25.03.05
過去最少を更新した去年の出生数について

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「過去最少を更新した去年の出生数について」
吉田:厚生労働省は2月27日、去年1年間に生まれた子どもの数は、速報値で過去最少の72万988人だったと発表しました。前年より3万7,643人減少し、9年連続で最少を更新しています。塚越さん、まずは「去年の出生数」について、詳しく教えてください。
塚越さん:厚生労働省が発表した2024年の「人口動態統計」の速報値によれば、去年1年間に生まれた子どもは、外国人なども含めた速報値で72万988人。前の年より3万7,643人減ったのですが、率にすると5%ほど減ったということです。コロナの時期だと減っても仕方ないと考えられますが、コロナが収束しても状況が改善しない、という点がやはり大きな問題です。出生数の減少は9年連続で減少しているということです。日本は明治期に入ってから人口が一気に増えました。その明治時代の1899年に統計を開始してたのですが、出生数は最も少なくなっています。例えば、70年代前半生まれ(現代50代の方)の第二次ベビーブーム世代は大体出生数が年200万人くらいいます。現在、72万988人なので、かなり減っています。
ユージ:年間200万人ですか。
塚越さん:そうです。
ユージ:今と比べるとすごいですね。
塚越さん:そうですよね。2023年に「国立社会保障・人口問題研究所」が公表した将来予測ですと、外国人などを含めた出生数が73万人を下回るのは2039年と推計されていました。つまり、予定より15年はやく少子化が進んでいるということです。日本人だけの確定値はまだ公表されていませんが、おそらく70万人を下回るのではないかと言われています。こうして生まれる子どもが減っている一方で、亡くなる方も多くなっています。先ほどの「人口動態統計」の速報値によれば、死亡数は161万8,684人。4年連続で過去最多を更新しています。この死亡数から出生数を引いた人口の「自然減」は、およそ90万人ということで、前年より減少幅は6.5万人ほど拡大しています。およそ90万人が亡くなっているんですよね。
ユージ:亡くなる方の数の方が多いということですよね。
塚越さん:産まれる人より亡くなっている人が多いです。90万人、人口が減っています。
ユージ:ええ!
塚越さん:これが秋田県の人口や北九州市の人口くらい毎年減っています。2025年は団塊の世代という方々が、全員75歳以上の後期高齢者の方になるということで、これから残念ながら亡くなる方も増えてくると思います。
吉田:出生数の減少の要因については、「住宅の狭さ」や「2人目の壁」を指摘する声もあるようですね?
塚越さん:そうですね。やはり基本的には経済的な問題があるのですが、2021年の「出生動向基本調査」では、妻の年齢が35歳未満の若い世代で、理想の子どもの数をもたない人に理由を聞くと経済的問題などに続いて3番目に多かったのが「家が狭いから」で21.4%ありました。これ2021年の調査ですが、2015年のときは18%だったので、理由として「家が狭い」が大きくなってきてると言えますね。都市部は特に、このところ住宅費が高騰していて、広い家には住めくなっています。また「財務総合政策研究所」が2021年に公表した調査によると、第2子を望む夫婦は、家が1平方メートル大きくなると、第2子が生まれる確率が3%増えるということです。家が大きくなると子供の数が増えるということです。逆に東京23区や政令指定都市の場合は、夫の通勤時間が10分増えると第2子が生まれる確率が4%減るといった調査もあるということです。どこに住む、どのくらいの大きさの家に住むかが、子どもの数に関わってくるということですね。
ユージ:「2人目の壁」についても、詳しく教えてください。
塚越さん:もともと、夫婦一組が産む子どもの平均数は、2人以上でした。ところが2010年に、この数字が2人を下回って、現在は1.9人台になって人口が減ります。同様に、2000年代前半まで子どもが1人の夫婦の割合は8.9%でしたが、2021年には19.7%と倍以上になっていて、1人っ子の家庭も増えているわけです。色んな経済不安もあって、子育てがなかなか厳しいということで2人目を作ることが難しくなっているのが要点かなと思います。
ユージ:去年の出生数。塚越さんは、どうご覧になりましたか?
塚越さん:産む・産まない、結婚するとかは、個人の自由なのでどの選択が良い・悪い、という話ではありません。ここ重要です。その上で、今まで未婚と晩婚化、婚活の話をしてきましたが、今日後半でお話した「2人目の壁」の話が大事です。住宅を少し大きくしないといけないということなので、住宅手当をもっと良くするとか公営住宅の建設促進、空き家を上手く使うなど、そういうサポートをしている自治体もあるので、このあたりを強くしていくことが、とりあえず今できることなのかなと思いますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 5, 2025
「過去最少を更新した去年の出生数」について
厚生労働省は先週、去年1年間に生まれた子どもの数は、速報値で過去最少の72万988人だったと発表しました。…
#ユジコメ②…
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 5, 2025
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