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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

25.02.26

エンタメでも『DEI』見直しか。ディズニー『人種差別の注意書き』
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


【エンタメでも『DEI』見直しか。ディズニー『人種差別の注意書き』】

吉田:ディズニーが「人種差別の注意書き」を変更することになったということで、日本経済新聞によると、アメリカのウォルト・ディズニーが過去の人気アニメーション映画における「人種差別的な表現に対する注意書き」を変更することが分かりました。アメリカメディアが今月13日までに報じたということです。トランプ政権下で「DEI=多様性、公平性、包括性」への反発が強まっていることに対応するとみられます。塚越さん、まずは、アメリカのディズニーが「人種差別の注意書き」を変更したことについて、詳しく教えてください。


塚越さん:はい。まず、ディズニーの動画配信サービス「Disney+」で配信している過去作品、例えば1953年の『ピーターパン』には、先住民の描き方や呼び方など、人種差別的なシーンがあります。これについて今は再生前に12秒程度<この動画には人や文化に対する否定的な表現があり、こうした固定観念は当時も現代でも誤っている>といった警告文を自動で流しています。この表現は2020年、黒人のジョージ・フロイドさんが白人警官に殺害されてから生じた、一連の「ブラック・ライヴズ・マター」運動を受けてから始まったものでした。今回ディズニーは、こうした警告文を自動で流すのはやめて、代わりに作品の「詳細情報」を示す別の画面で「この作品はオリジナルのままで、ステレオタイプな描写が含まれています」といった文章を表示するといった報道があります。これは2020年より前に使われていたものなので、簡単に言えば以前のやり方に戻ったということになります。表現としてもややマイルドなものになったかなと思います。


吉田:こちらの変更の背景が「DEI」の見直し、とみられているようですね?


塚越さん:そうですね。バイデン政権が推進したDEI政策ですが、トランプさんは政権発足直後にDEIを廃止するという大統領令に署名しています。DEIは、「Diversity(多様性)」、「Equity(多様性)」、「Inclusion(包括性)」の略で、すべての人に公正な機会を与えて、人々が不当に偏った状況に置かれることなく多様な背景に受容できる社会を実現させるための取り組みのことです。それだけ聞くと、そうだよなという感じがしますが、ビッグテックと言われる大手IT企業もこのDEI見直しに寄り添う流れもあるので、今回は決してディズニーだけでなく、アメリカの大手企業には多かれ少なかれ見受けられる「流れ」ということです。ただ、現状の企業のこういった色々な声明というのはあくまでもトランプ政権に向けた表向きのポーズと言えるのかなと思います。トランプ政権、強く反DEIを主張しているので無視することはできません。むしろ大事なのは、今後数カ月後くらいしてから、会社内で目立たない形でも、引き続きDEI的な取り組む企業もあれば、もしかしたら本当にやめていく企業も数カ月で分かってくるのではないかと思います。ある種のポーズだというところは、どの企業も意識していくと捉えることも大事かなと思います。


ユージ:この「DEI」について、アメリカの世論は割れていますか?


塚越さん:CBSニュースが1月中旬に行った世論調査によると、DEIを「もっと推進すべきと考える人は39%」、「現状維持を望む人は27%」。一方で「終了を求める人は34%」ということで、アメリカ国民の3分の1はDEIに否定的といえるわけです。ただ、これ単純に多様性がいらないといっているのではなく、DEIを巡る言い争いにうんざりしている国民もいると、ウォール・ストリート・ジャーナルは指摘しています。


ユージ:ちょっと過熱気味というか、過剰に意識しすぎている部分もあったかもしれないですからね。


塚越さん:戦いが起きている部分にすごく疲れている方もいて、アメリカはそもそも人種的にも多様なわけで、常に様々な争いがあります。多様性は大事だけど「疲れた」、という方もいるのだと思います。


ユージ:アメリカで広がりつつある「DEI」を見直す動き、塚越さんは、どうご覧になりましたか?


塚越さん:賛否があるのかなということはあると思います。ただ多様性という言葉は、言葉として今の段階で曖昧なところもあったので何となくいい言葉ということではなくて、細かくみていって「どういうところがいいところなんだ」という議論をする段階だと思います。多様性に配慮すると、企業の業績が上がるというデータもあります。もう少し、細かくみていって「こういうことがいいのではないか」など、噛み砕いてみることが1つ大事なのかなと私は思います。一方で、アメリカだとDEIの言葉のイメージが結構多すぎて推進する人も反対する人もこの言葉がイメージすることですごい争いになったりしています。言葉のカロリーが高いと思います。日本でも、特定の言葉を発言するとそれで戦いが起きちゃうみたいな。「カロリーが高い言葉」と私は呼んでいます。それになってしまうと、話ができなくなるので新しい言葉を作るとか、ちょっと違った角度からの言葉を使うことによって、みんなが議論できるかなと。新しい言葉を作っていくというところも大事なのかなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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