25.06.18
来年4月に始まる『子ども子育て支援金』SNSでは『独身税』と批判の声

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の学習院大学・非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
【来年4月に始まる『子ども子育て支援金』SNSでは『独身税』と批判の声】
吉田:来年4月から始まる「子ども子育て支援金」について、SNSでは「独身税」などと批判する声があがっています。「独身層には恩恵がない」という声があるのですが、これに対し、三原じゅん子こども政策担当大臣は「“独身税”と言い換えることは間違っている」と反論しました。塚越さん、「子ども子育て支援金」を「独身税」と批判する声について、詳しく教えてください。
塚越さん:まず、来年4月から子どもや子育て世帯を応援する新たな支援金制度がはじまります。必要な予算は3兆6,000億円で、医療分野などの歳出削減や既存の予算も使うのですが、それでも足りない1兆円程度の予算を確保するために、来年4月から公的医療保険料に上乗せという形で、個人や企業などからお金を集めることになります。この支援金の使い道は決められていて、まず児童手当の所得制限撤廃と、この児童手当を高校生の年代まで延長することにも使われます。また妊娠出産時に、新たに10万円の経済支援のために使われます。気になるのは個人負担ですが、まず来年4月からはじまって、2028年度まで段階的に料金は増えます。実際の費用は加入している保険や給与で異なるので、あくまで一例ですが、中小企業に勤めている会社員の方だと来年度は月400円程度(年額4,800円)。最終的に2028年度には月700円。なので、年額8,400円ということですね。これに対して、この支援が子育て世代に充てられるので、独身の人は負担が増えるだけということで、SNSでは「独身税」という批判があるということですね。独身にもリターンが欲しい、といった声があるということです。
吉田:こうした批判的な声に三原じゅん子大臣、どのように反論したのでしょうか?
塚越さん:三原大臣は、「独身税」という言い換えは間違っていると述べています。子どもはいずれ大人になって税金を支払う「社会の一員」になるので、子育て支援は全世代のもの。独身の人だけ負担を強いるわけではないと仰ってますね。これはその通りだとは思いますが、野党からも批判があります。例えば、日本維新の会の前原誠司共同代表は、児童手当の拡充などは理解しつつも、社会保険料を下げて、手取りを増やすことをやっていきたいと話しています。実質賃金が下がっている中で、さらに社会保険料を上げるのはおかしくないか。独身の人からしたら「独身税」とも言いたくなる、という話だと思います。誰も子育て支援等を否定しないと思いますが、社会保険料がこれだけ高くなっている中で、ここでさらに搾り取ろうとするなら嫌なのではないかなと私は思います。あとは、支援金というネーミングの問題ですね。実際は税金なのに、支援金と言われるとボランティアのような感じがするので、「それは話が違う」と思われやすいのかなと思います。
ユージ:気持ちは分かりますが、「子ども子育て支援金」を「独身税」と批判する声。塚越さんは、どうご覧になりましたか?
塚越さん:この少子化の問題は、みなさん理解をしていると思います。一方で、これまで政府の少子化対策が「本当に効果的だったのか?」と疑問の高まりの中で生じている批判にも見えます。経済的支援も大事ですが、出生数が下がって有効な対策になっていない中で、さらに社会保険料を引き上げるとなると、独身の人にとっては、現役の独身から税金を搾り取られていると感じる方も出てくるのかなと思います。本質的には政府の政策に対する怒り、がそういう言葉に上がってきているのではないかと理解した方が分かりやすいかなと思います。その一方で、別の論点があって、例えば早稲田大学の山内昌和教授は、若い世代が減ることは避けられないので、人口が減少し、少子高齢化を前提にした社会の仕組みづくりを考える必要性があるのではないかと話されています。私個人としても、この10年で出生数がものすごい下がってしまったわけですよね。この10年で回復する見込みが厳しいですし、人口減少はこれから避けられません。人を増やすという意味なら、本気で「移民」を受け入れるという話もありますが、今の日本の状態だと厳しいのかなと思います。だとすれば、人が減っていくので高齢化にはヒト型ロボットなどで対応して、福祉領域で世界に技術を輸出する一方で、労働人材不足にはAIを活用するといったことをやらないといけない。本当に人が減っていく中でインフラをどうするのか、そこを我々が議論するタイミングもあると思います。下手すると、いま東京は人が多いですが、人口が減るのに逆に東京には人が集中するリスクも指摘されているので、今の東京のインフラでも足りない。地方では本当にインフラがなくなっていく中で、その対応をどうするのか。人口が増えるのが難しいことをみなさん理解しているのであれば、そっちの方向にかじをきるためにAIに投資をしましょう。インフラの場合は、厳しくなるかもしれません。ここをみんなで議論して子育てにお金が必要であれば、みなさん頑張りますし、日本という国がどうするのか、もう一度ここで議論するのが必要じゃないかなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 18, 2025
「来年4月に始まる『子ども・子育て支援金』」…
#ユジコメ②…
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 18, 2025
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 18, 2025
今回の決定は、2023年末に閣議決定した「こども未来戦略」をもとにした少子化対策で、その必要性をみんな理解している一方で、これまで政府の少子化対策が「本当に効果的だったか?」という疑問の中で生じている批判にも見えます。そして、結婚する方が減っていることや、…