23.01.31
通常国会の注目ポイント

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
【通常国会の注目ポイント】
吉田:1月23日に召集された通常国会、会期は6月21日までの150日間。現在の注目ポイントを神庭さんに抑えていただきます。まずは「少子化対策」からお願いします。
神庭さん:キーワードは「いい異次元」と「悪い異次元」。岸田総理は異次元の少子化対策を打ち出しているんですが、そんななかで、これは「いい異次元」だなと思ったのが、児童手当の所得制限撤廃に関する議論です。自民党の茂木敏充幹事長が25日の衆議院の代表質問で「すべての子どもの育ちを支えるという観点から撤廃すべきだ」と岸田総理に質問したところ、野党席からもどよめきが起こりました。そして翌日の参院本会議でも同じような質問を野党から受けて、岸田総理は「国会の議論も踏まえ具体策の検討を進めていく」と一歩踏み込んだ答えをしました。
ユージ:確か自民党はもともと、所得制限を主張していましたよね?
神庭さん:そうなんです。歴史をさかのぼると、所得制限のない手当はもともとは旧民主党の看板政策で、自民党は潰す側だったんです。2010年に民主党が所得制限のない「子ども手当」を導入した際、野党だった自民党は財源を理由にバラマキだと強く反対しました。結果、2012年には所得制限付きの児童手当に戻ってしまったんです。だから、立憲民主からするとお株を奪われたというか、「今更なんなの」という思いもあるのではないでしょうか。立憲民主党の岡田克也幹事長が29日のNHKの番組でこの点を突くと、茂木幹事長は「反省する。必要な政策の見直しは躊躇なくする」と述べました。
少し意地悪な見方をすれば、国会の会期中に統一地方選を控えるなかで、自民党として少しでも有権者、それも子育て世帯の心を掴みたいという狙いはあると思います。野党に言われる前に先手を打つことで、野党の主張を封じてやろう、という思惑もあるかもしれません。ただ、たとえそうだとしてもこれまでの過ちを反省して政策を改めることには意義があると思います。こういう党利党略、選挙対策であれば大歓迎なので、これは「いい異次元」と言っていいのではないかと思います。
吉田:一方、「悪い異次元」もあるということですが、これは何でしょうか?
神庭さん:27日の参院本会議で、自民党の大家敏志議員が代表質問で、岸田総理にこんな風に尋ねました。「子育てのための産休・育休を取りにくい理由の一つが、一定期間仕事を休むことで昇進・昇給で同期から遅れを取ることだと言われてきました」「リスキリングと産休・育休を結び付けて、産休・育休中の親にリスキリング支援を行う企業に対して、国が一定の支援を行うことはできないか」といった質問だったんですが、リスキリングというのは学び直しのことです。これに対して、岸田総理は「育児中など様々な状況にあっても主体的な学び直しに取り組む方々を、しっかりと後押しして参ります」と答弁しました。で、この答弁がネット上で炎上して、野党からも批判を浴びているんです。
ユージ:僕も父親で子供がいるので、これを聞くと「ん!?」と引っかかる部分が確かにあるんですが、一瞬、炎上要素がわかりづらいですよね。
神庭さん:何が炎上したかというと、「産休、育休中はそんなに暇じゃない」「子育てしたことない人の理想論では」「子育ては休みなしの24時間労働」といった声が広がったんです。確かにそうですよね。あくまでも育児休「業」であって、育児休「暇」ではないです。そこのところを履き違えているのかなと思いますし、岸田総理の答弁が悪いというよりも、そもそもの質問の設定の仕方がズレている気もします。なかには、あまり手のかからないお子さんもいらっしゃいますし、子育てとリスキリングを両立できるスーパーマンみたいな人もいるとは思いますが、そういう人が大多数ではないということですね。育休期間に限定せず、シンプルにリスキリング支援について聞けばよかったです。せっかく児童手当の所得制限撤廃でグンと株を上げたのにこっちの「悪い異次元」で台無しにしてしまった感じで、ちょっともったいないかなと思いました。
吉田:通常国会で、子育て支援以外で神庭さんが注目していることは何でしょうか?
神庭さん:立憲民主と維新の共闘です。もともとは「水と油」と言われてた立憲と維新ですが、先の臨時国会で、旧統一教会の被害者救済法案を共同提出しました。政府案にも注文をつけて修正を引き出すなど共闘によって一定の存在感を示しました。今国会でも共闘を維持し、「防衛増税反対」を打ち出していくことで合意しています。増税撤回を求め、行財政改革で財源を捻出するために共同の作業チームをつくって議論していくということです。
ユージ:かなり政策のスタンスが違うイメージがありますが大丈夫なんですか?
神庭さん:それは確かにそうです。立憲と維新では安保観にかなり隔たりがあります。でも、それは与党の自民・公明も同じことなんですね。増税に代わる安定的な財源が果たして見つかるのか未知数ですが、こういう共闘自体はどんどんやったらいいと僕は思います。やはり与野党の間で一定の緊張感がある方が、政治がピリッとするんですね。国会内でテーマを絞って、時限的に共闘する。選挙になったら、その時はその時で各党、バチバチに意見を戦わせればいいと思います。臨時国会に続き、立憲・維新の共闘がどこまで機能するのかに注目ポイントの1つかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 31, 2023
「通常国会の注目ポイント」について
いくつか神庭さんにご紹介頂きましたが、僕が気になったトピックは
「異次元の少子化対策」です。
人の気を惹く面では良い切り口だと思いました。#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 31, 2023
今の子供たちが未来の経済を回しますので、
未来の日本のためにも少子化対策は重要です。
ですが、「異次元」と惹きつけたからにはそれなりの案が出てこないといけないかなと思いました。#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 31, 2023
家庭環境や人数によって見方が変わるので
所得制限のない「子ども手当」という案は良いと思います。
ですが、この案以外に「異次元だね」と思えるような少子化対策案が
出てくるのか注目したいところです。#ワンモ