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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.01.17

今後の日米同盟について
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【今後の日米同盟について】

吉田:岸田総理とアメリカのバイデン大統領は13日、ホワイトハウスで会談し共同声明を発表しました。神庭さん、今回の会談を受けて日米同盟は歴史的転換への岐路に立った、という論調が多いようです。どんなことが決まったのでしょうか?


神庭さん:日米共同声明では、中国や北朝鮮、ロシアを名指しで言及して「力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対する」と述べました。日本の防衛力強化を「果敢なリーダーシップ」と賞賛し、「日米関係を現代化する」ものになると指摘しています。さらに、アメリカによる日本の防衛義務を定めた日米安全保障条約が尖閣諸島にも適用されることを再確認しました。外交面でも日本、アメリカ、オーストラリア、インドのクアッドの枠組みで、保健、サイバーセキュリティ、気候、重要・新興技術などの分野で成果を出すとしています。


吉田:重要なポイントはどこでしょうか?


神庭さん:「統合抑止/統合抑止力」という考え方がありまして、バイデン政権が打ち出した方針で、軍事力以外に、外交や経済、またサイバー空間や宇宙などの分野も含めて、仮想敵国に対抗していく考え方です。アメリカ単体ではなく、日本など同盟国も一体となって抑止力を発揮していくことを目指しています。アメリカが「世界の警察」でいることが難しくなった一方で、台頭する中国を押さえ込まないといけない状況の中、だったら同盟国にもやれる範囲でやってもらいましょう、ということです。岸田総理は昨年の5月にバイデン大統領と会談し、防衛力の強化や防衛費の増額を約束していますが、これもアメリカの統合抑止戦略にかなうものです。政府は先月、来年度から5年間の防衛費の総額を約43兆円にすると閣議決定しました。もともとの計画は27兆円なので1.6倍以上に増えることになります。防衛増税で国民世論に嫌われてでも、日米首脳会談の「おみやげ」にするために、何としても通したかったのだろうなという気がします。


吉田:他にはどんなポイントがあるでしょうか?


神庭さん:「敵基地攻撃能力」もしくは「反撃能力」という言い方もしますが、政府は先月、国家安全保障戦略など安保関連3文書を改定し、敵基地攻撃能力(反撃能力)の必要性を盛り込みました。周辺国がミサイル戦力を増強しているなかで、ミサイル防衛網だけですべてを撃ち落とすのは難しい。相手国が武力攻撃に「着手」した段階で敵のミサイル基地を叩けるようにしましょう、という考え方です。戦後の日本の防衛戦略は、憲法9条と日米安保条約のもとで、米軍が矛、日本の自衛隊が盾の役割を担ってきました。敵基地攻撃能力は盾だけでなく、矛も持ちますよということなので、日本の安保戦略を劇的に転換することになります。バイデンさんが「日米関係を現代化する」と評価しているのもまさしくこの点です。


ユージ:アメリカの言いなりじゃないか、という批判をよく聞きます。日本にとってメリット、デメリットはどういったことが考えられますか?


神庭さん:メリットは中国や北朝鮮、ロシアなどに対する抑止力が強化されることでしょうね。デメリットは日米の一体化が進むことでアメリカの戦争に巻き込まれたり、日本が狙われるリスクが高まるのではないか?と指摘する人もいます。


ユージ:神庭さんはどう考えますか?


神庭さん:僕はそもそも矛と盾が分かれていたことが不自然ではないかなと思っていますし、防衛費の増額や防衛力の強化は必要で、自分の国を自分で守るというのは、アメリカに言われるまでもなく当然のことだと思っています。ただ、「盾」から「矛」へ転換するのであれば、本来ならまず憲法改正して、真正面から専守防衛のあり方自体を問い直すべきなのではないかと思います。そういった国民的な議論も覚悟もないままに、ぬるっと「なし崩し」で解釈改憲、むっつり改憲を重ねていく姿勢には少し違和感を覚えます。


ユージ::ぬるっと感はありますよね。他に課題はなんでしょうか?


神庭さん:日米首脳会談について報じた日曜日の朝日新聞の朝刊に、こんな風に書かれていました。《日米同盟については、バイデン氏が「核を含むあらゆる能力を用いた、日米安保条約5条の下での、日本の防衛に対する米国の揺るぎないコミットメント(関与)」を改めて表明》で、その8行後には岸田総理のこんな発言が紹介されていました。「唯一の戦争被爆国である日本の総理大臣として、バイデン大統領を含むG7首脳と共に、核兵器の惨禍を人類が二度と起こさないとの誓いを広島から世界に向けて発信したい」。これは、核の傘の下で守られながら、核なき世界を訴える、ということなんですよね。戦後日本の矛盾が、これ以上ないくらいに凝縮された紙面だなと思いました。日本はこれまで、安全保障に関してはアメリカをある意味、用心棒代わりにして半ば外注してきたわけですが、いよいよ自分の頭で考えなければいけないところにきています。お花畑的な一国平和論でも、盲目的な対米追従でもない形で、日本独自の安保観、外交・防衛政策を築きあげていく必要があるのではないかと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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