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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

25.01.27

『初任給30万円時代!新人ウハウハ、氷河期は涙目?』
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
今朝の話題はこちらです。


【初任給30万円時代!新人ウハウハ、氷河期は涙目?】

吉田:経団連の十倉雅和会長と連合の芳野友子会長は22日、東京都内で2025年春闘の方針について会談し、労使交渉が事実上スタートしました。2023、24年と2年連続で賃上げの勢いが強まる中、連合が求める5%以上の水準を2025年も維持し、賃上げが定着するかどうか注目されています。


ユージ:そんななか注目されているのが、新入社員の初任給の引き上げラッシュです。神庭さん、多くの会社で初任給がアップしているようですね?


神庭さん:日経新聞などによると、ユニクロやGUを運営するファーストリテイリングは、3月以降に入る新入社員の初任給を30万円から33万円にアップさせるということです。年収ベースで約1割増の500万円強になるそうです。ソニーグループは25年度から大学の学部卒を3万8000円増の31万3000円に、大学院卒を3万8000円増の34万3000円に引き上げます。2015年度以降で最大の引き上げ幅ということです。ダイワハウスは4月から初任給を一律10万円引き上げます。大卒は35万円。従来からおよそ4割の大幅アップです。三井住友銀行は来年4月から初任給を30万円に引き上げます。従来は大卒25万5000円だったので4万5000円のアップ。東京海上日動火災保険はこれまで大卒初任給が28万円でしたが、来年から最大41万円まで一気に引き上げるということです。ただし、誰でもというわけではなく、引越しが必要な転勤に同意し、自分の本拠地を離れるケースなどが対象だということなんですね。


吉田:こう見ると、景気のいい数字が並んでいますね。引き上げラッシュの背景は何でしょうか?


神庭さん:本当に今の新入社員が羨ましいんですが、引き上げラッシュの要因で1番大きいのは人手不足による人材獲得競争の加速です。空前の売り手市場で新卒学生は引く手数多になっています。ダイヤモンド就活ナビによれば、今年卒業する学生の内定数は平均3.15社。1人の学生が3社以上から内定をもらっています。10年前が平均1.89社だったことを考えると、どれだけ高い数字かわかると思います。いまの学生はよりどりみどりで選びたい放題。逆にいうと、企業の側は待遇を手厚くしていかなければ、新卒に選んでもらえない、特に優秀な学生を取ろうと思ったら給与アップは欠かせないということで、蝶よ花よ、神様・仏様・新卒様という感じなんですね。


ユージ:物価も上がっていますもんね。


神庭さん:名目賃金は上昇していますが、重要なのは物価の影響を考慮した実質賃金の方です。実質賃金は2022年4月から26カ月連続で下がった後、去年の6、7月に一旦プラスになったものの、また8、9、10月とマイナスに戻ってしまいました。そして最新データの11月に4カ月ぶりに0.5%増えましたが、これはボーナスの影響が大きいとみられています。夏冬のボーナスのある月だけプラスで、それ以外はマイナス。ボーナスだけでなく基本給の引き上げが急務になっています。


ユージ:そうしたなかの、新卒の給与アップ。いいことだと思いますが、何か課題もありますか?


神庭さん:新卒の待遇アップ自体は歓迎すべきことです。問題は世代間の格差です。1974年から83年生まれ、いま40代から50代の就職氷河期世代は、希望する就職先に入社することができず、非正規での雇用を余儀なくされるなど辛酸を舐めてきました。定義にもよりますが、私も氷河期世代の最後尾でプレッシャー世代と言われることもあります。20代、30代と馬車馬のように働いて、ようやく給料が上向いてきたと思いきや、年功序列・終身雇用のシステムが崩壊。能力主義の導入で給与は頭打ち。管理職は罰ゲーム化し、若手世代に自分たちがしてきたようなガムシャラな働き方を強いることは当然できないわけです。上のバブル世代に比べると給与や貯蓄の額もガクッと落ちてしまうんですよね。


吉田:聞けば聞くほど大変な世代だなと感じますね。


神庭さん:ハッキリ言って最悪の世代なんです。全国2000万人の氷河期世代からしたら、自分たちの給料も上げてくれよという気持ちになると思います。企業としては限られた人件費を効果的に配分したいので、「若手に手厚く」となるのは理解できますが、人事制度全体のバランスも考えないといけません。でないと、初任給は上がったのに給与カーブが緩やかで、入社後に全然給料が上がらない、「ダマされた!」みたいなことも起こり得ると思います。


ユージ:そういうことも考えないといけませんね。他に課題はありますか?


神庭さん:世代間格差に加えて、大企業と中小企業の格差も問題です。日本の企業の99%が中小企業で、7割が中小企業で働いていますが、大企業に比べ賃上げが進んでいません。東京商工リサーチによると、昨年の倒産件数は1万件超で11年ぶりに1万件を超えました。人手不足倒産も増えています。大企業のように初任給を上げられない中小企業は、人を集められず潰れていくしかないわけです。連合は今年の春闘で、中小企業に関して6%以上の賃上げ目標を掲げています。一昨年が3.23%、去年が4.45%ですから、かなり高い目標です。こうして強く訴えていくことで賃上げの恩恵を広く中小企業まで波及させていく必要があると思います。


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