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25.08.04

カムチャツカ半島地震で見えた津波対策の課題とは?
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


「カムチャツカ半島地震で見えた津波対策の課題とは?」

吉田:30日にカムチャツカ半島沖で地震が発生し、北海道から和歌山県にかけての太平洋沿岸に津波警報が発表され、日本にも津波が到達しました。先週メディアでも連日報道されていましたが、今朝は改めて今回の津波避難で浮き彫りになった4つの課題について、神庭さんに解説してもらいます。


神庭さん:はい。まず1つ目の課題ですが、熱中症対策です。今回の地震・津波による直接的な被害は、そこまで大きくありませんでしたが、避難に伴って様々な問題が起きました。政府によれば、北海道から和歌山まで13都道県で津波警報が出されて、200万人もの人が避難指示の対象になりました。さらに津波警報がすべて解除されるまで11時間、津波注意報に関しては解除まで32時間という長い時間がかかりました。津波は第1波が一番大きいとは限りません。海底の地形に反射して反射波が起こったり、複数の津波が合体したりすることもあります。なので、ピークが過ぎたかどうかの見極めが非常に難しく、警報や注意報の解除に時間がかかってしまったこと自体はある程度やむを得ないと思います。ただ不幸なことに、この間日本列島は強烈な酷暑に襲われていました。兵庫県の方で先月30日に気温が41.2度まで上がり、国内の最高記録を更新しました。


ユージ:熱中症被害の報道もありましたよね。


神庭さん:8月1日の段階で、12人が避難所で熱中症で搬送されたと報告されています。この暑さなので長時間の屋外での避難は、非常に大変です。仮に屋内の避難所だとしても、小中学校の体育館などはクーラーがついていないことも多いです。特に高齢者や乳幼児には非常に過酷な環境です。NHKが報じた文部科学省のデータによれば、避難所に指定されている公立小中学校の冷房の設置率はたった23.7%しかありません。東京92.6%、大阪49.8%など大都市は比較的高いですが、佐賀は0.4%、岩手0.9%、長崎1.5%と地方では整備が進んでいません。今回、避難対象者が多かったエリアでも、北海道3.8%、福島3.3%、神奈川も15.3%と低い数字が並んでいます。避難が長期化する可能性も念頭において、避難所の暑さ対策を進めないとまずいんじゃないかなと思います。個人レベルでも、自宅の持ち出しやすい場所にペットボトルの水や塩分タブレットなどを置いておくと、避難時に役に立つのではないかなと思います。


吉田:2つ目の課題は何でしょうか?


神庭さん:車での避難のあり方です。今回の津波でも三重県で軽乗用車の女性が崖下に転落して亡くなってしまう事故がありました。避難中の事故とみられています。函館では、浸水が想定される国道などが通行止めになった結果、まだ通れる一部の道路に車が殺到して渋滞が発生しました。東日本大震災では、車の避難による渋滞で被害が広がったと言われています。地震や津波の際の避難は、徒歩が原則になっています。国もそのように推奨しています。とはいえ現実には、足腰が弱い高齢者の方や乳幼児ら複数人を同時に避難させる場合など、車がないと厳しいケースもあると思います。だとしたら、平時の段階で渋滞が起こりにくいように抜け道も含めて複数の避難ルートを定めておくとか、1人1台ではなく、できるだけ多くの人を分乗して車の台数を減らすといったルールづくりをしておく必要があると思います。


吉田:3つ目の課題は何でしょうか?


神庭さん:自治体の避難情報の混乱です。北海道釧路市では、避難指示が遅れ、津波の第1波が到達してから17分かかりました。さらに放送やネットで避難情報を伝える「Lアラート」の情報が住民に届いたのは、津波到達から50分以上も後になりました。市長は「手入力で時間がかかった」と説明しています。この他に、別の自治体で内閣府のガイドラインに反した形で避難情報が出されるケースもありました。津波に関しては警戒レベル4の「避難指示」を出すのが基本で、内閣府のガイドラインにもそう明記されています。今回、一部の自治体でレベル5の「緊急安全確保」が出されるケースがありました。小さな自治体では災害担当者の数が少なかったり、知識が十分でないケースもあります。指導や育成も課題になりそうだなと思います。


ユージ:最後、4つ目の課題は何でしょうか?


神庭さん:偽情報の拡散です。熊本地震の時も「動物園からライオンが逃げた」というデマが広がりましたが、災害時は注目を集めるためのフェイクが広がりやすいです。今回も、過去に別の場所で起きた津波の映像をわざわざ誤解されるような形で使い回したり、生成AIを使って津波がビルを飲み込むようなフェイク動画を拡散したり、というケースが見られました。地震の予知や予言は不可能ですが、災害に乗じて、そういう流言をバラ撒く輩も出てきます。衝撃的な情報や動画に接した時ほど冷静になって、拡散に手を貸さないようにして欲しいなと思います。


ユージ:この4つの他に神庭さんが気になった点はありますか?


神庭さん:ロシアの原子力潜水艦への影響です。カムチャツカ半島東部にある原子力潜水艦の基地で桟橋が折れ曲がるなど、今回の津波で損傷したようだと報じられています。今のところ大きな影響はなさそうですが、周辺に放射能汚染が出ていないかなど、しっかりモニタリングしていくことが大事だと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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