23.02.09
新型コロナウイルス特別措置法の改正案、閣議決定

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!
『新型コロナウイルス特別措置法の改正案、閣議決定』
吉田:政府は7日、次の感染症の流行に備え、新型コロナ対策の特別措置法などの改正案を閣議決定しました。また、感染症対策を行うための司令塔として、『内閣感染症危機管理統括庁』を新しく設置するための改正案も決定しました。
ユージ:塚越さん、コロナ対策について法改正を行うとのことで、改正案のポイントはどういうところでしょうか?
塚越さん:まず、『新型コロナウイルス特別措置法』は、総理大臣が『緊急事態宣言』を行ったり、それを受けて、都道府県の知事が『外出自粛要請』などを行える法律なんですね。今回は、この法律の改正案が閣議決定されたということで、まだ改正が決まったというわけではないので、この改正案を今国会に提出して成立を目指すということなんですよね。今回の閣議決定されたポイントは、一言で言えば『総理大臣の権限強化』ということです。感染症が流行した際に、政府の対策本部を設置した時点で総理大臣が都道府県の知事や省庁といった行政機関に対して、『指示権』を行使できるようになります。現行法で『指示権』を行使できるのは、“緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が発令されている時のみ”で、例えば、事業者に営業時間短縮などの命令を出す規定が“特に必要があると認めるとき”といった感じで、結構、曖昧なんですよね。なので、こういった曖昧な部分を法改正して基準を定めて明確化する。場合によっては、早い段階でそういう対応・対策を行うということですよね。したがって、総理大臣の権限を強化して、感染初期から迅速な対策ができるようにしようといった内容になっています。
ユージ:そのほか、どういった内容が改正案に盛り込まれているんですか?
塚越さん:例えば、市町村でクラスターが発生して業務が困難になった際などは、政府の対策本部がすぐに支援に入って、行政活動を代行できるようにするということで、こちらも現行法では、緊急事態宣言の時などに限られるんですけれども、そうじゃないようにしようということですよね。あるいは、自治体が感染防止のための財源を確保しようということで、地方債を独自に発行できる特例規定も創設しようということになっています。
ユージ:そして、『危機管理統括庁』 というものができるんですね?
塚越さん:先程の法改正案とは別にですね、『内閣感染症危機管理統括庁』を新設する方針で、そのための内閣法の改正案も閣議決定しました。こちらも今国会に提出して、秋にも発足を目指すということになっています。こちらはですね、感染症対策の企画とか立案、様々な調整を一元的に行う、“政府の司令塔”をつくろうということなんですよね。この『危機管理統括庁』では、普段は38人の専属の職員が訓練とか各省庁の準備状況の点検を行い、緊急時には101人まで人を増やして対応しようということになっています。
ユージ:今回の改正案をみて、どう感じられますか?
塚越さん:要するに、“総理大臣や中央省庁の権限を強化する”ということなんですが、これをどう評価するかがポイントです。例えば、総理の指示権といった権限が増えることで、早期の対応ができるのも事実なんですけれども、罰則規定などもこれまで以上に明確化するということもありますので、同時にですね、厳しくなる可能性もあるわけなんですよね。ただし、この3年くらいのコロナの対応を考えてみますと、例えば、学校の休校だったりとか、自粛要請の内容について、賛否ありますけれども、必ずしも政府の判断が正しかったのだろうか?というと、そうでもないんじゃないかなという側面もあったりしますね。私はそういうふうに感じるんですよね。そういった対策が十分ではなかったのは、“権限が足りなかったから”“もっと早くやれば良かった”なのかというと、必ずしもそうではないと。そういう中で、今考えられているモノそのままに通ると、さらに罰則規定のようなものが強くなることも予想されると、どんどん罰則が強化されると本当にいい社会になるのだろうか?むしろ、社会経済活動などは、もっと悪い方向にいってしまう可能性があるんじゃないか?ということが懸念の一つとしてありますよね。
ユージ:権限を持った人の判断の仕方によっては、そうなりうるということですよね?
塚越さん:そうですね。まだ情報が少ないのでなんとも言えないんですけれども、やっぱり、不信感はあるので、賛否はあると思います。なので、国会で十分に議論してほしいかなと思いますね。そして、『危機管理統括庁』。こちらも重要で、権限をグッと持ってくるというのも重要なんですけれども、こちらも対応という意味ではですね、例えば、医療現場の人たち、今すでに人員不足と言われています。看護師さんとかお医者さんは専門家の人たちなので、権限があってもですね、すぐには増やせないですし、PCR検査の問題も賛否があるにせよ、世界的に見ても、検査の拡充は遅かったですよね。これも組織を固めればそれができるのか?ということも、ちょっと考えないといけないですよね。つくるはつくるでいいと思うんですけれども、だったら、コロナ禍の約3年間がどうだったのかというを検証してですね、失敗を踏まえたうえで、どういうタイプの権限強化だったら許されるのか、この議論はこれからも進めて欲しいと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 9, 2023
『教訓を踏まえ新型コロナ特措法改正案を閣議決定』
今回の改正案は簡単に言うと総理大臣の権限が強化されることが大きなポイントで、これまで緊急事態宣言などでしかできなかった事業者に対する営業時間短縮等の発令が可能になるということなんです。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 9, 2023
改正案のメリットとしては申請の時間が大幅に短縮でき、スピーディな対応が可能になる。しかし通常発令する場合と違い、社会に与える影響を熟考しきれない部分が出てきてしまうという懸念点もあります。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) February 9, 2023
この改正案によって総理大臣の負担は大きくなりますが、そこも非常に求められる立場だと思うので今後どのように行使されてくのか、注目のポイントです。#ワンモ