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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.02.22

「失業給付」のあり方を見直し 政府の狙いは?
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「失業給付」のあり方を見直し 政府の狙いは?

吉田:仕事を失った人に国が支給する「失業給付」について、岸田総理は今月15日、「自己都合で退職した人」の給付のあり方を見直す意向を示しました。塚越さん、まずは「失業給付」とはどのような制度なのか、改めて教えてください。


塚越さん:失業給付とは、働く意思と能力があるけれども失業の状態にあって仕事を探している人が安定した生活を送るために払われるものです。財源は労働者と使用者、つまり会社が負担する保険料や国費で賄われています。失業給付には2種類あり、会社の倒産や解雇などの「会社都合離職」と、転職やキャリアアップなどによる「自己都合離職」があり、それぞれ給付の内容などが異なります。


吉田:「会社都合」と「自己都合」、失業給付の内容はどう変わるのでしょうか?


塚越さん:まず給付額は同じで、失業直前の6ヶ月分の平均賃金を出して、そのうちの5割から8割となります。給付の期間は、その人の年齢や雇用保険を払っていた期間等で変わってきますが、「会社都合離職」の場合は原則90日から330日支払われます。そして「自己都合離職」の場合は原則90日から150日と、2つのパターンで異なりますが、会社都合の離職の方が期間が長いです。重要なのは、この失業給付の受け取りが始まる時期が2つで異なる点です。どちらも手続きをして7日間待機しますが、会社都合離職は待機後にすぐ受け取れます。一方、自己都合離職の場合は、7日間の待機後にさらに2ヶ月間給付を受け取れない「給付制限」という期間があり、その後で受け取り可能となります。何故、自己都合離職が給付までに時間がかかるかといえば、意図的に就職と離職を繰り返して失業給付を受給することを防ぐためです。今回の岸田総理の発言は、この自己都合離職の給付制限を見直そうというもので、簡単にいえば会社都合離職のほうが有利になっているので、そこのバランスの見直す感じだと思います。


ユージ:自己都合で退職した場合の「失業給付」を見直す意向ということですが、これにはどのような狙いがあるのでしょうか?


塚越さん:一言でいえば、この自己都合離職の給付制限期間を短くして、転職しやすい環境をつくることだと考えられます。どういうことかというと、例えば自己都合の離職で失業給付の支払いが遅くなると、転職に踏みだすための資金や意欲などを妨げることになってしまいます。先週水曜に開かれた会議で、岸田総理は失業給付の見直しについて、「労働移動を円滑化するため」だと述べています。つまり、成長分野や人手不足の業界に転職しやすいような環境をつくり、経済の活性化を狙っているとみられます。実際、3年前までは給付を受け取れない「給付制限」期間は3ヶ月でしたが、安心して転職出来る環境づくりのため、期間を1ヶ月短縮して2ヶ月になりました。おそらく、この期間をさらに短くしようということを意図した発言だと考えられます。一方で、意図的に就職・離職を繰り返して失業給付を受給する人が出てくるのでは?という点に関しては、すでに転職後1年以上働かないと新たな失業給付を貰えないといった制度等もありますが、より一層の対策を行うというアピールも必要だと思います。


ユージ:「失業給付」のあり方を見直すこと、塚越さんはどのように受け止めていますか?


塚越さん:日本の企業は昭和の時代に、年功序列や新卒一括採用等とともに定年まで同じ会社に勤め続ける、いわゆる「終身雇用」の習慣が定着しました。しかし、昨今はこうした制度を維持するのは難しく、またグローバルな経済環境では求められる技能も目まぐるしく変化します。そこで、自分の技能を活かして、能力に合った様々な企業で働くことで、結果的に国全体で高賃金で生産性の高い労働が出来ます。これは番組でも何度か扱っている、いわゆる「ジョブ型雇用」というもので、岸田政権もこの流れを促進しようとしています。これに加えて、自己都合と会社都合の離職で待遇が違い過ぎるのはおかしい、という声もあるので、今回の見直しは基本的に歓迎されるものです。これによって、転職は当たり前という風潮を生み出すことになります。そうなれば、企業も必要な人材を確保しようと高待遇、高賃金を提示するようになるので、労働者にとっても良いことです。一方で、今後想定される給付制限期間を短くするような対策で、本当に転職が促されるのかについては疑問の声もあり、もっと踏み込んだ対応が必要という意見もあります。例えば、再就職が決まると給付が止まりますが、失業期間が短い人が損をしない仕組みをつくることで、より素早い転職を後押しすることも必要です。加えていえば、失業給付を受給中に就職に必要なスキルを身につける「離職者訓練」という制度もあります。要するに、今話題のリスキリングです。こうした制度の一層の周知・充実も必要だと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。



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