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22.07.19

『改憲』について考えます
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただくテーマはこちら!


『参院選で改憲に前向きな勢力が3分の2以上の議席を維持したことを受け、改憲について考えます』


吉田:『公明党』の北側一雄 中央幹事会長は14日の記者会見で、憲法改正論議に関し「ムードだけで改憲できると思わない。多くの政党で合意形成ができるようにしなければならない」と語りました。参院選で改憲に前向きな勢力が、国会発議に必要な3分の2以上の議席を維持したのを受け、慎重な議論を求めた格好です。


ユージ:一方で、岸田総理は11日、参院選での大勝を受けた会見で、“憲法改正に向けた民意”が示されたとして「できる限り早く発議に至る取り組みを進めていく」と語っています。まず自民党の改憲はどんな内容なのでしょうか?


神庭さん:具体的には、まず、『自衛隊の明記』ですよね。戦争放棄や戦力の不保持、交戦権の否認を定めた9条の1項、2項は残したうえで、「前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず…」というような条文を付け足して、自衛隊の存在を明文化することが想定されています。


ユージ:自衛隊以外のことで、改正しようとしていることは何でしょうか?


神庭さん:大地震などの災害時にも国会の機能を維持する緊急事態対応であったり、参議院の合区を解消して各都道府県から1人以上選出する、といった点が柱になっています。合区を解消すると、せっかく縮まってきた1票の格差が再び拡大することになりますから、その点も議論を呼びそうですね。実は、自民党は野党時代の2012年にも憲法改正草案をまとめていまして、そこでは、天皇を国家元首にするとか、国防軍を創設するといった、より踏み込んだ内容が記載されていたんです。《家族は、互いに助け合わなければならない》という条文もあって、全体的に伝統色、復古色が強い内容だったんですね。他にも《全て国民は、この憲法を尊重しなければならない》というふうにも書かれていまして、憲法は公権力が暴走しないように縛るための規範なのに、憲法で国民を縛るのは矢印が逆じゃないですか?という批判も集めたんです。こうした2012年の改憲案に比べると、今の自民党案はかなりソフトな印象を受けるので、それが実際に“軟化した”ということなのか、本音と建前で、実際には、“2012年案の方が本音なんだよ”なのかはちょっとよくわからないですね。


吉田:与党では公明党も改正案がありますが、どういったものなのでしょうか?


神庭さん:『公明党』は、『改憲』というよりは、環境、プライバシー、地方自治などに関して、必要な規定を付け加える『加憲』を基本スタンスにしています。憲法9条1項、2項は今後も堅持すると訴えていて、参院選のマニフェストでは、自衛隊追記案についてこんな微妙な書き方をしています。「9条1項、2項を維持したまま、別の条項で自衛隊の存在を憲法上明記すべしとの意見があります。しかしながら多くの国民は、現在の自衛隊の活動を理解し支持しており、違憲の存在とはみていません。引き続き検討を進めてまいります」という慎重な言い回しなんですね。
公明党は『平和の党』を金看板にしていますし、支持母体の創価学会も平和主義を掲げています。ただ、今回の参院選の比例代表で、公明党は去年の衆院選より93万票近く票を減らしてしまいました、今後、自民の改憲案にお付き合いして妥協を重ねていった場合に、コアの支持層の反発を招く可能性もあるので、そこは痛し痒しかなと思いますね。


吉田:野党側にも改憲に前向きな党があります。どのようなスタンスなのでしょうか?


神庭さん:『立憲民主党』は、憲法について議論する『論憲』の立場です。ただし、9条を残したうえで、自衛隊を明記する自民党案には反対しています。『国民民主党』は、『緊急事態条項の創設』や『データ基本権の保障』を訴えています。9条については、自衛権の行使の範囲や自衛隊の統制ルールについて議論するというふうにしています。『日本維新の会』の改憲案は、教育無償化や道州制への移行など『統治機構改革』を謳っていまして、9条については「平和主義・戦争放棄を堅持した上で、自衛隊を明確に規定する」ということで自民案に近いようにも見えます。『共産党』『社民党』は、明確に『憲法改正に反対』しています。『れいわ新選組』は、『いま変える必要はない』という立場で。『NHK党』は、改憲に積極的で、臨時国会の召集に関する53条などの改正を求めています。自分も選挙解説の時にうっかり使ってしまったかもしれないですけど、『改憲勢力』という言い方も正直どうかと思っていて、『〇〇勢力』って悪の組織みたいじゃないですか。『護憲派』は“派”なのに、『改憲』だと“勢力”っていうのもちょっとどうかなと思うので、そういうところからフラットにした方がいいんじゃないかと思いますね。


ユージ:言葉の響きで変なニュアンスが出ちゃったりしますもんね。そうなると、護憲派は派だから、改憲も改憲派にした方がいいんですか?


神庭さん:そういうふうにしたほうがいいんじゃないかなと思います。実際に改憲派と言われる政党の中でも、何をどう変えるかは、かなり温度差があります。結構、呉越同舟なんですよね。なので、今後、憲法を変えるということは、国のかたちを考えるということですから、「とりあえずビール!」みたいなノリで「とりあえず改憲!」はやめてほしいなと思います。なので、あれも、これも、と詰め込むのではなくて、9条なら9条に絞って、与野党含め最低限一致できるラインがどこなのかというのを見定めながら、議論を深めていってほしいなと思います。


ユージ:そうですよね、2/3以上の議席を獲得したことによって、この『憲法改正』というのが、より身近になりつつある中で、より慎重に進めて行く必要があるかもしれませんね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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