です。けれども、やはり、“結婚することによって子どもを産もう”という選択肢を考える人は増えると考えられます。そうしてみると、経済の問題が非常に大きくてですね、例えば、『育児休業』とかを非正規の方や自営業の方がもっと簡単に取れるようにしたり、正規と非正規の労働の格差を是正するなど、労働環境全体を変えていく必要があると思います。つまり、簡単な支援、わかりやすい支援だけじゃなくて、「全体の労働環境を…」と、そこまで踏み込まない限りですね、多少の支援額を増やすだけでは意味がないとは申し上げませんが、大きな変化はないですし、「本当にヤバいんでしょ!!」と本気になっている感じがあまりしないんですよね。少子化はこれまでずっと課題でしたし、日本経済もバブル後ずっと課題でしたので、抜本的な改革を我々も望んでいるし、政府もそれに本気で考え、応えないといけないのではないかなと思いますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 2, 2023
『#少子化、予想以上のペース。出生数80万人を下回る』
少子化は人数の大小ではなく実際は経済に関わる事で、今の出生数が20年後の日本の経済を握っていると言われ、その時代に経済を動かす人が少ないという面で考えるといい事ではないと思います。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 2, 2023
子育ては子供の人数に応じて親にかかる負担はどんどん大きくなる為、第2子以降の支援を厚くするというのは非常に大事で、さらに子どもにお金がかかるから結婚をやめよう、という選択をしてしまう方たちの支援も同様に厚くするべきだとも考えています。 #ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 2, 2023
岸田総理の言っている異次元の少子化対策で、この対策についても積極的に話が進むといいなと思っています。#ワンモ