23.02.13
日銀の総裁人事で、私たちの生活はどう変わる?
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。
日銀の総裁人事で、私たちの生活はどう変わる?
吉田:政府は4月8日に任期満了となる日銀の黒田総裁の後任人事案について、2人の副総裁候補とともに、あす国会に提示します。
ユージ:去年の歴史的な円安もあって、黒田総裁の後も異次元の緩和政策は続くのか、後任人事も注目されていました。住宅ローンもそうですが、お仕事にも影響がでてくるという方も多いのではないでしょうか。
吉田:週末、政府が元日銀審議委員で経済学者の植田和男さんを起用する意向を固めた、という報道もありましたが、そもそも、日銀総裁とはどんなお仕事なんでしょうか?神庭さん、そのあたりから教えてください。
神庭さん:はい。日銀は日本の中央銀行で、大きく2つの目標を掲げています。1つは物価を安定させること。なので「物価の番人」とも呼ばれています。もう1つは、金融システムの安定に貢献すること。この2つの目標のために、金融政策を指揮するのが日銀総裁です。
では「金融政策」とは何かといいますと、金利を上げたり、下げたりして世の中に流通するお金の量をコントロールすることなんですね。金利は水道の蛇口のようなもので、金利を下げるとマネーの供給量が増えて、経済が活性化し景気が上向きます。逆に蛇口をしめて金利を上げると、過熱しすぎた景気を冷まし、物価を下げる効果があります。…ということで、こうやって金利の手綱を握って、金融緩和や引き締めの塩梅を調整する役割の最高責任者が日銀の総裁、ということなんですね。
ユージ:ニュースを見ていると、経済学者出身の総裁は戦後初ということですが、植田さんはどんな方なんでしょうか?
神庭さん:植田和男さんは1951年生まれの71歳で、日本を代表する金融政策の研究者です。東京教育大学附属駒場高校(現在の筑波大学附属駒場高等学校:通称・筑駒)を卒業後東大理学部に進み、マサチューセッツ工科大学経済学部大学院で博士課程を修了しています。1993年に東大教授となり、1998年から2005年まで日銀の審議委員を務めました。そして現在は、共立女子大の教授という経歴の持ち主です。
日銀の総裁はこれまで、日銀のプロパーや財務省の出身者がほとんどで、経済学者出身の総裁は戦後初めてです。母校の筑駒は卒業生の東大進学者が6割に達するハイパー進学校で、実は黒田総裁も筑駒から東大という同じルートをたどっていますので、2代連続で筑駒出身の日銀総裁、ということになります。
ユージ:そんな植田さんが、黒田総裁の異次元の緩和の方針を引き継ぐのか気になるところですが、ご本人は今の日銀の政策について、どう思っているんでしょうか。
神庭さん:気になりますよね。報道各社の取材には「現在の日銀の政策は適切で、当面は金融緩和を続ける必要がある」と答えています。また、大規模緩和の出口戦略をどうするかについては「いろいろと難しい問題があるのは百も承知している」と述べています。
植田さんが昨年7月に日経新聞に寄せた論稿では
《 多くの人の予想を超えて長期化した異例の金融緩和枠組みの今後については、どこかで真剣な検討が必要 》
と出口戦略の必要性を説きつつも、
《 利上げで円安にブレーキをかけようとすれば、金利・為替両面から景気を悪化させ、インフレ目標達成も一段と遠のく 》
と、拙速な金融引き締めを諌めるなど、バランスの取れた主張を展開しています。
吉田:先日、雨宮副総裁の名前が挙がったときに、円安が進みましたが、今回の市場の反応はいかがでしたか。
神庭さん:そうですね。やはり“サプライズ人事”という受け止めです。当初は雨宮正佳副総裁が有力と目されていましたが、日経新聞によると、雨宮副総裁は政府の打診を辞退したということで、植田新総裁という人事案が報じられると、債権相場は下落して、日米の金利差が縮まるのではないか?という観測で、為替も一時は円高ドル安に振れました。
当初は、「雨宮さんだったら景気刺激に積極的なハト派だし、黒田ラインを踏襲するだろうから安心できる」という見立てがありまして、そんな中で植田さん就任、というサプライズ人事が報じられましたので、マーケットもやや戸惑っているようにも見えました。ただ、植田さんが「現在の日銀の政策は適切」と発言したことで、「どうやら景気を急激に冷やすような劇的な方針転換はなさそうだ」とわかってきたので、今後は市場も一旦は落ち着きを取り戻していくかもしれませんね。
ユージ:今後の注目ポイントは、どういうところですか。
神庭さん:日銀は「イールドカーブ・コントロール」といって、国債を無制限に大量に買い入れて金利を低く抑えつける政策を続けていますが、これが債権市場を歪めていて、持続可能ではないのでは?という批判もあります。この「イールドカーブ・コントロール」を植田新総裁が変更するのか、また、変更するとしたらいつなのか?というのが目下の焦点になりそうです。“黒田バズーカ”異次元緩和で生じた副作用、ひずみをどう正常化するかが課題ですね。とはいえ、一気に金利を上げると、住宅ローンの金利が上昇したり、景気が急速に冷え込んだり、といったマイナスの影響も出てきますから、そこを最小限に抑えつつ、いかにソフトランディングさせていくか?というのが、新総裁の手腕の見せ所かな、と思います。
植田さんは世界的にも非常に評価が高く、アメリカのサマーズ元財務長官は、ノーベル経済学賞を受賞したバーナンキ氏の名前を挙げ、植田さんを「日本のベン・バーナンキだ」と高く評価していますので、そのあたりは期待できるのかな、と思いますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 13, 2023
今朝のテーマは「日銀総裁人事で私たちの生活はどう変わる?」
政府は4月8日に任期満了となる日銀の黒田総裁の後任人事案について、
あす、国会に提示します。
そして政府が起用する方針を固めたと報じられているのが、
経済学者の植田和男さんです。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 13, 2023
賃貸マンションに暮らしている僕はマイホームへの憧れもあります。
ただ、低金利時代の今だからこそ家を買おうと思いつつ、
まだわからない今後に不安もあります。
今回の日銀総裁人事での新たな政策はプラスになるのか否か、
僕たちは総合的に見極めていく必要があると思います。#ワンモ