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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

23.01.11

食品値上げラッシュ第2波が到来。インフレ率を超える賃上げは?
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!


『食品の値上げラッシュ第2波が来月到来。インフレ率を超える賃上げは実現するのか?』


吉田:『帝国データバンク』が今月5日に発表した、去年の年末時点の集計によりますと、主要な食品105社が公表した今年の食品値上げは、4月にかけて7390品目となりました。特に来月は4283品目が予定されており、去年10月に続く値上げラッシュの“第2波”が到来する見通しとなっています。こうした中、岸田総理は先週木曜、経済3団体の新年祝賀パーティーに出席し、「インフレ率を超える賃上げ」の実現へ協力を求めました。
塚越さん、来月は、また値上げラッシュになるんですね?


塚越さん:そうですね。2月の値上げ品目はですね、昨年10月が6699品目と非常に多かったんですけれども、それに続くレベルということなんですね。内容としましては、冷凍食品や水産練り物製品といった加工食品が5割くらい。また、『帝国データバンク』によりますと、特にお菓子などによくある、価格は変えずに量だけを減らす『実質値上げ』が2023年は多くなるのではないかといった感じです。一方で大事なのが私たちの賃金ですよね。厚生労働省によりますと、物価変動を反映させた昨年11月の実質賃金は、前年同月比3.8%減で、これは消費税が5%から8%と上がったことで実質賃金が落ちた2014年以来の下落幅ということで、非常に下がっているということなんですよね。また、現金給与額自体はずっと上がっているんですけれども、実質賃金で考えると、8ヶ月連続でマイナスで、賃金は上がっても物価高騰に追いついていないというのが現状といった感じですね。


吉田:賃上げが重要になってくるわけなんですが、今年の春闘での賃上げについて、企業や経済団体のトップは、どのように受け止めているのでしょうか?


塚越さん:『連合(日本労働組合総連合会)』は基本給を底上げする『ベースアップ』を含めて、“5%程度の賃上げ”を求めてますし、また、岸田総理も「賃上げ頑張ってください」と企業に言っているということなんですけれども、これに大企業では反応していまして、例えば、『サントリーホールディングス』は春闘で“6%の賃上げ”を行う方針です。『日本生命』は、2023年度、約5万人の営業職員を対象として“7%程度の賃上”げ方針。『キヤノン』はベースアップとして、全従業員の“基本給を一律7000円引き上げ”。という感じでやっている企業もあるんですけれども、ただ、重要なのは、労働者の7割を占める中小企業の従業員ですよね。大手に比べると経営基盤が厳しく、『日本商工会議所』の小林健会頭は、「持続的な賃上げのためには、大企業との取引価格を適正化が不可欠だ」と述べてますね。


ユージ:インフレ率を超える『賃上げ』は、どうすれば実現できると思われますか?


塚越さん:目下、賃上げは大事なんですけれども、重要になってくるのは、“その場で”ということではなく、“中長期的”に見て産業構造改革があったり、それによって生産性の向上があったりすることなんですよね。でも、これまで20年間ずっと言われ続けてできなかったことですから、やっぱり、簡単なことではないんですよね。さらにこの20年は停滞が続いていまして、例えば、昨年には、『日本経済研究センター』の予測で、日本が名目GDPで韓国に2027年、台湾に2028年に抜かれるのではないか?というがありまして、話題になりました。なので、やっぱり、日本経済の厳しいなというのがあります。その上で、賃上げとか日本の産業全体にとって重要なのが、支援の“方法”なのかなとも思うんですよね。先ほど述べた、『産業構造改革』を本気で行うのであれば、ちょっと厳しい言い方になりますけれども、すでに業績が厳しく、成長が望めない企業の延命につながる支援ではなくてですね、例えば、業態や分野を変えるための支援だったりとか、そうした中で失業してしまった方には、職業訓練などの制度を充実させて、より生産性の高い職業に就業できるといった支援じゃないとですね、将来的な産業構造改革、そして、生産性向上にはならないわけですよね。もちろん、中小企業は支援しなくていいと言っているわけではなく、みんながんばっている中で、あくまでも、『支援の仕方』をもっともっと考える必要があるんじゃないかということなんですよね。もう1つはですね、中小企業の中には『グローバルニッチ』と呼ばれる、非常にニッチな領域で世界的なシェアを持つ企業が結構あって、これには経産省も注目しています。小さな部品とかを作るといった感じで、こういったタイプの企業はですね、いろいろな海外の需要に合わせたモノを作る力あるんですけれども、経営基盤が大きくないので、どういう需要・ニーズがあるのか?どういうモノを作って欲しいのか?というリサーチする力が弱いということなので、そういった海外輸出に関するマーケティングを支援すると、グローバルニッチな領域ですごいシェアを持つ企業が増えていくとかですね、やっぱり、『モノづくりの国』とよく言われてますので、そのあたりを支援してもらって頑張っていただければなと思いますね。



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