25.09.29
東京都が「無電柱化」条例を制定へ

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
【東京都が「無電柱化」条例を制定へ】
吉田:先週、東京都は指定のエリアで新たに宅地を開発する際に、電柱を新たに建てることを原則禁止する全国初の条例の制定を目指すと発表しました。そこで、神庭さんに無電柱化のメリット、デメリットについて解説してもらいます。
神庭さん:東京都が目指す「無電柱化」条例、どんな内容なのかというと都市の防災機能アップや景観を良くすることが狙いです。規制エリア内で行われる宅地開発で、敷地内での電柱の新設を原則禁止する。NHKの報道によると、東京23区の大部分が対象になる見通しだということです。開発許可の申請の際に「無電柱化実施計画書」の届出を義務付けて全件公表。罰則はないですが、違反者には指導・勧告し、事業者名を公表することで実効性を担保する。道路の幅が狭くて地下に電線を埋められない場合は、無電柱化しなくてOKということです。
ユージ:たしか、前にも小池都知事は、無電柱化について話されていましたよね?
神庭さん:そうですね。実は東京都は2017年にも、都が管理する道路上での電柱の新設を禁止する条例を定めていて、今回はそれを私有地の宅地開発にも広げる「第2弾」的な位置付けになります。小池都知事は、「今よりも減らすという目標が逆に増えているような実情もあるので、一つのきっかけ、何度目かのきっかけとして、この無電柱化を更に進めていきたい」というふうに話しています。「電柱がない方が土地や住宅の価値が上がる可能性が高い」とも話しています。
吉田:この無電柱化のメリット、教えてください。
神庭さん:わかりやすいのは景観です。電柱だらけの街並みよりは、地中に埋めた方がスッキリする。バリアフリー面でもメリットがあります。電柱がなくなる分だけ歩道が広くなり、車いすの人やベビーカーの親子連れも通行しやすくなります。もう1つ大きいのが防災です。東日本大震災では約5万6,000本の電柱が損傷・倒壊しました。電柱が倒れると道路が塞がって、避難や救急・消火活動の妨げになってしまいます。台風で電線が垂れ下がったりしても危ないです。地中に埋めることで災害時の通信網の被害を軽減できる、という指摘もあります。
ユージ:デメリットは、どうでしょうか?
神庭さん:最大のデメリットはコストです。NPO法人「電線のない街づくり支援ネットワーク」によれば、東京都の道路延長約2.4万キロを「電線共同溝方式」という方式で無電柱化した場合、単純計算で8兆円以上かかります。東京都の今年度予算が9.1兆円、政府全体の公共事業費が当初予算ベースで6兆円あまりと考えると、どれだけ莫大な費用かわかります。つくるだけでなく維持管理のコストがかかりまして、地上の電柱・電線が損傷していれば目で見てすぐに気づくことができるのですが、地下に埋めると断線に気づくのに時間がかかります。そうすると、停電からの復旧に時間がかかってしまう可能性もあるということです。東京都は財政的に余裕があるので、無電柱化に向けて少しずつシフトしていくことができるのですが、財政の厳しい自治体にとってはなかなか難しいかもしれないですね。
ユージ:海外では無電柱化が進んでいますか?
神庭さん:はい。進んでいます。国土交通省の資料などによると、ロンドン・パリ・香港・シンガポールは無電柱化率100%。台北は96%、韓国のソウルが50%ですが、日本は東京23区で8%、大阪市6%と大きく立ち遅れています。こういった国の方々が京都や東京に観光に来ると、電柱や電線の多さにギョッとしてしまうようです。ではなぜ海外と日本でこんなにギャップがあるのか?ということですが、色々な事情がありますが、例えばイギリスでは19世紀に街灯を建てる際にガス業者との平等性に配慮して電柱から電線をかけることを禁止しました。結果として地中に電線が張り巡らされることになりました。ニューヨークでは当初ガンガン電線を引っ張っていたのですが、感電事故が相次いで規制強化され、地中化が進みました。一方、日本では戦後の復興期にコスト優先で電柱を立てまくりました。皮肉なことに、その頃には電線の被覆技術が発展して感電の心配がなくなっていたので、「安いし安全だし電柱でいいやん」となって乱立したということです。
ユージ:東京都の「無電柱化」について、神庭さんはどう思いますか?
神庭さん:もちろんいいことですが、教育とか経済政策とか他にも重要な政策がたくさんありますから、そこの優先順位はしっかりつけていただきたいかなと思います。無尽蔵にお金があるわけではないので、海外のようにいきなり100%目指すというのはしんどいと思いますが、その意味で新規で増える電柱をまずなくそうよという東京都の戦略は正しいかなと思います。並行して、街のランドマークや歴史的な建造物の周辺など、目立つ場所は優先的にやっていけばいいと思いますが、一方で私はみたのですが、九州電気保安協会が「エモい電柱」フォトコンテストというのをやっていて、「#エモ電」と検索すると、いい感じの電柱写真がいっぱい出てきます。のどかな田園風景や電柱とか、海をバックにしたのノスタルジーを誘う風景、あとは猥雑な横丁など、エモい電柱写真を眺めていると、必ずしも全部なくしてしまう必要もないのかなという気もします。優先順位つけてメリハリつけてやればいいのかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 29, 2025
テーマは「東京都が『無電柱化』条例を制定へ」
東京都は指定のエリアで新たに宅地を開発する際に、
電柱を新たに建てることを原則禁止する、
全国初の条例の制定を目指すと発表しました。
電柱があるメリットとしては、メンテナンス性、…
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 29, 2025
電線を地中化してしまうと、やはり今よりもメンテナンス性が下がってしまいます。断線、漏電が起こった時に、地面の中で何が起こっているのか、…
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) September 29, 2025
僕としては、総合すると無電柱化の方がいいなと思いました。不動産などで土地を見ていたこともあって、いいと思った土地でも電柱の位置が気になる事もありました。無電柱化によって土地の価格自体も上がる可能性があるという事もあり、個人的には無電柱化はメリットが強いと感じました。…