22.11.17
異例づくめのG20サミット

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!
『異例づくめのG20サミット』
吉田:ロシアによるウクライナ侵攻以来、初めて主要な先進国・新興国の首脳が一堂に会した『G20サミット』がインドネシアのバリ島で昨日、閉幕しました。15日にポーランド東部にミサイルが着弾した件で、急きょG7とNATOの緊急会合が開かれるなど、異例づくめのG20となりました。
ユージ:塚越さん、“穏やかに…”とはいかなかったですよね。
塚越さん:バイデン大統領も習近平主席も出席する大きい会議で、この20カ国が世界のGDPの8割を占めるということで、世界中の注目が集まる会議なんですね。なんですけれども、ロシアのプーチン大統領は欠席して、代わりにラブロフ外相が出席しました。ただ、ロシアが参加するということで、恒例の写真撮影をアメリカが拒否するといった波乱の幕開けになっています。さらに、そのラブロフ外相が到着後に心臓の病気で病院に搬送されたとAP通信が報道したんですけれども、ラブロフ外相は次の日すぐに「フェイクニュースだ!」と言って元気な姿をSNSにアップしています。インドネシア政府関係者によりますと、不整脈のために病院に行っただけということだったんですけれども、こういうところから見ても、様々な情報が飛び交う状況だったのかなとも思います。さらに、いろいろな報道があったようにですね、ウクライナの隣のポーランドにミサイルが落下して2名が亡くなるというニュースもありました。もし、ロシアからの攻撃だとすると、ポーランドはNATO加盟国ですので、つまり、アメリカも含めて報復になるということで、一時は本当に世界大戦になるんじゃないかと緊張が高まりました。ですが、バイデン大統領はすぐに、確かなことは言えないとしながらも、「ロシアから発射されたとは考えにくい」というふうに述べまして、今のところ大きな事態には至っていないということですね。今後も調査が続きますけれども、慎重な行動をしないと大事に至ることもあるので、今後も注意が必要かなという感じですね。
ユージ:そんな中、懸案となっていた『首脳宣言』は採択はされました。これは、どう感じられましたか?
塚越さん:まずですね、“首脳宣言が出るかどうか?”が今回のポイントだったんですね。結果は、事前に考えられていた草稿と同じものだったんですけれども、“ロシアがどうするか?”ということですよね、“ロシアがどれだけ折れるのか?折れないのか?”ということが話題になっていたわけですけれども、この首脳宣言ではですね、ロシアを非難する一方で、ロシアへの経済制裁に加わっていない中国やインドなど一部の国は、「異なる見解や評価があった」と一定の配慮をするもので、ロシアとしても、自分たちの立場を一定程度宣言に盛り込むことで了承した模様になったわけですよね。もう1つ気になるのは『米中の対立』です。習近平主席は、ロシアには直接触れずに「アメリカはイデオロギーで世界を分断している」と批判していたんですね。要するに、アメリカを牽制したわけですけれども、自分の立場を表明しているわけですが、「いや~中国もどうなんだ??」と個人的には思うところなんですけれども、各国いろいろな言いたいことを言っているという。また、ラブロフ外相は、中国の王毅外相とも会談して両国の親密な関係をアピールしたという感じですね。
吉田:日本の岸田総理は、G20で何を語ったのでしょうか。
塚越さん:『ロシアへの非難』というのは欧米と足並みを揃えて述べる一方で『国際保健』をテーマにしたセッションで岸田総理は、「途上国支援や国際社会が世界的な医療体制を構築するため“日本が主導する”」というふうに述べているんですよね。岸田総理は、来年日本で開催される『G7広島サミット』でも『国際保健』の分野を議題の1つに位置づけていまして対策の議論を進める予定です。岸田総理は、来年のG7の開催がとにかく重要なんですね。というのも、岸田さん自身は東京生まれ東京育ちなんですけれども、岸田家が広島出身で岸田総理の選挙区も広島ということでですね、広島出身とずっとおっしゃっているわけですよね。その広島で来年開催されるということで、とにかく気合が入っているんですよ。特にG20の首脳宣言では、「核兵器の威嚇、使用は受け入れられない」ということが盛り込められたんですけれども、日本はそれについて強く働きかけましたというふうに言っています。また、本日の夜ですね、岸田総理は、『APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議』が行われるタイに訪れまして、習近平主席と3年ぶりに対面で『日中首脳会談』を行う予定なんですね。対面は安倍政権時の2019年12月が最後で、岸田総理は初めての対面ということで、主張するところは主張するけれども、協力するところは協力するというですね、『建設的かつ安定的な対話』を目指すことを岸田総理は考えているということなんですよね。
ユージ:塚越さんが気になった点は何かありますか?
塚越さん:G20でいろいろあったんですけれども、個人的に気になるのは『インド』なんですよね。インドという国はですね、ロシアへの経済制裁に参加していない。そして、ディスカウント価格でロシアからの石油を輸入して経済的に成長しているんですね。ロシアは石油を売るところがなかったので、インドが買ってくれたってことですよね。
ユージ:安い値段だけど買ってくれたということで、ロシアにもインドにとっても助かっていたということですよね。
塚越さん:そうなんですよ。ただ、報道によりますと、それでもインドはですね、ややロシアから距離を取ろうとしているということも言われています。9月にプーチン、モディ首相の会談でも停戦を勧めたということなんですよね。インドって動きが非常にうまいんですよね。ロシアと欧米の両極の間にいるんですけれども、これから“経済のプレイヤー”になるインドの動向もチェックかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 17, 2022
『異例づくめのG20サミット』について
G20サミットの最中にミサイルがポーランドに着弾しました。
ウクライナが迎撃ミサイルとして発射したものがポーランドに着弾した可能性があり、被害が出ているので今後原因の追求はしていく必要があると思います。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 17, 2022
そのほかにも懸案となっていた首脳宣言、これが採択されたということで、 多くの国がロシアの行っている軍事振興について非難をするというところで 意見は一致しました。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 17, 2022
この問題の着地点は見つけていく必要がありますし、 日本で言うとG7が来年行われるので、ウクライナ問題が仮に続いているとしたら議題に上がると思います。
いずれにしても早くウクライナ問題についての着地点が見つかるといいなと心から願っております。#ワンモ