23.03.01
「国民負担率」今年度は47.5% 他の国と比べて高いのか?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「国民負担率」今年度は 47.5% 他の国と比べて高いのか?
吉田:「国民負担率」について、財務省は今年度、2022年度は47.5%になる見込みだと発表しました。過去最大だった2021年度をやや下回ったものの、国民所得の半分近くを占めています。塚越さん、この「国民負担率」とは何なのか改めて教えてください。
塚越さん:国民負担率とは、個人や企業の所得等を合わせた国民全体の所得に対する、税金や社会保険料負担の割合を意味するもので、公的負担の重さを比較する指標のひとつとされています。財務省によれば、2022年度の国民負担率は47.5%になる見込みです。これは、これまで一番高かった2021年度の48.1%からは少し下がりました。原因としては、高齢化によって社会保険料の負担は増えましたが、企業の業績回復や雇用者の報酬が増えたことで昨年度より負担率は減ったと考えられます。また、来年度の2023年度はさらに下がって46.8%を見込んでいます。とはいえ、この国民負担率、統計を最初に公表した1970年度で24.3%。1979年度から30%を超えますが、1980年代~2010年代前半までは30%台でした。それが2013年度から40%を突破しました。特に2020年度からはさらに高くなっている状況です。
吉田:「47.5%」というのは、他の国と比べると高いのでしょうか?
塚越さん:ヨーロッパ諸国は国民負担率が相対的に高く、2019年度のデータですが、フランスが67.1%、福祉国家と言われるスウェーデンで56.4%、ドイツで54.9%などです。それらと比較すると低いですが、同じく2019年度のデータで40.1%は韓国、32.4%はアメリカと、日本はこれらの国よりは高いです。OECD加盟の36カ国ですと、2020年のデータで日本は22番目です。つまり、全体としては未だ低い水準です。また、金額以外にも政策のあり方も外国と異なるので、簡単な比較はできないですが、やはり、どんどん国民負担は増えてヨーロッパ並になってきています。さらに、日本は社会保障などを借金、国債に依存しており、国民負担率にこれらの財政赤字分も加えた「潜在的国民負担率」というものもあります。この潜在的国民負担率は、2022年度はコロナの影響もあり61.1%とかなり高い数字になります。国債による借金は将来世代への負担にもなるので、やはり負担は大きいです。
ユージ:日本の国民負担率、どのように受け止めればいいのでしょうか?
塚越さん:コロナがあったとはいえ、かなり早いスピードで増えていると感じます。90年代以降の経済の停滞も大きいですが、社会保障費でいえば少子高齢化が大きい要素になり、それは仕方ない部分もあります。ただし、考えるべきポイントは負担が多くなることで、それだけ福祉などのサービスが充実するかどうか。こう考えた時、負担が多いのに見返りが少ないという批判もあります。兵庫県明石市の泉市長はTwitterで、「既に諸外国並みに負担しているにもかかわらず、子育て支援も介護負担の軽減も進まない」と不満を述べています。Twitterでは、江戸時代に領民が領主に納める年貢割合の「五公五民」という言葉がトレンドになりました。五公五民とは、領主が5割で領民5割の取り分ということです。江戸時代の初期は「四公六民」。つまり領主が4割で領民が6割だと言われていて、その後、半々になったことなどが原因で一揆、要するに反乱が起きたとされています。つまり、国が取り過ぎているのに、自分たちに還元されていない、といった反発の声が強いということです。
ユージ:負担率よりも、果たして還元がどれくらいあるのかっていうので、負担率に対する納得感も大きく変わると思いますね。
塚越さん:いわゆる福祉国家、スウェーデンとかでは学校が全部タダとかっていうことに日本はまだなっていないにも関わらず、かなり水準が高くなっていることになると、岸田政権は防衛費増額とか色々打ち出していますが、更に税負担が増える可能性のほうが高いです。じゃあ増えるんだったら、どれだけ我々に還元しているのか不満に思う気持ちも多いと思います。なのでこの議論はきっちりして欲しいと思いますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 1, 2023
『「国民負担率」今年度は47.5% 他の国と比べて高いのか?』
フランスは 67.1%、ドイツは 54.9%と、日本よりも国民負担率が高い国はたくさんありますが、中身を見ていくと、「どれだけ自分たちに還元されているか」が大きなポイントだと考えます。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 1, 2023
日本の国民負担率の感じ方は、還元されている実感が大切で、「医療費がどこまでカバーされているか」など、自治体によっても異なるため、国全体で話し合っていく必要があります。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 1, 2023
防衛費の増額も打ち出していますが、税負担が増えたり、社会保障費が適切に使われているか不安もあるため、国民の納得感が大切なポイントだと感じました。#ワンモ