network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

25.09.08

石破総理が辞任を表明
null

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


「石破総理が辞任を表明」

吉田:石破総理は7日、官邸で緊急会見を開き、退陣する意向を表明。「身を引くという苦渋の決断をした」と語りました。そこで、会見の内容や辞任に至る経緯について、神庭さんに解説してもらいます。改めて、昨日の会見でどんな辞任理由が語られたのか教えてください。


神庭さん:大きく3つあります。1つ目が、参院選の大敗です。「選挙結果に対する責任は総裁たる私にある」という認識を改めて示しました。2つ目が、日米関税交渉です。「交渉に1つの区切りがついた今こそがしかるべきタイミングであると考え、後進に道を譲る決断をした」と語りました。最後に3つ目が、自民党内で広がる総裁選前倒し要求です。「このまま臨時総裁選要求の意思確認に進んでは、党内に決定的な分断を生みかねない」という発言がありました。


ユージ:参院選の投開票は7月20日。50日近く経っているなかでの、このタイミングについては、どうですか?


神庭さん:ずいぶん時間がかかりましたね。ネットリ辞任だなと思いますが、辞めると言えば即座に政権がレームダック化(死に体)して関税交渉でアメリカにナメられるということがあります。会見でもそういうような主旨の発言がありました。それも一理あるのですが、7月の段階で大枠の方向性が固まっていたわけですから、赤沢氏に任せるという形で「9月になったら辞めますよ」というようなことはできたんじゃないかなと思います。この間も石破氏の内心はかなり揺れ動いていたはずです。読売新聞は参院選直後の7月23日付の夕刊と号外で「石破総理、退陣へ」と報じたんですけれども、結果として誤報になったわけです。


ユージ:そんなこと、ありましたね…。


神庭さん:読売新聞の検証記事によれば、石破氏は7月22日の夜に、「関税交渉の結果が出たら、辞めていいと思っている。でも、交渉中に『辞める』なんて言えない。だから俺は続けると言っているんだ」と発言。合意が実現したら「記者会見を開いて辞意を表明する。辞めろという声があるのなら辞める」と言っていたそうです。23日の段階の取材でも退陣の意向は「変わりはない」という認識を示したそうです。ところが、読売新聞が「退陣へ」報道を打つや態度を硬化させ、「私はそのような発言をしたことは一度もない」「こういう記事を書かれると、俺も燃える。もう辞めないぞ」などと語ったということです。


ユージ:そうなんだ。結果的には、読売新聞がいっていたことが正しかったんですけど、ちょっと早すぎたということがあるのかもしれませんね。実際、もっと早く辞めるという選択肢はなかったのでしょうか?


神庭さん:ちょっとね、決断が遅すぎましたよね。石破氏自身は「地位に恋々とするつもりも、しがみつくつもりも全くない」と言っていたのですが、読売新聞の退陣報道に火がついて、意固地になってしまった部分もあるのかもしれません。一向に辞める素振りを見せない総理に対して、8月下旬からは自民党内で一気に石破おろしの動きが広がっていきます。自民党総裁の前倒し、総裁のリコールを求める声が日増しに強まっていきました。麻生派のドンである、麻生氏が前倒しの署名を提出することを明言したのを皮切りに、昨年の総裁選で石破氏を支持した議員や内閣の中にも同様の声が広がりました。2日には、「影の総理」と呼ばれた森山幹事長をはじめ、党4役も相次いで辞意を表明しました。石破氏は党内で四面楚歌の状況に追い込まれ、ついには進退窮まって辞任に至ったという経緯かなと思います。


ユージ:解散総選挙も検討していたという話もありましたよね。


神庭さん:そうですよね。読売新聞によれば、「やりたくはないが、総裁選になるくらいなら解散する」と複数の自民党議員に話していたそうです。チキンレースというか、ダイナマイトをぐるぐる巻きにして、来るなら火をつけるぞ!と言っているような石破氏の絵が思いつきましたけど。昨日の会見でも「色々な考え方があったことは否定しない」と言っていたので、ある程度本気で検討していたのかなとみられます。石破氏からしたら半分「脅し」のつもりだったかもしれませんが、解散ってそんなに簡単じゃありません。


ユージ:そうなんですね?


神庭さん:世論調査で石破氏の支持率が上昇しているとはいえ、その中には野党支持者の分も多く含まれています。このまま選挙選に突入したら自民党がボロ負けする可能性も十分あり得たわけです。さらに解散の閣議決定には、石破氏だけでなくすべての大臣の署名が必要になります。小泉総理の郵政解散の時は、解散に反対する閣僚をクビにして総理が兼任する形で無理やり解散しました。石破政権の中に造反者が沢山いる可能性があって、そうなると全員クビにするとなったら前代未聞の事態になってしまいます。そもそも公明党が反対しているというような事情もありました。何より解散の大義がありませんよね。こういったことを総合的に考えて解散を見送ったんじゃないかなと思います。


ユージ:最後に、神庭さんは石破総理の辞意表明、どう受け止めましたか?


神庭さん:昨日の会見でも「道半ば」「忸怩たる思い」「心残り」といった言葉を連発していました。まだまだ未練ありそうだなという感じはしました。石破政権の1年弱を振り返ると、少数与党という制約の中で、なかなか石破氏らしさを発揮できていないようにも見えましたね。功罪で言うと、相変わらずのバラマキ給付金をぶち上げたり、103万円の壁の引き上げを骨抜きにしたりというのは明らかに「罪」の部分だったと思います。一方で、官僚の振り付けに頼らずに自分の言葉で国会答弁した姿勢は評価できます。日米関税交渉についても、粘り腰の交渉でよく頑張った。そこは「花道」に値する成果と言えるんじゃないかなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





過去の #ユジコメ を音声でCHECK!!

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top