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23.02.27

新型コロナウイルスのワクチン接種
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


【新型コロナウイルスのワクチン接種】

吉田:新型コロナウイルスの全国の新規感染者数は1月中旬以降、減少が進み、第8波の拡大前の水準より少なくなっています。そうしたなか、厚生労働省のワクチン分科会は、いまの無料での接種を継続したうえで、高齢者らを対象に5月から新型コロナウイルスワクチンの新たな接種機会を設けるとする厚労省の案を了承しました。神庭さん、改めて今年の接種スケジュールについて教えてください。


神庭さん:大きく、春夏と秋冬に分かれます。共同通信によると、5~8月には、65歳以上の高齢者や基礎疾患がある方、医療従事者や介護従事者を対象に接種をします。9~12月の方は、ワクチン接種が可能なすべての世代が対象になります。生後6ヶ月から11歳までの子どもの接種も続行するということです。ハイリスクの人は年2回受けられるということになります。


ユージ:なぜ5~8月と9~12月の2回に分けて接種するんでしょうか?


神庭さん:ワクチンによる重症化予防効果は接種から6ヶ月以上、死亡予防効果は接種後10ヶ月以上続くと言われています。前回の接種が去年の秋に始まったことを踏まえると、ハイリスクの方はぼちぼち5月くらいから打ち始めた方がいいという判断なのかなと思います。9~12月に関しては、年末年始の流行のピークに向けた対策という意味合いが強いです。コロナ禍に入って以来、毎年、年末年始に感染者数や死者数が増えていますよね。また、帰省や忘年会、新年会などで感染が広がりやすい集団での飲食の機会も多いです。その前にワクチンで抗体をつけておくことで犠牲者を最小限に抑えようという狙いかなと思います。


吉田:接種するワクチンの種類というのは?


神庭さん:5~8月の方は基本的に、去年の秋から打っているオミクロン対応型のワクチンを打ちます。9~12月の方をどうするかは、海外の動向や流行状況なども踏まえて、来年度の早い時期に決める方針だと報じられています。


ユージ:5類相当に変わることで気になるのが、「いつまで無料で打てるのか?」ということですが…。


神庭さん:5月で新型コロナの感染症法の位置付けが2類相当から5類相当に移行しますが、ワクチンに関しては予防接種法という別の法律で定められているんですね。予防接種法の特例臨時接種と呼ばれる仕組みで、「まん延予防上緊急の必要がある」場合には、国の全額負担で接種をすることができます。健康被害が出たとしても、国が肩代わりする仕組みです。この特例臨時接種には期限があって、これまでにも2回延長されています。今度の期限が3月末で切れることになっていましたが再び延長し、4月以降、23年度も無料接種を継続することにしました。ただし、財務省は去年の11月の段階で全額国費負担という「特例的な措置は廃止するべき」と指摘しているんです。日経新聞は「24年度からは定期接種などを念頭に自己負担を求めることも検討する」と報じているんです。


ユージ:このワクチン接種の政府方針、神庭さんはどうお考えですか?


神庭さん:急に有料化すれば、接種率が大きく下がることは目に見えているので、ひとまず23年度は無料接種を続けるという政府の判断を支持したいなと思います。オミクロン対応ワクチンは高齢者での接種率こそ、74%まで進んでいますが、全体では43.4%と決して高いとは言えない状況なんです。新型コロナを「普通の病気」に近づける意味で、将来的に有料化を模索することは否定しないんですが、今年は5類移行などの緩和策も控えており、いっぺんにいろいろ変えるのは、ちょっと危険かなと思うんですよね。


ユージ:財務省からはお金の問題も指摘されているということですが、その辺りいかがでしょうか。


神庭さん:打ち出の小槌で無限にお金が湧いて出てくるわけではないので、支出のあり方を考えること自体は大切だと思います。ただ、インフラや医療機関がマヒするほどの感染爆発が起こればそれによる経済的なダメージも発生するので、要はバランスということだと思います。つい最近、政府が有効期限が過ぎたモデルナのワクチン4610万回分を廃棄した、という報道もありました。接種率や流行の度合いなど不確定要素が多いので、やむをえない部分もあるんですが、やっぱり「もったいない…」と思ってしまう部分もあります。莫大な国費が海外の製薬会社に流出していくわけなので、少しでも廃棄量を抑えられるように歩留まりの計算の精度を上げるとか、国産の安価なワクチンに切り替えていくといった、コストに目を向けた対策も必要になってくるのではないかと思います。


吉田:神庭さんは今後のワクチン接種、どうしていけばいいとお考えですか?


神庭さん:副反応で寝込むこともあり得るワクチンを、仕事や学業に追われる現役世代が数ヶ月に1度というハイペースで打ち続けるのは正直しんどいし、あまり持続可能じゃないよね、という話をずっとしてきたと思います。今回の決定は定期接種化に向けた第1歩だと思うので、そこは歓迎したいところです。年1回、秋口から年末にかけて、インフルワクチンと一緒に打つくらいになってくれると、だいぶ負担は軽くなりますよね。欲を言えばですが、より副反応が出にくくて持続効果が長いワクチンだとか、注射ではなく鼻から接種できる経鼻ワクチンで有効なものが開発されると、選択肢が広がっていいなあ、と期待しています。


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