25.08.11
AI社長、AI役員誕生でビジネスはどう変わる?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
「AI社長、AI役員誕生でビジネスはどう変わる?」
吉田:三井住友フィナンシャルグループは5日、中島達CEOの思考や発言を学習させた「AI-CEO」を導入したと発表しました。また、キリンホールディングスもAI役員「CoreMate」を導入するなど、大手企業のAI活用が広がっています。そこで、AI社長やAI社員が広がっていく先に、何が起こるのか?神庭さんと考えます。まずは、三井住友のAI-CEOとはどんなものなのか教えてください。
神庭さん:過去1年余の中島CEOの発言をChatGPTに学習させたAIで、全国の行員約3万人がチャットで相談すると、「中島CEOらしい」答えを返してくれる。音声で対話できるアバターや「AI上司」も開発中で「AIとともに働くことが当たり前」という組織風土を目指しているそうです。他にも様々な企業がAIの本格活用に舵を切っています。キリンのAI役員は、過去10年分の経営戦略会議の議事録データや外部の最新情報を読み込ませて、12人分のAI人格をつくり出しました。このAI人格同士が意見を交換することで、そこから出てきた論点、意見を経営層に示す。年30回以上の経営戦略会議で活用する予定だということです。
ユージ:他にも、企業のAIの活用は何かありますか?
神庭さん:博報堂DYホールディングスは、スタークリエイターでチーフ・クリエイティブ・オフィサーの細田高広さんの思考法・発想法を学習させた通称「細田AI」を展開しています。日経新聞によれば、半年間で少なくとも4000時間分の業務の削減に成功。現場からは「思ってもみなかったことが思考の外からポンと出てくる。リサーチの雑務も減って、より本質的なことを考えるのに時間を使えるようになった」といって好評なようです。
吉田:実際にもう導入されているところもあるんですね。AI社長やAI役員のメリットは何ですか?
神庭さん:大きく3つあります。1つ目は業務を効率化して余計な会議や打ち合わせを減らし、意思決定のスピードを上げることができる。「決断し、責任をとる」という人間にしかできない仕事に集中できるようになります。2つ目は、いち社員でも視座を高く持って経営者目線で仕事と向き合えるようになるということです。目の前の仕事にあくせくしがちですが、全社の方針のなかでこの仕事がどう位置づけられるのかマクロの視点を得られるということです。3つ目は、心理的安全性。「なんでも相談してね」と言う上司に限って、本当になんでも相談したら渋い顔をして「自分で調べろ」と言いがちですよね。AIは24時間疲れ知らずで対応してくれるので、何の遠慮もなく、いつでも壁打ちや相談に応じてくれるのがメリットですよね。
ユージ:不機嫌になったりしないですしね。課題やデメリットは、何でしょうか?
神庭さん:AI社長、AI上司ならこう考えるだろうと思えるような発想が社内に蔓延すると、縮小再生産で思考が画一化していくのがあるのかもしれませんよね。AIが学習しているのは、あくまで過去の発言や事例であって、未来を完璧に見通せるわけではありません。社長っぽいアイデア、役員っぽいアイデアの「ぽいぽい思考」に陥れば、画期的なイノベーションやブレイクスルーが生まれにくくなるかもしれない。そういう限界を理解したうえで賢く使う必要があるかなと思います。あとはChatGPTやGeminiがすでにあるわけですから、みんなが普通に使っているなかで、企業内のAIが+αの価値を提供できるのか?というのも大事なポイントかなと思います。いま猫も杓子もAI、AIですから。「AIを使って何々しました」とプレスリリースを打てば、話題にもしてもらいやすい環境にあるかなと思います。実用性より話題性が先行してないかは気になるところです。その点でいうと、博報堂の細田AIは発想の飛躍度合いなどもパラメーターで調整できるそうで、実用性の点でも面白そうだなと思いました。
ユージ:AI社員は今後広がっていくと思いますか?
神庭さん:AI社員の呼び方は別にして、ビジネスでのAI活用は間違いなく増えると思います。OpenAIが7日に発表したChatGPTの最新モデル「GPT-5」では回答が速くなりましたし、ハルシネーション(知ったかぶりのウソ)を答える割合も減りました。AIエージェント機能も今後、強化されていくと思います。AIを自分の右腕としてフル活用する人と「苦手なんだよね」と使いあぐねている人の格差も今後広がっていくんじゃないかと思います。
ユージ:神庭さんは、どんな未来像を予想していますか?
神庭さん:ホワイトカラーのブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)はどんどんAIに置き換えられ、淘汰されていくんじゃないかと思います。必ずしもAIだけが原因ではないですが、アメリカのGAFAMはバンバンリストラを進めています。ハーバードのMBAを取ったのに、4人に1人が就職できないというニュースも耳にしました。それだけ頭のいい人、優秀な人でもAIに敵わない。となると、最後に生き残るのは、どんな人かというと感じのいい人、人間力のある人が生き残っていくのかなと思います。一方で、アメリカのZ世代の間では「肉体労働はクールだ」と人気が高まっていて、電気技師や配管工といった現場系インフルエンサーが、TikTokで100万人を超えるフォロワーを集めています。生成AIの方がロボット技術の発展よりも先行していることを考えると、今後ホワイトカラーの融解とブルーカラーの復権していく流れが進んでいく可能性があるのかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 11, 2025
テーマは「AI社長、AI役員誕生でビジネスはどう変わる?」
神庭さんとAI社長やAI社員が広がっていく先に、
何が起こるのかを考えました。…
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 11, 2025
僕自身は実際に使ったことはありませんが、僕はAIを併用していくのがポイントになると思います。…
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 11, 2025
AIの回答に目を通すという負担は発生しますが、目を通して修正が入った場合はAIがそこからリアルに近い考えを学び、
より精度が上がっていくと思うので、活用できる部分ではどんどん活用していくのがいいと思いました。
今後もAI社長、AI役員がどんな進化をしていくのか、…