23.02.16
迷惑行為騒動、対応を迫られる飲食店とSNSのあり方

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!
『迷惑行為騒動、対応を迫られる飲食店とSNSのあり方』
吉田:飲食店の客による迷惑行為の発覚が相次いでいる影響で、店舗側も対応を迫られ、自由に取ったり使ったりできる料理や調味料をなくす動きが広がっています。
ユージ:塚越さん、改めて今回の騒動について教えてください。
塚越さん:回転寿司チェーンの『スシロー』をはじめとして、先月末から飲食店の客による迷惑行為が相次いで発覚しているということで、連日いろいろな報道がありますよね。SNSのTwitterやTikTok、Instagramなどで動画を公開して、それらが拡散されて問題になるという典型的なケースなんですけれども、こういうものが多いですよね。他にも、『くら寿司』や『はま寿司』、『すし銚子丸』といった回転寿司チェーンでもいろいろなことがあります。さらには、北九州を中心とするうどんチェーンの『資さんうどん』とか、牛丼チェーンの『吉野家』などで迷惑動画が発覚するなど、これらの事例には枚挙に暇がないという感じですよね。
ユージ:そういう影響もあって、各店が対応を始めているということですよね?
塚越さん:そうですね。一連の問題の中でも一番大きいのは、『スシロー』ですよね。警察に被害届を提出しまして、厳正に対処すると述べています。特にこの問題でスシローの株価が下がりまして、一時、168億円の損失を出したとも言われてます。訴訟することで、“お客さんを守る”という姿勢を見せるとともに“企業イメージの回復”も行おうということですよね。様々な企業で今回の件を受けて店舗対応を始めてまして、『スシロー』では、注文された商品以外の提供を取りやめるといった対応を行うほか、テーブルとレーンの間の一部にアクリル板の設置も進めているということで、回転寿司ならではの楽しみが減ってしまうんですけれども、衛生管理を徹底しようということです。そして、『くら寿司』では、3月上旬にもこれまで利用していたAIカメラを改良して、不自然に皿のカバーを外す行為など、いわゆる、不正行為の検知可能にしたり、『はま寿司』でも、レーン上にカメラやセンサーを設置する検討をしています。回転寿司以外でも、例えば、『餃子の王将』は、テーブルに置いていた調味料を撤去して、注文後に提供する方法に変えているということで、飲食業界全体に影響が出ているという感じですよね。
吉田:一方で、迷惑行為を行った少年を“晒す”行為も広がっていますね。
塚越さん:特にスシローの件は大きく取り上げられてまして、迷惑行為を行った少年の個人情報がネットで晒され、拡散されてしまったという状況なんですよね。最近は、“暴露系”と言われますか、“問題行為を発見して拡散するアカウント”の動きも活発化していまして、その影響で拡散されやすいんですよね。少年の通う高校にも苦情が殺到しまして、報道によりますと、少年は高校を自主退学されたと言われています。こういう行為は、一般の人がやっている行為なので、“私刑”、“私的制裁”なので、これも問題ですよね。あとは、半永久的に情報がネットに残ってしまう『デジタルタトゥー』と言われているんですけれども、こういう問題もあるかなと思います。これを受けまして、スシローは、加害者に直接危害となるような行為を控えてくださいというふうに求めています。企業としても、お客さんを守る姿勢を見せることは大事なんですけど、加害者への“私刑”があると、逆にイメージ悪化にもなりますし、そこまでは望んでいないというところもあるかなと思います。
ユージ:なんで迷惑動画って拡散されちゃうんでしょうか?
塚越さん:まずは、『ネット炎上の問題』で、この手の話は10年ほど前からあり、例えば、従業員による迷惑行為が『バイトテロ』と呼ばれたこともありました。この10年の間で、ますます炎上・注目されるようになっています。先ほど申し上げましたように、それを発見して、拡散するアカウントも結構多くなっていますし、根本には、やっぱり、それを我々が楽しんでしまうという点もあるのかなと思うんですよね。そして、同時にですね、私たちメディアもこうした事件を煽り目的で報道してしまうこともあるので、ここは我々も自戒を込めて、慎みをもって報道する責任があると思います。もう一つは、『日本的な“内輪ノリ”の問題』があると僕は思っていまして、この手の話だと、「SNSは誰でも見れることを若者はわかっていない」といった“リテラシー”の話題にされがちなんですけれども、若い人はそれは知っていると思うんですよね。でも、わかってはいるんだけれども、内輪のノリで面白いことしようということで、社会のルールを超えてしまう。『内輪ルールの優位性』と呼んでいるんですけれども、そういうのがあるのかなと…。日本的な空気ですよね、仲間内での空気で考えて、社会ルールを超えちゃうということもあるので、リテラシー教育も大事なんですけれども、本質的には、そういった狭いコミュニティの“内輪のルールが公共性より優先される習慣”を変える必要もありますし、あとはやっぱり、『デジタルタトゥーの問題』ですよね。加害者のその場のノリで悪いことをするというのも問題ですけれども、同時に、“これは悪いことだから、なんか言うのが正義なんだ”という気持ちになって極端な私刑、すごくバッシングするという行為に走ってしまうと、これもやっぱり、公共的な観点がお互いに削がれちゃっているので、“みんな(=公共性)って何なんだろう?”ということを考えるのが重要かなと思いますね。
ユージ:確かにこういう迷惑行為をしている人って、ある種、今のSNSを活用して、「ちょっと注目されてみたい」とか「どんなリアクションが来るのかな?」っていう、先が読めてない注目されたい意識というのはあると思うんですけど、ただ、その動画を「なんだこいつ!」って、自分のSNSで晒すのも、ある種、その動画を使って、自分が注目されたいというか、似ている部分がある気がするので、やっぱり、慎重にいきたいですよね。
塚越さん:そうですね、いたちごっこみたいになっちゃっているのはダメだと思いますね。残念ですよね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 16, 2023
『迷惑行為騒動、対応を迫られる飲食店とSNSのあり方』
今回のような迷惑行為動画の騒動で1番ダメなのは迷惑行為を行った本人ですが、その動画を面白がって拡散した人達も同じくらいダメな事をしているのではないでしょうか。 #ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 16, 2023
動画を拡散している人たちやそれを見た人達が今回のように炎上していて面白いから個人情報も探して晒す!など、店と本人の問題に第三者が拡散という形で割り込むのはやりすぎなんじゃないかと僕は感じました。 #ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 16, 2023
SNSユーザーは晒し行為の影響の大きさをちゃんと理解して、よく考えた上で自分本位では無いかたちでSNSと向き合っていければいいのではないでしょうか。 #ワンモ