22.12.14
7月~9月のGDP、上方修正 景気の先行きは?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!
『7月~9月のGDP、上方修正 景気の先行きは?』
吉田:内閣府が先週木曜に発表した、今年7月から9月までの『GDP(国内総生産)』の改定値は、物価変動の影響を除いた実質の伸び率が、前の3ヶ月と比べてマイナス0.2%となりました。これを年率に換算するとマイナス0.8%となり、先月発表された速報値の『年率マイナス1.2%』から上方修正されました。塚越さん、GDPが上方修正された理由は何なのでしょうか?
塚越さん:まず、大きな要因としましては、原油の積み増しによって在庫が増加したので輸出が想定以上に上がったということなんですよね。輸出は前の3ヶ月と比べてプラス2.1%で速報値のプラス1.9%から上方修正されているということになります。他にも、医療費など『政府の支出』も速報値からプラス0.1%上方修正されているんですね。ただし、『GDP』の半分以上を占める『個人消費』は、速報値のプラス0.3%から下方修正されてプラス0.1%になったということで、夏の時期にコロナが広がった影響で外食などの需要がちょっと下がったことが要因になっています。いずれにしましてもですね、「速報値よりは上方修正した」というニュースなんですけれども、それでも、『マイナス成長』ということには変わりはないということなんですね。また、内閣府は過去の成長率の見直しも同時に発表しておりまして、それによりますとですね、今年1月~3月期は、年率プラス0.2%だったんですけれども、見直しされたところマイナス1.8%に改定され、プラスから一気にマイナスになってしまったということで、なかなか厳しい状況が続いています。
吉田:先週は、景気の現状を示す『経済指標』も発表されています。景気は今、どのような状況なのでしょうか?
塚越さん:内閣府は、『11月の景気ウォッチャー調査』を発表しています。こちらは全国の働く人2000人程度に聞き取り調査を行っているもので、こちらによりますと、景気の現状を示す指数は前の月より1.8ポイント下がっていまして、4ヶ月ぶりに悪化しています。やはり、物価高で利益が減少してまして、消費者の節約志向が背景にあると言われています。特に厳しいのが飲食業で、「値上げの影響で常連客の来店頻度が下がってしまった」と答えるレストランもありました。一方でですね、例えば、近畿地方のホテルでは、「インバウンドの影響で平日でも満室です」といったところもあるんです。が、全体としては、今後2~3ヶ月先の景気の先行きを示す指数も先月を1.3ポイント下回ってまして、3ヶ月連続で悪化しているという状況なんですよね。
ユージ:満室でもそうなんですか…。全体としては厳しいということなんですね。
塚越さん:さらに、同じく内閣府が発表した、消費者の消費意欲を調査している『11月の消費動向調査』によりますと、2人以上世帯の今後半年間の消費意欲を示す指数は、やはり、こちらも前月よりも1.3ポイント程下がっているということなんですよね。こうしたものを受けて、内閣府は消費者心理を“弱い動きがみられる”から“弱まっている”に下方修正しまして、消費者の方は、消費に対して、結構、厳しい態度を持っているというのがわかったという感じで、そう判断したということです。その原因としては、物価上昇に賃金が追いついていないことが考えられます。10月の実質賃金は、前年同月比マイナス2.6%と7ヶ月連続でマイナスになっています。来年の春闘で連合は、5%程度の賃上げを求めていますが、やはり、『賃上げ』というのは大きな課題かなと感じられますね。
ユージ:そうですよね。本当にこの先、景気がどうなっていくのか?という先行きも不安なんですが、この『景気の先行き』について、塚越さんはどのようにご覧になっていますか?
塚越さん:やはりですね、物価高の影響が非常に強くて、コロナの影響もあるんですけれども、コロナが収まるとか、あるいは、ウィズコロナの生活が浸透したとしても問題解決は難しいかなと考えられます。10月~12月期の経済動向も今後わかってきますが、7月~9月期に比べて良くなっているのかどうかというのも、コロナの影響と物価高の影響をわけることは難しいんですけれども、様々な角度から分析が必要になると思います。あともう1つ、来年で気になるのは、『国の補助』ということで、電気ですよね。大手電力会社は国の支援を受けまして、来年1月から9月まで電気代の補助を始めます。いろいろな計算方法があるんですけれども、平均的な家庭でいうと月に1800円程度とか、2800円程度とか、だいたい千数百円から2000円、3000円程度の補助が出るのではないかと言われていますし、都市ガスもですね、こちらはもう少し少なく1000円程度の補助がというふうに言われています。ただこれも、来年4月から基本の電気料金の値上がりが検討されていますので、補助があっても相殺されちゃうという可能性もありますので、補助もありますけれども、消費者の意欲の向上というのはなかなか微妙なところかなというふうにも思います。あとは、“一律”で補助をやっていますけれども、数千円が命にかかわる人もいっぱいいらっしゃいますし、あるいは、飲食業もかなり厳しいという話もさっきしまし、いろいろな方もいらっしゃいますので、一律も大事かもしれませんが、もう少し分散して、分配の方法を考えるということも検討してもいいんじゃないかなと個人的には思っています。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ワンモ #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 14, 2022
「7月~9月のGDP 上方修正 景気の先行き」について
上方修正された中身を見ていくと、上方修正されている部分と、されていない部分、一方で下方修正されている部分もあります。全体的に見ると上方修正されていますが、個人消費は下方修正されてます。
#ワンモ #ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 14, 2022
個人消費は、明らかに僕たちの生活が反映される部分で、今のところ、景気が上向きになる状況にはありません。しかし、訪日外国人観光客によるインバウンドの影響は、多く受けていて、個人消費というよりも、外国からのお金が入ってきている状況になっています。
#ワンモ #ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 14, 2022
個人消費は、明らかに僕たちの生活が反映される部分で、今のところ、景気が上向きになる状況にはありません。しかし、訪日外国人観光客によるインバウンドの影響は、多く受けていて、個人消費というよりも、外国からのお金が入ってきている状況になっています。