25.03.06
建て替え要件の緩和でマンション再生、促進

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「建て替え要件の緩和でマンション再生、促進」
吉田:老朽化したマンションが増え続ける中、政府は、建物の管理や再生を円滑に進めるため、区分所有法などマンション関係法の改正案を4日の閣議で決定しました。そこで、マンション再生のための法改正について、塚越さんと探っています。
ユージ:塚越さん、なぜ今、マンションの再生を促進するのでしょうか?
塚越さん:まず国土交通省によると、マンションは国民の8人に1人が住んでいて、戸建てからの移住も目立っているということです。一方で、築40年以上の老朽化したマンションは全体の2割を占める137万戸あり、10年後には2倍、20年後には3.4倍に増えるということです。これから老朽化したマンションが増えます。例えば1997年に建築基準法が改正されて、それによってタワーマンションが一気に普及しました。あと20年経つとそういったタワーマンションは、築40年以上になるわけで老朽化が問題になりますよね。もっといえば、高度経済成長期に建てられたマンションは、既に管理不足で外壁が傷んだ物件もあり、耐震性もそうですが、外壁がはがれ落ちるとすごく危険です。こうしたこともあって、基本的な権利関係などをまとめたマンション関係法の改正案が閣議決定されました。今後は通常国会に提出し、成立すると一部を除いて来年の4月にも施行されます。
吉田:では、今回の法改正で何が変わるのでしょうか?
塚越さん:簡単にいうと、マンションの意思決定がしやすくなる、というものです。まず現在は、マンションの取り壊しや売却、リノベーションの決議には、所有者全員の賛成が原則必要になります。これが緩和されて、「全員の同意」から「5分の4の賛成」で可能となり、ちょっと条件が緩和されます。所在が分からない所有者についても、裁判所が認めれば決議の母数から外せるようにもなります。他にも、現在は建物の管理に無関心な住人が課題になっているということで、「修繕」や「管理規約の変更」の決議を行う際は、すべての所有者ではなく、集会出席者の多数決で行えるように緩和するということです。マンションの決め事なので、無関心だったり所在不明の所有者が増えると物事が決められなくなってしまうことへの対応、という面もあると思います。あとは、耐震性不足だったりバリアフリー基準に問題があるマンションについては、建て替えなどでも4分の3以上の賛成で決議できるように緩和になります。また大規模な災害があった場合は、建て替えや取り壊しの決議が、現在の「5分の4の賛成」から「3分の2の賛成」に緩和となります。色々緩和するということですね。
ユージ:「5分の4の賛成」ということは、1000世帯あれば200世帯が反対してもいけちゃうということになりますか?
塚越さん:そういうことになりますね。
ユージ:マンションの意思決定がしやすくなりますけど、少数派の意見を尊重することも、共同生活には必要ですよね。
塚越さん:そうですね。話し合いも大事ですが、そもそも話し合いに参加しない住人がいる場合など、全体として課題なのかなと思います。今後は、外国の方も増えるということで、そのあたりの言語の壁の課題はあるのかなと思います。
吉田:他に、法改正で変わることはありますか?
塚越さん:税制優遇があります。これは、マンションの所有者たちが「事業組合」というグループをつくって、修繕や建て替えを行うと組合への税金を安くする。つまりマンション再生を税制面で支援するということがあります。他にも、隣の土地の環境の関係で「高さ制限」があるところがあります。自治体が特例で緩和できる措置も設けるということです。要するに、いろんな方法で支援するので、マンション再生をお願いします、ということですね。その一方で、法改正では適切な管理がされていないマンションに対しては、自治体の関与を強化する仕組みを設けます。最初にお話したように老朽化したマンションは危険なので、自治体がマンションの管理状況の報告を求めたり、建て替え修繕の助言・指導・勧告もできるようにするということです。個人のお宅でも、「ゴミ屋敷問題」などがあると思います。マンションも今後のことを考えて、色々厳しくみていくということです。
吉田:塚越さんは、今回のマンション再生のための法改正、どうご覧になっていますか?
塚越さん:マンション、いっぱいありますよね。これからどんどんマンションの老朽化が進んでいくということなので、色々やってくれないと個人のお宅でも色んな問題がありますが、マンションは人数が多いので「おおごと」になりますよね。自治体がお金をかけて取り壊すという事例もあります。そうならないように、早めにやることが必要です。色々コミュニケーションの問題や海外の方が増えたり、投資用としてマンションを購入する方もいるので、そうすると話し合いが難しいです。オンラインで参加ができる、新しい物件が建つなど、これから何十年先のことを考えなければいけないです。マンションに住んでいる方は、これから問題を抱えているということや認識を持つことが大事かなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 6, 2025
『建て替えの要件緩和でマンション再生促進』
今回閣議決定されたマンション関連法の改正案が施行されれば、マンションの取り壊しや売却、リノベーションの決議に必要な、所有者「全員の賛成」が緩和され「4/5の賛成」でも可能となります。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 6, 2025
これまで、所有者が所在不明だったり海外に住んでいたりした場合、マンションの意思決定の障壁となっていました。
ただでさえ説明や同意を得るまで時間を要する上に、工事のプラン等を考慮すると先延ばしが難しい内容であるため、今回の改正は重要だと思いました。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 6, 2025
緩和された一方、憂慮すべき点として、4/5が賛成しても反対した残りの1/5の存在を忘れてはいけないということです。
また、反対派の住人とトラブルに繋がる可能性もあるので、住人との建設的な話し合いも忘れてはいけないことが大切だと思います。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 6, 2025
マンションの建設ラッシュは昔より落ち着いているように感じますが、やはり都心ではあちらこちらで建設している様子が見受けられます。
マンションの老朽化は常に進んでいるので、早い段階で法整備を進めていく必要があると感じました。#ワンモ