23.02.21
マイナンバーカードの現状

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
【マイナンバーカードの現状】
吉田:マイナンバーカードの発行業務などを担う「地方公共団体情報システム機構」が発注した、マイナンバー関連の事業のうち、競争入札を実施せず、任意の業者を選ぶ随意契約か、1つの事業者しか入札に参加しないものの割合が8割以上に上ることが19日分かりました。神庭さん、賛否あるマイナンバー事業をめぐって、新たな報道が出てきましたね。
神庭さん:共同通信によりますと、地方公共団体情報システム機構の契約は一般競争入札を原則としているにもかかわらず、実際には随契や一者応札(いっしゃおうさつ)=1つの事業者しか参加しない競争入札が8割以上を占めていたということです。高度なセキュリティーが求められる事業の性質上、国内企業で、かつ安定しているところに…という発想になりがちなのかもしれません。しかし、公共事業で競争原理が働かないと、発注費用が高止まりしてしまいます。マイナ事業に注ぎ込まれるのは国民の血税なので、有効なお金の使い方、適切な発注方法を検討していただきたいと思います。
ユージ:これは少しアンフェアかもしれないですね。マイナ事業にネガティブなイメージをつけてしまいますし、やり方としてどうなんでしょうか?
神庭さん:これはマイナカードに賛成か反対かというのとは別次元の話です。たとえ賛成派の人でも「税金の使い道、しっかりしてよ!」と言う権利はあります。政府や自治体が発注するシステム開発をめぐっては、最初に相場より安く落札して、維持管理で稼ぐというやり方もあるんですね。ほかの企業が入り込めないように独自仕様を張り巡らせて、よその業者に浮気できないようにするというやり方があって「ベンダーロックイン」と言うんですが、そうなると発注者は延々と同じ会社にメンテを頼まないといけなくなり、維持管理コストが膨らんでしまいます。日本のDXを遅らせ、デジタル敗戦を引き起こした原因の1つがこのベンダーロックインだと言われています。発注者である政府の側も、ベンダー、IT事業者と対等にわたり合えるだけの知恵をつけないといけないのかなと思います。
吉田:マイナンバーをめぐる最近の動きですが、やはり注目は「マイナ保険証」です。改めて教えて下さい。
神庭さん:政府は来年の秋に健康保険証を廃止して、マイナンバーカードに機能を一本化する方針を打ち出しています。患者の同意があれば、医師や薬剤師が患者の過去の検診結果や処方薬の情報などを参照できるので、これによって余計な検査や、過剰な薬の処方が避けられるのはメリットかなと思います。一方で、そうしたセンシティブ情報が流出したり、悪用されたりするんじゃないかと心配している人も少なくありません。また、医療機関や薬局の側でカードリーダーを導入しなければならないですが、思うように進んでいません。そのうえ、導入した医療機関でも読み取り機がうまく作動しないなどの不具合・エラーが多発しているそうです。便利にするためのツールでかえって不便になってしまうようでは本末転倒ですから、ここは不安要素かなと思います。
ユージ:「個人情報が洩れる」ということを怖いと思っている方もいると思うんですが、その辺りはどうなんでしょうか。
神庭さん:共同通信の報道によれば、過去5年間に3万5000人分のマイナンバー情報が企業や行政機関から紛失・漏洩しています。どんなに強固なシステムをつくっても運用するのが人間である以上、必ずミスや漏洩は起こってしまいます。むしろ、その前提に立って二重三重の守りを固めることが大切だと思います。現状、マイナンバーには住所や性別、個人番号が記載されているんですが、デジタル庁はプライバシー保護や防犯のために、これらを券面から削除することを検討していると読売新聞が報じています。そうなると多少持ち歩くことに対する抵抗感も減るかもしれません。
吉田:このマイナンバーカードをめぐる議論、神庭さんの考えはいかがでしょうか?
神庭さん:国をあげてDXを推進するという大きな方向性は賛成ですが、その進め方がいかにもまずいなぁと思っています。「取得は任意で強制ではない」と言っていたのに、保険証と一体化させて事実上の義務化のようになってしまいました。2025年の3月末に運転免許証とも一体化する予定です。後出しジャンケン的に、どんどん用途が広がっています。明示的に拒否しない限り、銀行口座とマイナンバーをどんどん紐付けてしまおう、という案も出ています。マイナンバーの申請件数は今月15日現在で8700万件あまり。マイナポイントの大盤振る舞いのおかげで人口の7割弱が申請するところまできました。ただ、逆に言えば3割はまだ申請していないわけです。菅前総理は今年の3月末までにほぼすべての国民に行き渡らせると豪語していましたが、実現は厳しそうです。国民の納得感が一番大事なのに、一過性のポイント攻勢でごまかして押し切ろうとするから、返って不信感が高まってしまうんですよね。国民の暮らしが具体的にどのように便利になるのか?行政コストが削減されるのであれば、そのぶんを減税で還元できないのか?口座との紐付けで脱税や公金不正受給はどれだけ減らせるのか?…などなど、岸田総理お得意の「丁寧な説明」が求められているのではないかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 21, 2023
「マイナンバーカードの現状」について
マイナンバーカード取得者の割合が国内人口の7割弱にのぼりました。
しかし政府としては、今年の3月末までに、ほぼ全国民に行き渡らせるという目標を掲げています。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 21, 2023
取得者である僕が便利だと思うことは、印鑑証明や住民票などの公的書類がコンビニでいつでも安い価格で手に入ることです。ただし、これら以外ではマイナンバーカードを活用したことがありません。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 21, 2023
今後、確定申告などの必要な書類に簡単に紐づけできるシステムがあれば良いと思うのですが、個人情報の漏えいを不安に思う人も少なくありません。
マイナンバーカードがどんどん便利な方向に進んで、カード1枚でさまざまなことができるようになったら良いというのが僕の願いです。#ワンモ