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25.07.22

与野党が過半数割れした今回の参院選。現役世代の動向と、選挙の争点になった「外国人政策」について
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【与野党が過半数割れした今回の参院選。現役世代の動向と、選挙の争点になった「外国人政策」について】

吉田:与野党が過半数割れした今回の参院選。今朝は「現役世代」の動向と、選挙の争点になった「外国人政策」について取り上げます。神庭さん、参院選で現役世代はどう動いたのでしょうか?


神庭さん:NNN・読売新聞・NHKの合同出口調査で年代別の比例代表の投票先を見ると、20代以下は国民民主がトップで参政党が2位、30代は参政党がトップで国民民主が2位、40代は参政党が1位、国民民主が3位を占めました。自公政権が重視してきたシルバー・デモクラシーに対する、現役世代の明確な「NO」と解釈できるかなと思います。一方、50代以上では自民が1位になり、特に70代以上は自民が36.9%を占めました。立憲も60代と70代以上で2位につけており、高齢世代で自公に不満を持つ層は、立憲に投票したことがうかがえます。


ユージ:各党、どんな主張を展開していたのか、改めてまとめて下さい。


神庭さん:国民民主の玉木代表は「現役世代から豊かになろう」と繰り返し訴えました。現役世代「が」豊かになろう、ではなくて現役世代「から」と言っているのがミソです。玉木さんは第一声で「現役世代を支えなければ、その現役世代が支える高齢者も不安になる。年金も減り、医療や介護も細っていく」と話しました。現役世代だけの問題ではなくて、高齢者を含めた国全体の問題だよ、というロジックです。「手取りを増やす夏」をキャッチコピーに掲げて、年収の壁のさらなる引き上げや、ガソリン税の暫定税率廃止、社会保険料の軽減などを訴えました。同じ現役世代志向でも、攻め方が対照的だったのが日本維新の会です。


ユージ:どんな風に違っていたのでしょうか?


神庭さん:維新の方が国民民主よりもアグレッシブに「社会保険料を下げる改革」を全面に出していました。医療費の削減や、高齢者の窓口負担を現状の1割から3割に引き上げることなど、「痛み」の部分もしっかり説明していたと思います。代表の吉村氏が自らショートドラマに出まくり、サラリーマン役や中小企業の社長役などを熱演。「社会保険料、高すぎるやろ」と訴えました。東京選挙区の音喜多駿氏もショートドラマを公開しましたが、こちらはちょっとやり過ぎてしまいました。何をしたかというと、記者役の音喜多氏が政治家と医療法人の会長に拳銃や刀で脅される内容です。900万回以上表示されたのですが、分断を煽るなと批判も浴びました。ブレずに社会保険料引き下げを訴えた維新の姿勢は評価したいですが、党勢の伸び悩みや音喜多氏の落選という結果を踏まえると、国民民主に軍配が上がったように見えます。


吉田:そして、外国人政策も争点になりました。


神庭さん:「日本人ファースト」の参政党が大きく伸びました。参政党以外にも自民党は「違法外国人ゼロ」を掲げ、外国でとった運転免許を日本の免許に切り替える「外免切替」手続きの厳格化を主張しました。国民民主は「外国人土地取得規制法」の成立、維新は外国人比率の上昇抑制を訴えるなど、外国人政策がにわかに争点に急浮上しました。


吉田:背景には何があるのでしょうか?


神庭さん:庶民の暮らしが苦しくなっていることが大きいと思います。インフレで実質賃金は5カ月連続でマイナス。エンゲル係数も43年ぶりの高水準です。参政党の神谷代表も「外国人の特権?特に日本では、ないのでは」と言っているのですが、それでも「外国人優遇だ!」みたいな主張がウケるのは、「自分たちは置き去りにされている」「大切にされていない」と感じる人が増えている裏返しだと思います。私には中間層の悲鳴にも聞こえるなと思っています。「排外主義」「ポピュリズム」の一言では切り捨てられない現実があると思います。ヨーロッパやアメリカで先行していた動きが、いよいよ日本でも出てきたな、という印象です。


ユージ:確かに、欧米と似た感じになってきましたよね。


神庭さん:そうですよね。この20年で在留外国人の数は1.9倍の376万人まで増えました。政府は「移民政策はしません。技能実習生です、特定技能です」と言いながら、事実上の移民政策をヌルッと進めてきました。本来であれば「日本は移民を進めます!いいですか?」と選挙で真正面から信を問うべきだったのに、覚悟も受け入れ体制も不十分なまま誤魔化してきました。そのツケが一気に噴出しているようにもみえます。気になるのは選挙期間中、外国人差別になりかねないようなデマも飛び交っていたことです。例えば、外国人が増えて治安が悪化したという主張は、少なくとも全国的な統計データ上に根拠がないです。一方で、社会統合がうまくいかず、摩擦が強まっている地域があるのも確かです。先ほどの「外免切替」の話や不動産の高騰、オーバーツーリズムなど、実際に対処が必要な問題も起きています。ですから、デマとファクトをしっかり腑分けすることが大切じゃないかなと思います。


吉田:今回の参議院選挙の結果について、改めて日本社会はどう向き合うべきでしょうか?


神庭さん:参院選で公明党の斉藤鉄夫代表は、こう訴えました。「対立を煽って憎悪心を起こさせ、それを自分の党の政治的エネルギーにしている。そういう勢力に日本を任せたら、日本は必ず崩壊する」と発言。至って正論ですが、ではなぜ正論が響かなくなっているのか、をよくよく考える必要があります。エリート、勝ち組、お金持ちだけが肥え太る政治ではなくて、中間層の没落を防いで、低所得の方を元気にする政治をやっていかないといけない。でないと、ますます分断が広がって欧米のようになりかねないですよね。日本はまだ間に合います。ですから、庶民が希望を持てる政治をやっていただきたいなと思います。


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