22.09.20
東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件』
吉田:『東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件』で、『KADOKAWA』が大会スポンサーに決まる、およそ3年前の2016年春以降、会長の角川歴彦容疑者らが共謀し、組織委員会元理事の高橋治之容疑者らに複数回、選定に向けた依頼をしていたとみられることが分かりました。
神庭さん、いろいろ出てきているので、ここまでわかっている事件の構図をまとめていただけますか?
神庭さん:大きく3つの疑惑が浮上しているんですね。一つ目が『KADOKAWAルート』。『KADOKAWA』側から組織委元理事の高橋容疑者の側に渡ったお金のうち、7600万円について東京地検特捜部は、“賄賂”と認定していて、ただし、角川容疑者はスポーツ事業全体の“コンサル料”だということで、賄賂という認識を否定しています。2つ目が『AOKIルート』です。『AOKIホールディングス』前会長の青木拡憲被告ら3人が“贈賄の疑いで逮捕・起訴”されています。スポンサー選定やライセンス商品の販売などで便宜を図ってもらうもらう見返りとして、賄賂を提供した罪に問われているんですね。特捜部は5100万円のコンサル料を賄賂とみなしています。そして、3つ目が『大広ルート』です。特捜部は大阪の広告代理店『大広』を家宅捜索しています。大会スポンサー獲得を担う『販売協力代理店』に選ばれるように高橋元理事側に1400万円払った疑いが持たれています。高橋元理事は、“スポーツビジネスの第一人者”、“伝説の電通マン”というふうにも呼ばれていて、電通の専務などを歴任した後に独立しています。『KADOKAWAルート』と『AOKIルート』だけで合計1億2700万円の賄賂を受け取った疑いが持たれているんですね。組織委の元理事は『みなし公務員』になりますから、職務に関連して金品を受け取ることは禁じられているんです。
ユージ:今、出てきているルートだけでも、紹介したのが3つですけど、これは本当に想像したくないんですけど…、事件はもっと広がるような気がするんですけど、どうでしょうか?
神庭さん:そうですね…、別の企業、別の業界へと、横へ横へと広がっていくことはあると思うんですけれども、より注目されているのが、「特捜部の捜査が“縦”に伸びるかどうか?」なんです。
ユージ:“縦”というのはどういうことなんですか?
神庭さん:これはズバリ!『政界ルート』なんですね。産経新聞は今月1日、関係者への取材をもとに青木前会長が大会組織委員会長だった森喜朗元総理に「現金200万円を手渡した」と供述しているということをスクープしました。大きな反響を呼んだんですけれども、青木容疑者は、「がん治療中だった森氏への『お見舞い』だった」というふうに説明しているということで、森氏は産経の取材に「現金の受領は一切ありません」というふうに回答したそうです。『五輪汚職事件』を巡って、森氏は参考人としてではありますけれども、特捜部の事情聴取を複数回にわたって受けたと報じられています。実は五輪スポンサーの出版社枠に関しても、当初は『講談社』も手を挙げていたんですけれども、最終的に見送っているんですね。週刊文春によりますと、森氏は「講談社だけは相容れない」、「こんなものを認めるなら辞めようと思う」というふうに話していたということです。こういった森氏のスタンスが“スポンサー選定にどこまで影響したのか?しなかったのか?”というのが非常に気になるところです。
ユージ:今、政界は、『国葬』だったりとか、『旧統一教会をめぐる問題』で、結構、ゴタゴタしているんですけど、これに『オリンピックをめぐる問題』がさらに広がったら、大変ですよね?
神庭さん:おっしゃる通りですよね。森氏はですね、あくまでも任意の参考人聴取ですし、疑わしきは罰せずの“推定無罪が大原則”となります。ただし、森氏の政治的な影響力が削がれることは間違いないでしょうね。森氏は元総理として自民党の『清和会』に隠然たる影響力をふるってきました。ところが、安倍さんが亡くなられたり、旧統一教会問題がでてきたり、また、森氏の聴取もあって、ここへきて『清和会』は、トリプルパンチに見舞われているんですね。火種が噴出し、党内のパワーバランスに影響が出てくる可能性があると思います。
吉田:こうなると、「特捜部がどこまで捜査していくか?」というのが注目ですね。
神庭さん:そうですね。贈賄の控訴時効というのは、3年なんですね。なので、捜査は、“タイムレース”の面もあります。検察は、『証拠改ざん事件』とか「国策捜査じゃないか!」という批判を受けてですね、この10年くらい随分叩かれてきました。しばらく政界の大捕物というのもないんですよね。ちなみに、1992年に“政界のドン”と言われた金丸信元自民党副総裁が5億円の『ヤミ献金事件』に対して罰金20万円の略式起訴に済ませたことがあったんですけれども、その時は、市民の怒りを買って、検察庁の看板に黄色いペンキがバッ!とぶちまけられちゃったんですよね。なので今回も、関係各所の顔色をうかがって、“なあなあの捜査”で終わらせれば、検察の威信は再び地に落ちてしまうと思います。東京地検特捜部の一番の役割というのは、“巨悪を眠らせないこと”ですから。秋霜烈日のバッジに恥じないようにですね、日和らずに汚職にかかわった人間を一人残らず徹底的に摘発していただきたいなというふうに思います。
吉田:神庭さんは今回の一連の汚職事件をどう捉えていますか?
神庭さん:“一生懸命、汚いお金を集めないと成り立たないようなイベント”だったら、いっそやめてしまった方がいいと思うんですね。「平和の祭典」「アスリートファースト」というふうに言っておきながら、実態は、“カネ!カネ!!カネ!!!”なわけじゃないですか。だったら最初から、「癒着の祭典」とか、「利権ファースト」と言ってもらった方がまだわかりやすいですよね。“お金儲けに利用された選手たち”とか、“観戦に動員された子どもたち”が本当に気の毒だと思いますし、不都合な事実をスポーツで覆い隠すことを『スポーツウォッシング』というふうに言うんですけれども、その最たるものじゃないかなと思います。やっぱり、商業五輪のあり方に限界にきていると…。こういう状況の中で、とてもじゃないけれども、『札幌五輪』どころではないと思うんですよね。なので、『IOC』や開催地の『組織委員会』含めて、腐敗を一掃して、解体的な出直しをしていただきたいなというふうに思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 20, 2022
「東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件」について
AuDee ジャッジで『東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件をうけて
今後、日本で大きなスポーツ大会が開催されることについて
あなたはどう思いますか?』と伺いました。#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 20, 2022
開催して欲しくないが49%、ほぼ半々の結果になりました。
世界中から人生をかけたアスリートが集まり、日本で競技をしてくれることはとても素晴らしいことです。
ですが、たくさんの困難を乗り越えて、コロナウイルスと戦って、しかも蓋を開けたらお金が動いていたと、#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 20, 2022
良いニュースがなかったので
「もうやらなくて良いよ」と思う気持ちもわかるのですが、
これはアスリートが競技をして、感動を生んでくれることとは切り離して考えるべきだと思います。
札幌に冬季オリンピックの誘致が成功したら、僕は開催してほしいなと思います。#ワンモ