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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.02.01

「大手電力7社が電気料金の値上げを申請」その背景は?
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターは引き続き、情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「大手電力7社が電気料金の値上げを申請」その背景は?

吉田:東京電力ホールディングスなど、大手電力会社7社が、1月26日までに「規制料金」の3~4割程度の値上げを、経済産業省に申請しました。塚越さん、まずは「規制料金」というのは何なのか、改めて教えてください。


塚越さん:電力の家庭向け料金には「自由料金」と「規制料金」があります。「自由料金」は2016年の「電力小売り全面自由化」によって新たに出来たもので、主に新規参入した新電力などが行っており、価格は自由に決められます。対して、「規制料金」は従来からあるもので、値上げするには国の許可が必要です。各社が値上げ申請をしたのがこの規制料金ですが、一般家庭の過半数が規制料金で契約しています。東北電力や北陸電力といった5社が4月からの値上げを申請し、東京電力と北海道電力の2社は6月からの値上げを申請しています。値上げ幅は最終的に国の審査で決定しますが、各社が申請した時点では平均で28%~45%と、大きな値上げになります。


吉田:大手電力7社が、この「規制料金」の値上げを申請したわけですが、これにはどのような背景があるのでしょうか?


塚越さん:やはり、1番は燃料費の高騰です。規制料金も自由料金も「燃料費調整制度」と呼ばれる制度によって、電力会社は調達した液化天然ガスと原油、石炭の価格を自動で消費者の支払う料金価格に反映出来ます。2022年はロシアのウクライナ侵攻や円安の影響で、例えば、2022年12月の天然ガスの輸入価格は、コロナ前の2019年12月に比べて2.5倍、石炭は5倍にもなっています。ただし、規制料金は消費者保護の為、燃料コストを価格に反映するのに上限を設けています。しかし、東京電力は2022年9月にその上限に達していて、超えた分の燃料費は会社負担になっています。北海道電力も燃料調達コストがかさみ、2023年3月期の連結最終損益は9年ぶりの赤字転落が見込まれています。こうした事情もあり、上限価格の引き上げ、つまり値上げを申請したということになります。ちなみに、自由料金は上限価格はないですが、その為に多くの新電力では価格が高騰していて大変です。一方、関西電力は2023年3月期の連結最終損益を1450億円の赤字と見込んでおり、やはり状況は苦しいですが、現状では値上げを申請しない方向です。これには原発が関係しており、関電は多くの原発を稼働しているので、火力発電の比率が他の電力会社等より低いです。つまり、天然ガス等の燃料の影響を受けにくいです。今後、原発の稼働率を上げること等で採算の改善が見通せるということで、値上げを申請しないということになります。こうした点から、「やっぱり原発が必要だ」といった声もあります。関電ですが、先日、福井県の高浜原発4号機が異常検知して停止をしてしまったことがありました。こういった、3.11もそうですが、原発はリスクもあって老朽化も進んでいるので関電もこれから値上げする可能性、事情もあります。世界的な再エネ化の動きもあるので、簡単に原発が良いとも言えないです。太陽光発電も色々議論がありますが、メリット・デメリット含め長期的な観点から考える必要があると思います。


ユージ:今回の「値上げの申請」が反映されるのは時間がかかるということで、2月の電気代は下がると言われていますよね?


塚越さん:政府は電気料金の負担軽減として「1月の電気使用量、つまり2月に請求される分」から補助をするということなので、平均的な家庭だと1月の請求分と比べて1,600円~1,800円ほど値下がりになります。ただし、早いところだと、「3月の電気使用量、つまり4月請求分」から、料金が値上げされるので、さらに3割程度値上がりするとすれば、政府の補助を超える分の値上げも予想されます。さらに政府の負担軽減策も、9月使用分から段階的に縮小するとしており、補助が下がり、総合的に電気料金が上がることも考えられます。世の中色々な動きがあって、円安等が落ち着いてきて燃料費の高騰も少し落ち着くんじゃないか、という議論もありますが、世界経済は見通せないので、皆さまも全体的に節電を個人でも考える必要があると思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。



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