network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.01.30

全国各地で相次いでいる一連の強盗事件
null

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【全国各地で相次いでいる一連の強盗事件】

吉田:連日報道されている今回の事件では、SNSの「闇バイト」でメンバーが集められた疑いがあることなど、犯行グループの動きが徐々に明らかになってきていますが、改めて神庭さん、今回の事件の概要を教えてください。


神庭さん:警察庁によると、去年の10月以降、東京、神奈川、埼玉など1都7県で同一グループによるものとみられる強盗事件が起きていまして、これらの事件に絡んで10~30代の30数人が逮捕されています。東京・稲城や中野の強盗致傷事件や、狛江市で起きた強盗殺人事件も、この強盗団の関与が疑われているんです。「ルフィ」と名乗る指示役の男は、一昨年からフィリピンの入管の収容施設に収容されています。ルフィというのはコードネーム的なもので、複数の人物が使っていた可能性も指摘されています。


ユージ:何といっても手口が荒っぽいのも気になりますし、怖いですよね。


神庭さん:昨年10月に起きた稲城の事件では7人のグループが逮捕されています。報道によれば、宅配業者を装って家に侵入し、住人の女性にケガをさせたうえで、現金約3500万円などを奪った疑いが持たれています。1月19日に起きた狛江の事件では90歳の女性が殺害されています。家の中が激しく物色されていて、あらかじめ金品があることを知ったうえで探していたのではないかという報道もあります。読売新聞によれば、狛江の住宅には防犯カメラが設置されていたんですがモニターが破壊されていたということで、インターホンを鳴らして女性にドアを開けさせ侵入した可能性が高いとみられています。


吉田:強盗団のメンバーはSNSの闇バイトで集められたということですよね。


神庭さん:「日当100万円」など高収入をエサに、SNSで募集をかけたものとみられています。いわゆる「闇バイト」です。実行役は100万~150万円、運転手役は80万円など役割に応じて報酬が設定されていたようです。リクルートにあたっては身分証を提出させ、家族構成や職場を聞き出すなどして、組織を裏切ったり足抜けしたりできないようにしていたということです。これだと家族や身の周りの人に危害が及ぶのが怖いので、やめることもできない。そんな即席の強盗団をフィリピンから指示を出し動かしていました。連絡には秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」が使われていたとされています。最大の疑問は、フィリピンからどうやって指示を出していたのかという話ですが、朝日新聞は「この施設が金さえ払えばVIPルームで快適な暮らしができて携帯電話も使えた」と施設関係者の証言を紹介していまして、かなり腐敗が蔓延っていたのかもしれませんね。


ユージ:オレオレ詐欺などの特殊詐欺との関連も指摘されていますよね。


神庭さん:2019年にフィリピンで日本人36人が拘束される特殊詐欺事件があり、被害総額は35億円ともいわれています。この特殊詐欺グループの幹部と目されているのが、今回の広域強盗事件の指示役のルフィとかビッグボスと呼ばれる人物です。先ほど言ったSNSの闇バイトを通じた人集めの手法や、資産家らをターゲットにした手口、フィリピンに拠点を構えている点などが共通しており、特殊詐欺のスキームが一連の強盗事件に転用されたとみられているんです。


ユージ:怖いですね…。


神庭さん:特殊詐欺に使った資産家らの名簿を強盗のターゲット選びに転用したしたのではないか?という報道も出ています。読売テレビの『【闇バイト】演技力不要で手っ取り早い…「特殊詐欺」でなく「強盗」のワケ』という記事は「タンス預金は”だまし取る”から”奪い取る”」強盗は演技する必要がなく、「特殊詐欺より手間がかからない」と指摘しています。特殊詐欺の対策が進んで簡単に稼げなくなったから強盗に参入したのかもしれないですが、強盗致死や強盗殺人は、死刑もあり得る非常に重い罪なので、何を考えているのかと思います。


吉田:対策としては、どんなことが考えられますか?


神庭さん:基本的なことですが、きちんとカギをかけ、モニターやドアスコープで訪問相手をよく確認すること。すぐにドアを開けず、ドアチェーンも活用してほしいと思います。心配な人は宅配業者から直接受け取らず置き配、宅配ボックスを使うのも手です。監視カメラは抑止力を高めることにはなりますが、狛江の事件ではカメラがあっても侵入を招いており絶対ではないです。セキュリティコンサルタントの松丸俊彦さんは、東洋経済オンラインの記事で、ベッドルームなど鍵がかかる部屋を「逃げ込み、立てこもる用の部屋」=「パニックルーム」として設備を強化することが有効だと指摘しています。パニックルームに移動するのが難しい場合、トイレに逃げ込んで鍵をかけるのもアリだということです。大きな目線でみると、「一億総中流」が過去のものになり、持てる者、持たざる者の格差が広がるなかで、今後こういう手荒な犯罪が増えていく恐れもあると思います。強盗が絶対に許されないのは言うまでもありませんが、目先の防犯対策だけでなく、例えば高齢者と若者の世代間格差を是正していくということなどをしっかりやっていくことが、めぐりめぐって治安の向上にもつながるのではないかと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





過去の #ユジコメ を音声でCHECK!!

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top