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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.10.20

全国旅行支援の開始から10日、始まって見えてきたもの
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
引き続きコメンテーターは、情報社会学がご専門の、学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


全国旅行支援の開始から10日、始まって見えてきたもの

吉田:政府の観光喚起策「全国旅行支援」がスタートして10日となり、今日からは、いよいよ東京の旅行も支援対象となります。支援の開始からこれまでの間に、どんなことがあったのでしょうか。


塚越さん:塚越さん、まず、開始して早々、予約の受付を終了する地域が出てきましたよね?


塚越さん:今回の支援には予算が決められていて、自治体から事業者に割り当てられる補助金が上限に達した一部の地域では、早々に予約を打ち切りました。朝日新聞の取材に山形県の担当者は、状況をみて何回かに分けて補助金を配分する予定でしたが、予想以上に予約が殺到したので、すぐに追加の配分をしたいと答えています。全国で予約が殺到している状態で、旅行会社のサイトもアクセスが集中して繋がりづらくなったところがあります。同時に、観光ホテルなどにも問い合わせの電話が殺到しています。コロナ禍の影響で観光業界は、業務を縮小したり廃業するところもある中、一気に利用客が増えたために、対応に追われています。ホテルはフロントやレストランの従業員が不足している状態で、電話業務をはじめ、様々な業務を掛け持ちで対応しています。さらに外国人観光客も増えてきており、外国語対応業務も発生しています。また沖縄では、レンタカーが重要です。レンタカー業界はコロナ前の8割程度まで車両を確保できていますが、それでも供給が追いつかないです。他にもバス業界なども人材不足の状況にあり、ホテルだけでなく、周辺の観光業界全体が一気に忙しくなっています。


ユージ:僕も、開始してすぐ「全国旅行支援」を利用しようと計画していて、実際に長野県のホテルに行ったんですが、ホテル側の対応がまだ出来ていないというふうに言われました。結局「全国旅行支援」の対象にはならなかったです。とは言っても、そのホテルは対応させる為に頑張っているとおっしゃっていました。そしてその時、ホテルは満室でした。予約殺到で取れなくなるところが出てくることがよく分かりました。複雑な仕組みのせいで、混乱が起こっているという話もありますよね?


塚越さん:支援の詳しい制度設計は47の都道府県に任せたため、行きたい旅行先ごとに自治体の割引情報をチェックする必要があります。全国に展開する旅行チェーンの場合、予約方法や、既に予約していた人への割引の適用など、それぞれ対応する必要があります。また、予算が限られるため、仕方ないとはいえ、早いもの勝ちということで一気に予約が集中するので、利用者も事業者も大変です。ただ、もちろんキャンセルだったり、配分の関係で予算に空きが出たり、予算が追加されることで、状況によっては追加で支援を受けられるホテルが出てくるかもしれないです。利用したいという人は、大変ですがこまめなチェックが必要だと思います。


吉田:あとは、“便乗値上げ”を疑う声もありますよね?


塚越さん:割引分の値段を予め上げておくといった「便乗値上げ」。これまでも問題になっていましたが、国土交通大臣は、便乗値上げが確認された場合は都道府県と連携して対処すると強調しました。ただ、多くの宿泊施設は、人材確保や燃料高騰に対する値上げをしていたり、「ダイナミック・プライシング」という、繁忙期はもともと値段を上げるシステムが昨今は普及しています。そうした仕組みの中で、どこまで不当な値上げかどうかを、それもひとつひとつ調べて判断するのは困難、という懸念もあります。


ユージ:実際に始まって見えてきたことは何でしょうか?


塚越さん:今回の支援は、利用者というより、観光業界への支援という側面が強いです。割引を受けるには「楽天トラベル」や「じゃらん」といった予約サイトか、JTBなどの実店舗の旅行代理店を通す必要があります。またセットプランやツアーの方が割引が有利な設計で、個人での新幹線やマイカーなどによる旅行のガソリン代などは割引対象外です。業界の利益は分かりますが、個人旅行などには還元されない設計です。また、代理店に加入せずに独自の動きをする旅館やホテルにも還元されないどころか、お客が取られます。大手にだけ利益が動いている、という点には注意が必要です。観光業界も一枚岩ではないと思います。


ユージ:さっきも言ったように、「いつもより、予定より早く終わってしまった。」という利用者側の意見の分かるのですが、目的は観光業界の支援の側面が強いということを今一度把握しておきたいところだと思いますね。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。



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