25.01.22
『報われない』という声も…就職氷河期世代に、どんな対策が必要か?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
【『報われない』という声も…就職氷河期世代に、どんな対策が必要か?】
吉田:国民民主党の玉木代表は、今月6日に出演したテレビ番組で「年収103万円の壁」の引き上げを実現した後に訴える政策を問われ、「就職氷河期世代対策」を挙げました。また玉木氏、今月13日には、自身のXに「今、初任給の水準が上がっていることはいいことです。一方で、いわゆる就職氷河期世代の方々からは『報われない』と複雑な声が届いています」と投稿しています。塚越さん、まずは「就職氷河期世代」について、改めて教えてください。
塚越さん:よく聞く言葉だと思いますが、基本的には1990年代前半〜2000年代半ばにかけて、雇用環境が特に厳しい時期に就職活動をした世代(40代半ば~50代前半)の人を指します。もともと「就職氷河期」という言葉は、1992年にはじめて雑誌で登場して、1994年には流行語大賞でも特別造語賞を受賞した言葉です。就職の厳しさは時期によっても差がありますが、例えば直近の2024年の就職率は過去最高の98.1%です。それに比べて、氷河期の中で一番厳しかった2003年卒(今の40代半ばの方)は、なんと55.1%。とんでもない差ですよね!なかなか厳しいということで、氷河期世代の人は、他の世代と比べても望んだ就職ができなかったり、また不安定な非正規雇用の人も多く、支援を必要とする人も多いとのことです。また、この時期に大学や高校を卒業した人はおよそ1,700万人いて、「不本意に」非正規で働く人も50万人ほどと推計されています。
吉田:就職氷河期世代の方からは「報われない」という声があがっていますよね?
塚越さん:最近、新卒の初任給が高くなったという話よく聞きますよね?例えば、東京海上日動火災保険は、来年4月からの大卒初任給を、(転勤などに同意した場合)最大で41万円にすると決定しました。大手金融機関の初任給としては最高水準です。初任給30万円以上を打ち出すところが多くなりました。こうした状況になると、逆に氷河期世代の人にとっては、若者に手厚い代わりに「自分たちの給料は上がらない」と不満が多くなります。実際、Xなどでも「新卒に給料で負けちゃうよ」といった投稿を見かけます。
ユージ:就職氷河期世代に対して、政府は現状どのような対策を行っているのでしょうか?
塚越さん:国は2019年から「就職氷河期世代支援プログラム」をはじめました。今年の3月末まで行っています。氷河期世代に向けた就職・正社員化の実現、また多様な社会参加を目指した支援で、ハローワークはもちろんのこと、ひきこもり支援、自立相談支援なども民間団体と連携しながら行っています。
ユージ:国民民主党は、どのような対策を考えていますか?
塚越さん:先週木曜、玉木代表はBSフジの番組の中で、氷河期世代の人は、年金が低い=低年金者や、単身の低所得高齢者が問題となると指摘しています。この世代の人は、早い人であと10年も経つと65歳を超えて高齢者になるということですね。なので、基礎年金だけで暮らすのは難しくなるので、こうした層が増えることを踏まえた年金制度改革や社会保障改革が必要ですが、現状は改革ができていないと指摘されています。
ユージ:塚越さんは、どのような対策が必要だと思いますか?
塚越さん:対策は多岐に渡って制度改革も必要ですが、私はその前提となる心構えが重要だと思います。このBSフジの番組には、千葉商科大学准教授で働き方評論家の常見陽平さんも出演されていました。常見さんは、そこで「氷河期世代の人は自己責任の感覚を強く持ち、『自己責任グセ』がついてしまっていることで、逆に支援に頼るとか、そういうことへの心理的抵抗も結構ある。気持ちの部分もカバーしなければならない。」と言っています。なので、就職の問題というのは、政策や企業の課題や時期の問題なので構造的な問題ですよね。必ずしも個人の、氷河期世代の方々の問題ではありませんでした。就職率をみても今は98.1%で、厳しい時は55.8%と考えれば個人の問題じゃないんですよね。そこのケアが結構大事だと話されていました。玉木代表も「この世代の方はサボってきたわけじゃないです」と強く述べていて、この部分はネットでも共感されていました。私は、氷河期世代ではありませんが、少し上の50代の方々と一緒にすることがあって非常に頑張っています。管理職で板挟みの方も多いと思います。政策も大事ですが、心理的な部分も重要になっていきます。政府の対策としては、今やっている支援のプログラムとか1度点検して、どういうことをすれば氷河期世代の方々に響くのかというのも大事ですし、制度の部分としても転職した人や中途採用を積極的に行う企業への税制優遇をして雇用を増やすなど、そういった対応も必要になっていくのかなと思いました。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 22, 2025
#ユジコメ①
『就職氷河期世代』について
1990年代前半〜2000年代半ばにかけて、雇用環境が特に厳しい時期に就職活動をした世代の人を指します。2003年の就職率は 55.1%で特に厳しく、2024年に記録した98.1%と比べると、かなり厳しかったことが分かります。…
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 22, 2025
大卒初任給が高くなったというニュースがよく報じられていますが、氷河期世代の方にとって、若者に手厚い代わりに「自分たちの給料は上がらない」と不満が多くあります。国民民主党…
#ユジコメ③…
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 22, 2025