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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

25.09.10

最低賃金、全ての都道府県で1,000円超え…適用時期を遅らせる自治体が続出した理由は?
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の学習院大学・非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「最低賃金、全ての都道府県で1,000円超え…適用時期を遅らせる自治体が続出した理由は?」

吉田:今年度の全国の最低賃金が出そろい、すべての都道府県で初めて時給1,000円を超えました。引き上げ額は全国平均で過去最大の66円で、39の道府県で国の審議会が示した目安を上回りました。塚越さん、今年度の最低賃金の引き上げについて、詳しく教えてください。


塚越さん:年々、上がっている最低賃金ですが、厚生労働省が5日に発表した2025年度の全国の平均最低賃金が、1,121円と過去最高。金額も去年から66円増えて過去最大の引き上げ額となりました。トップは東京の1,226円で、高知、宮崎、沖縄3県の1,023円が最も低い結果になったのですが、すべての都道府県ではじめて1,000円を超えました。この最低賃金の仕組みについてですが、最初に国の「中央最低賃金審議会」が引き上げの目安を設定し、これを受けて各地域の審議会が改めて議論して引き上げ額を決定する仕組みです。中でも今回注目されているのは、全国のうち39の道府県が、国が示した目安より1円~18円ほど引き上げ額が上回っていることです。これにはいろんな理由があります。まず、引き上げ額が最も高かったのは、目安を18円上回った熊本県で82円。続いて大分県が81円、秋田県が80円などとなっています。特に秋田県は去年、最低賃金が全国で最も低い951円だったのですが、今回は大幅に引き上げて最下位を脱却しました。なぜこうなるのかというと、最低賃金が低いと、隣の県でバイトを探す人も出てくるということで、人材流出を懸念して、色々な県がかなり高く設定したということです。こうした近隣地域との競争もあって、今回は全国的に引き上げ額が高くなっています。ただ、競争の中で急激に引き上げると、地域の会社にダメージを与えることにもなるので、働く人にとってよくても、全体としては素直には喜べないかなという面があります。


吉田:改定された最低賃金は、例年10月から順次、適用されてきたのですが、今年は適用開始時期を遅らせる自治体が出ています。これは、どうしてなのでしょうか?


塚越さん:これも、先程の急激な引き上げが原因になっています。例年は10月から今年の最低賃金へと引き上がるのですが、今年度は10月から実際に引き上げるのは20都道府県にとどまります。11月と12月からが合わせて21の地域。来年1月から引き上げるのは、4県ありまして群馬県と秋田県にいたっては来年3月から引き上げるということです。ずいぶん遅くなっています。去年は徳島県が唯一、11月以降になっただけなので、今年度は非常に多くの地域で最低賃金は上がっても、実際に適応されるのは遅くなるということです。なぜかというと、まず企業は賃金を見直す際に、最低賃金に近い従業員だけでなく、それ以外の人の給料も変える必要があるので時間がかかるという点がひとつ。もうひとつは、やはり急激な賃金の引き上げです。国の引き上げ目安も去年からプラス6%と非常に高くなっているので、どうしても地元の経済を考えて引き上げ時期を遅らせる地域が増えたということですね。とはいえ、引き上げが遅くなると物価高騰する地域社会にはダメージになるという面もあります。そうなると、今回は上辺は最低賃金を大幅に引き上げたとしても、実際は中身が伴わないのかなと私は思います。


ユージ:今年度の最低賃金の引き上げ。塚越さんは、どうご覧になりましたか?


塚越さん:政府は2020年代に全国平均1,500円を目指しているので、それに合わせて、かなり無理な引き上げがここのところ起きています。引き上げには都道府県の知事が目安以上を求めるだけでなく、赤沢経済再生担当大臣もいくつかの知事に引き上げを求めるなど、政治介入もあるかなと思います。さらに政府は補助金の対象を拡大して、今回の引き上げには補助金を前提に議論がされています。補助金があるから、上げましょうということですが、何年もずっと補助金目当てでやるというのもちょっとおかしな話で、急激に引き上げるのも問題かなと思います。さらに、賃金を上げていくと経済が苦しくなっていくので、その分補うために価格が上がる。スーパーなどで価格が上がる面もあるので、ガンガン上がって賃金が上がるといっても他のものでインフレの傾向があるので問題はそんなに簡単じゃないかなと思います。ただ、一方で日本は賃金が低いと言われていますよね。世界的にみても低いと言われているので、これだけ上げていくものをついていけないと、地元の企業は厳しいという面もあるのかなというのも事実かなと思います。いずれにしてもバランスは大事なので、急激な引き上げの中で起きる様々な問題に対してバランスを取っていくことが求められます。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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