25.05.29
必要な時に給料がもらえる前払い、導入する企業が増える背景

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の学習院大学・非常勤講師、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「必要な時に給料がもらえる前払い、導入する企業が増える背景」
吉田:給料日より前に、働いた分の給与を前払いで受け取る人が増えているようです。ソフト開発の「きらぼしテック」が手掛ける前払いサービスを、導入する企業は3月に2,000社を超え、この3年で2倍に増えています。そこで、なぜ前払いを導入する企業が増えているのか?塚越さんと考えていきたいと思います。
ユージ:塚越さん、給料をすぐに受け取る仕組みは「単発のバイト」などで、今までもあったと思うのですが、使う企業が増えているんですね。
塚越さん:そうですね。現在もマクドナルドなど、アルバイト向けの利用はあったのですが、日経新聞によれば、居酒屋で有名な「モンテローザグループ」や、京王プラザホテルといった企業で正社員にも広がっています。これまで、給料日は原則として月1回が基本だったので、驚きといえば驚きですね。前払いソフトを提供する「きらぼしテック」では、専用サイトで申請すると、現金の口座振込は最速で当日、電子マネーならアプリで即時受け取り可能ということになります。ただ、気を付けて欲しいのは、基本的に前払いといっても、まだ働いてない分の給料をもらうのではなく、あくまで働いた分のお金が給料日より前に受け取れるということです。前借りでなく前払いということです。
ユージ:要するに、10日間働いたので、10日分だけ先に貰えませんか?ということですね。
塚越さん:ちなみに、給料の月払いは世界ではスタンダードではないということです。例えば、アメリカの労働統計局の2023年の調査だと、週払いが27%。隔週払いが43%、半月払いが20%。なんと日本のような月払いは10%で少数派です。日本では25日、10日、月末など給料日はいくつかあって月1回が基本だったので、これは驚きですよね。
ユージ:僕、実はアメリカに住んでいたのでよく知っています。アメリカ人のインタビューで、「あなたの月収いくらですか?」と聞くと、ほとんどの人が「月収?計算しないと分からないな」と言う人がいます。2週間に1回、給料をもらう方もいれば、1週間に1回給料をもらう人もいるので月払いの人は10%程度しかいません。90%近くの人が、毎月もらっていません。週払いになります。
塚越さん:年収じゃないと分からないんですね。
ユージ:年収だったら答えられるのですが、月収だとパッと答えられませんね。
吉田:日本独自だったんですね。前払いを利用する人は、やはり若い人が多いですか?
塚越さん:そうですね。利用者の多くは10代〜20代ということです。2024年のリクルートの調査によると、給料受け取り方法について、給料の前払いサービスによる口座振込を希望すると答えたのは、10代で29%、20代で16%ということです。これは2年前の調査に比べると1.5倍〜4倍にまで増えています。若者は仕事探しの1つに、給料をすぐに受け取れるかを重視する傾向になっていると言えると思います。
ユージ:塚越さんは、何で給料の前払いが増えていると思いますか?
塚越さん:そうですね。まず会社側としては、若手を引き止めるための福利厚生の1つになっているという感じです。昔から若い人は貯蓄が、まだあまりない方が多いので、急にお金が必要になったときなどに、早めに受け取って対応したり、生活費に使うことが多いですね。一昔前だと、消費者金融やカードローンという選択肢もありましたが、給料の前払いサービスは利息もないですし、最初から自分のお金ではあるので、いろんな意味で負担も少ないかなと思いますね。あとは、抵抗感もなくなってきてて電子マネーでもらうということも増えています。むしろ、私たち大人世代は月1回が当たり前すぎてしっくりこないという感じですね。そこが正直なところなのではないかと思います。アメリカなどをみれば、受け取り方が色々あって、月1回よりも柔軟にお金について考えることができるのかなと思います。
ユージ:給料の前払い、企業側と従業員側、それぞれ気をつけることはありますか?
塚越さん:そうですね。まず企業側は、システムや運用にコストがかかるということがあります。労使協定や関連する法律を確認する必要があるので、導入には手間も費用もかかるかなということ。まずは、ここを注意しなければいけません。もう1つは、従業員です。受け取る側ですが、前払いの場合は手数料が負担になる可能性もあります。あとは、今の日本は月1回の給料というシステムで回っているので、「毎週お金が入る」ような感覚になってしまうと、しっかり計画を立てないとお金にルーズになってしまう可能性もあると思います。これを危惧する人も多いかなと思います。私も気になるところかなと思います。しっかり計画を立てないとルーズになってしまうので、個人的に思うのは、例えばChatGPTに「前払いで1万円貰ったら、どうすればいい?」って聞いてみて、節約やアイデアなど色々な提案してくれます。そうやってAIと一緒に考える習慣を作ると急な出費だけじゃなく、自分の未来に向けて、前払いを活かす方法もあるんじゃないかなと思ったりします。あとは、柔軟な受け取り方がこれから日本でも増えると思います。月1だけじゃない。そういうシステムが日本でも変わっていく。色々なシステムがこれ以外でも変わっていくと思うので柔軟に変えていくということ。そういう時に自分がAIを使ったりすることで、対応していくことがこれから求められていきます。大人世代もそうなのかな?と思ったりします。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 29, 2025
『導入する企業が増えている給料の前払い』
日本において給料の月払いは一般的ですが、実はアメリカでは週給制を採用している企業が多く、月払いを採用している企業は10%程度だと言われています。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 29, 2025
家賃や公共料金などを、月末にまとまった給料が入ったら払う、というリズムに慣れているので、僕は月払いの方がお金を管理しやすいと感じます。
ただし、様々な選択肢に対応できる柔軟なシステムも今の時代には求められていると思います。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 29, 2025
例えば、急な出費でお金が必要になった場合、すでに働いた分を給料日前に貰えるという柔軟さがあっても良いと思います。計画性をしっかり持たないと逆に苦しくなってしまう危険性があるかもしれませんが、あくまで個人と企業側が話し合って決められたら問題ないと思います。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 29, 2025
企業側からすると振り込み手数料がかかるなど、コストの問題点はありますが、
“柔軟な給料払い“が今後、会社の福利厚生の一つとして捉えられていく時代になるのではないでしょうか。#ワンモ