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23.01.16

新型コロナウイルスの感染拡大
nullネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。

今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


新型コロナウイルスの感染拡大

吉田:新型コロナウイルスの全国の新規感染者数は、年末年始に一時的に減少しましたが、その後、再び増加しています。さらに、今週末には中国の春節が始まることもありまして、今後の拡大が気になるところです。神庭さん、まずは、現在の感染状況について教えてください。


神庭さん:はい。14日土曜日の感染者数は13万2071人、一方で死者数は503人で過去最多となりました。夏の第7波のピークは1日あたり26万人でしたので、感染者数は第7波の半分ほどです。それなのに死者が増えているのは、強毒化して致死率が上がったわけではなく、補足できていない感染者が大勢いるためにこういう数字の出方になったとみられています。その大きな理由の一つが、昨年の9月に全数把握を見直したことで、65歳未満でリスクが低い人は自分で陽性者登録センターに登録する運用になりました。軽症の人はわざわざ検査や陽性者登録をしないので、実際には発表より多くの感染者が出ているとみられます。


ユージ:気になるのは、高齢の方の死者数が多い、ということですよね。


神庭さん:そうですよね。世代別の死者数は高齢者が圧倒的に多いんです。NHKのまとめによると、

60代…5.08%
70代…17.10%
80代…41.17%
90代以上…33.89%

と、60代以上が97%超を占めています。しかもこの中には、老衰とか誤嚥性肺炎とか、直接の死因がコロナではない方も多数含まれています。


ユージ:これは…若い方はそんなに心配しなくてもいい、という見方なんですか?


神庭さん:うーん。40代以下で亡くなった方は全部合わせて1.1%、50代で1.67%くらいなので、そう思ってしまう気持ちも分からなくはないんですが、誤解してほしくないのは、だから若い人は侮っていい、ということではなく、後遺症のリスクなども考えれば、かからないに越したことはないです。ただ、世代によってリスクが大きく異なる病気であることは確かなので、高齢者のワクチン接種をさらに加速するとか、高齢者施設でのクラスターを防ぐために、一時的に面会の頻度を制限する、といった対応は考えた方がいいんじゃないかと思いますね。お年寄りと同居している方も、しばらくは警戒レベルを少し上げた方が良さそうです。


吉田:そして、いよいよ春節が始まる、中国の感染爆発も気になります。


神庭さん:まさしく「爆発」としか言いようがない状況で、北京大学の推計では、累計感染者数が9億人に達した、ということです。中国の人口は14億人あまりなので、実に人口の64%がコロナに感染した計算になります。
中国政府は、12月から1ヶ月間の死者数を6万人と発表していますが、これだけ感染者数が増えていて、死者が6万人で済むはずがないので、「もっと多いんじゃないの?」と批判の声が出ています。


ユージ:そうなると気になるのが、中国から日本にやってくる人に対する水際対策ですが、こちらはどうなっているんでしょうか?


神庭さん:はい。中国は1月22日からの春節(旧正月)で21億人が大移動すると言われていて、日本にも大勢やって来ると思いますが、日本も警戒度を高めていまして、中国本土からの入国者、帰国者に関して1月8日から水際対策を強化しています。具体的には、直行便で入国する人に対して、出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書の提出を求めているんですね。これに対して、中国が「差別的だ」と報復に出まして、日本から中国に入国する際のビザの発給を停止してしまいました。同じく水際対策を強化した韓国にも、同じ対抗措置をとっています。


吉田:日本への影響はいかがでしょうか。


神庭さん:ビザ停止が4月の人事異動シーズンまで長引いた場合、中国駐在の社員の交代要員を新たに赴任させることができなくなり、異動が滞るおそれがあります。中国の国内でこれだけコロナが蔓延しているということは、新たな変異株が生まれやすくなるリスクもあり、一時的に水際対策をとることには科学的な合理性があると思うんですが、もしかしたら「メンツを潰された」と考えているのかもしれません。
実はイタリアも日韓と同じような対応をしているんですが、中国からは特におとがめなしとなっていて、国によって差別しているのはむしろ中国の方なんじゃないかな、という気もしますね。
水際対策以外では、中国人観光客らが、薬局で解熱剤や風邪薬を爆買いしていることを受けまして、厚労省がドラッグストアに販売個数を制限するよう要請しました。日本でも感染者数が増えているなか、解熱剤が枯渇してしまうと大変なことになるので、これもやむを得ない措置かな、と思います。


ユージ:日本でも確認されている変異株「XBB.1.5」も気になりますよね。


神庭さん:アメリカでは「XBB.1.5」と呼ばれる、オミクロン派生型の変異株が流行中なんですが、こちらは感染力が比較的強く、ワクチンなどの免疫を逃れる性質があるのではないかと言われていて、アメリカではすでに感染者の4割以上がXBB.1.5だとみられています。日本でも10日までに4件が確認されています。
XBB.1.5には「クラーケン」というイカの怪物の名前があだ名として付けられていまして、これまでにも「ケルベロス」や「グリフォン」など、派生型に伝説上の生き物の名前をつけるということが行われてきたんですが、そういう厨二病的な風習はやめた方がいいんじゃないかと僕は思っていまして、そのうち「バハムート」とか「オーディン」まで召喚されるんじゃないか、という気がしているんですが…。やはり、重症化リスクなどよくわからない状態で無闇に恐怖を煽るべきではないので、もし「これはマズそうだぞ」となったら、中国と同じようにアメリカに対しても水際対策を強化する、など冷静に淡々と対応すればいいのでは、と思いますね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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