23.01.10
年功序列型の日本企業、どう変わっていくのか?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
【年功序列型の日本企業、どう変わっていくのか?】
吉田:明治安田生命保険が総合職を対象に、2024年度までに人事制度上の年功要素を撤廃する方針を固めたことがわかりました。今朝はAuDee JUDGEでもこの話題を取り上げています。神庭さん、まずこの取り組みをどう思われましたか?
神庭さん:凄くいいと思います。けれども、これがまだニュースになるんだという思いもあります。年齢と能力が比例しない、脱・年功序列はある意味当然のことなので、いちいちニュースにならないくらい当たり前のものになっていくといいなと思いますが、実際にはそうなっていないということなんでしょうね。
ユージ:年功序列はあまり意味がないのでは?と、ずっと言われているような気がしますが、やっぱりまだ日本の企業には根強く残っているんですかね?
神庭さん:実はまだまだ残っているんです。上場企業を対象にした日本生産性本部の調査によると、年功序列的な「年齢・勤続給」は2019年の段階でも47.1%ありました。半数ほどが年功型の賃金ということ。年功序列は日本企業の間に岩盤のように存在しているということなんですよね。
ユージ:残っているということは、何かしらメリットがあるからですかね?
神庭さん:働く側のメリットとしては、安定していて長期的な見通しが立てやすいという点が挙げられます。結婚して、家を買って、子どもをもうけて…という長期にわたるライフプランが描きやすいです。会社側からすると、新卒一括採用で若い社員を採って、あとは年齢にしたがって給料を上げていけばいいので評価が楽だということもあります。会社への帰属意識が強まりやすいといったメリットを挙げる人もいますね。
吉田:一方で、能力がある人や、やる気のある人にとってはデメリットを感じられる方もいらっしゃいますよね。
神庭さん:いま言ったような形で年功序列が維持できていたのは日本経済に余裕があり、右肩上がりの成長を維持できていたからなんです。バブル崩壊後のグローバルな競争環境で株主から効率的な経営を求められるなかで、年功主義を維持していくのが難しくなってきているという実情があります。先ほど年功序列は評価が楽だと言いましたが、楽は雑の裏返しで、能力のある人間を適性に評価できていなかったということでもあるんです。若くて力のある人からすると、上がつかえている状態では能力を持て余してしまいます。いわゆる「働かないおじさん」への不満も募り、だったら転職しよう…と人材流出にもつながってしまうということです。
吉田:既に年功序列を辞めている企業は他にもあるんですか?
神庭さん:アイリスオーヤマは、執行役員に最年少の34歳を抜擢するなど、年齢を問わずに幹部を登用しています。大山健太郎会長は日経新聞のインタビューで「34歳で執行役員になる人間もいれば、50歳で課長止まりの人間もいる。それが平等だと思う」「かわいそうだから評価に差を付けにくいという組織ではなく、みんながスターにあこがれる組織を作るべきだ」と話しています。NTTも人事制度改革で、4月から脱・年功序列に舵を切ります。これまで年次を優先する風土があり、課長になるのは早くて30代半ばだったそうですが、「飛び級」的に20代でも課長に抜擢できるようにするということです。東洋経済オンラインの《NTT、「民営化以来最大」の人事改革に透ける危機感》という記事によりますと、20代でNTTからGAFAやコンサルに転職してしまう人もいて人材流出に悩まされてきたんですが、この改革で流出に歯止めをかけたい考えだということです。
ユージ:ただ、年功序列を辞めたからといって、すぐによくなるわけでもないですよね?
神庭さん:最大の問題は、今、若手を管理職に抜擢しようと判断する上司の人たちが年功序列で出世してきた人たちだということです。そこで正しくジャッジできるのか、ということがあります。実は管理職になりたい!と熱望している若手はそんなに多くないのではないか?という部分もあります。この番組でもその辺は取り上げたそうですが、パーソル総合研究所の世界18カ国を対象にした調査で、「管理職になりたい」と答えた人が日本は19.8%で世界最下位だったんです。ということは「早く管理職になれるよ!」とアピールしても、若手社員の希望と噛み合わないおそれもあります。そこのニーズはしっかりと見極める必要があります。高度なIT人材などを中心に、新卒でも1000万円以上を払う企業が出てきていますから、たとえ管理職にならなくても、技術や専門知識があればプレーヤーとして高給が約束される、という選択肢も広がっていくといいのではないかなと思います。
ユージ:業種によって、管理職は給与が下がってしまうパターンもあるんですよね。現場に出ていた方が残業代がついたり、営業で歩合がついたりとかもあるので。一概に管理職がいいかというと疑問もありますよね。
ユージ:プレイヤーとして給与がいい場合もあって良いと思います。いいことばかりではなくて、年功序列を辞めるということはぬるま湯を辞めますということですから、ロスジェネ世代や氷河期世代からしたら、年功序列を信じてやってきて、やっと俺たち管理職になれるかもと思ったら梯子外されちゃうという面もあります。若い人も究極的には新卒一括採用辞めますかどうしますか、という話にもなってきますので、リスクやマイナス面にも目を向ける必要があるのではないかと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 10, 2023
「年功序列型の日本企業、どう変わっていくのか?」について
今朝の #AuDee JUDGEは『上司が年下…あなたはうまく付き合えますか?』というテーマでしたが、年功序列型の根強い企業が多いからこそ、今回は議論が進んだのではないでしょうか。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 10, 2023
ただ、年功序列型を貫いてきた企業が急に年功序列を撤廃してしまうと、安定した昇給を期待している社員のモチベーションが下がってしまう可能性があるので、その場合のケアもしつつ、年功序列から脱却する方針に向かうのも一つの手段だと思います。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 10, 2023
やはり時代は、年齢を重ねれば優秀というわけではなく、個々がどのような能力をどのような場面で発揮できるかが重要ですし、年齢に関係なく、適材適所な人員の振り分けが重要になっていくのではないかと感じました。
実力も評価に影響されるべきだと、改めて思いました。#ワンモ