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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

25.07.23

参議院選挙、海外からの介入で“偽情報”が拡散か
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の学習院大学・非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「参議院選挙、海外からの介入で“偽情報”が拡散か」

吉田:今回の参議院選挙では、海外からの介入でSNS上の「偽の情報」や「誤った情報」が拡散しているのでは、という懸念が広がりました。塚越さん、こちらの懸念について、詳しく教えてください。


塚越さん:先日の選挙に際しては、外国勢力によるSNS上の選挙介入を指摘する声が、選挙期間中からありました。これを受けて、自民党の小泉農水大臣や青木官房副長官が、16日の記者会見で、「わが国も影響工作の対象になっている」と懸念を示していますし、その前日にも、平デジタル大臣が「一部そういう報告もある」と述べています。私は、少なくともこのレベルの政府関係者が表明しているので、なにかしらの動きはあったのだと思いますが、具体的な事例や根拠は現状では示されていません。また、16日までにXでは、フォロワーが数万から数十万あるまとめサイトやインフルエンサーのアカウントが凍結されました。そうしたアカウントはロシアに親近感を持ったり、自民党の政権を批判する投稿が多いアカウントでした。これらのアカウントのうち2つは、アメリカのシンクタンクが「親ロシア」のものであると評価するものでした。また、これらの凍結されたアカウントは、ロシアの政府系メディア「スプートニク」を引用した投稿もありました。スプートニクについては、選挙中に当時参政党の候補者だったさや氏がインタビューに答えたこともありました。ただ、このスプートニクはロシアのプロパガンダを行うアカウントとみなされており、EUは厳しく対処をしており、現在はEU圏内からスプートニクのアカウントへのアクセスは禁止されています。こうした処置をしています。こうしたことから日本でも、ロシアの介入を受けているんじゃないか?といった指摘も増えており、国民民主党の玉木代表もこれを問題視して「まずは調べてみたい」とSNSに投稿しています。ただ、現状では必ずしもロシアが確実に介入を行ったという確たる証拠はありません。専門家の調査でも、ロシアが背後にいる可能性はあるが、証明はできないとしています。サイバー上の動きは、決定的な証拠を掴むことが難しいので、断定することが難しいという問題もあります。


吉田:今回の参議院選挙では、SNSに対する規制強化は行われなかったんですよね?


塚越さん:そうですね。日本では2013年に公職選挙法が改正されて、いわゆるインターネット選挙活動は解禁されました。ただ、当時はSNSについてはあまり想定されておらず、今のようなSNSや動画配信を使うネット選挙に対応しきれていない状況です。今年3月にも公職選挙法は改正されましたが、これは去年問題になった選挙ポスターの品位にかかわる規定が盛り込まれたもので、SNSの規制については、基本的に「表現の自由」に関係するので議論は難航して、検討はするとしたものの法制化は先送りとなっている状態です。仮に海外から選挙介入があったとしても、単に虚偽情報や誹謗中傷として個別にアカウントを停止するといったことはできても、包括的な対応は現状では難しいかなと思います。ただ22日に、平デジタル大臣は記者会見で、外国からの選挙介入について、新しい法律の制定も含めて対策の検討が必要と述べたので、海外の事例も参考にすると言っています。今後何かしら議論は進んでいくと思います。


ユージ:今回の参議院選挙でみられた「偽の情報」や、SNSの動き、塚越さんは、どうご覧になりましたか?


塚越さん:実際にロシアが動いたかどうかは、現状ではわからないですが、難しい課題もあります。というのも、よくアメリカの2016年の選挙の時にロシアが選挙に介入したと言われています。色々研究をみてみると実際の投票行動に関する影響は、思ったよりは限定的だった、という研究があります。じゃあ問題ないのかというとそうではなく、「選挙介入が行われた」という情報が社会に広がることで、あらゆる情報が操作されているのではないか。一般市民の方がみんな不信に思います。これが社会の分断を生んでしまう。そういう効果の方がむしろ直接的な選挙介入よりも介入があった話をみんながするということが社会の分断になってしまうのではないか。こっちの方が長期的には深刻なんじゃないかと指摘や研究があります。こうした人の認識=物の見方を変えてしまう手法を「パーセプションハッキング(認識改ざん)と呼ばれたりします。そうだとすると、介入があったとしてもかなり巧妙ですよね。実際に介入をするとして、一定の票の捜査があったとする。逆にそれをみんなが知って、こういう問題があったんだぞ。ということで、選挙だろうが何だろうが色々な情報が海外の勢力で何か動いているかもしれない。そうするとみんなが不安になって情報を頼るというのが難しくなります。副次的効果の方がむしろ大きな問題になる。こうなってくると、やっぱり情報ってどう扱うかリテラシーもそうですが、ますますこれから難しくなります。私がよくいうのが、強い言葉をみたときに一旦立ち止まる。ゆっくり情報に向き合うということが、当面はまず必要かなと思います。難しい問題だと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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