25.01.20
ロス山火事でアメリカの火災保険がピンチ、日本は大丈夫?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
「ロス山火事でアメリカの火災保険がピンチ、日本は大丈夫?」
吉田:アメリカ・ロサンゼルスの山火事は、死者25人、行方不明者30人以上、17万人以上に避難命令や勧告が出されるなど、被害が広がっています。火災保険の損失額も大きく膨らんでいて、保険制度への悪影響を懸念する声も出ています。この火災の原因については、分かっているのでしょうか?神庭さん、教えてください。
神庭さん:出火原因は調査中でまだハッキリしていません。送電塔のトラブルがあったとして地元住民が電力会社を提訴しています。一方で、新年を祝う花火の「残り火」が原因になったのではないかという報道もあります。高温や乾燥など、気候変動の影響で激しく燃え広がった可能性も指摘されています。
ユージ:これね…。僕もずっと心配でニュースの情報をチェックしているのですが、実際どれくらいの被害が出ているのでしょうか?
神庭さん:死者25人、行方不明者30人以上という人的被害に加えて、経済的な被害も甚大です。被害総額は日本円で43兆円という試算もあります。2005年のハリケーン「カトリーナ」を超えて、アメリカの自然災害で最悪となる可能性もあります。ロイターによれば、延焼面積は150平方キロを超えます。面積でいうと、フランスのパリよりも広く、ニューヨークのマンハッタンの3倍近いそうです。高級住宅地が焼け野原になったことも、経済的なダメージの大きさに拍車をかけています。アンソニー・ホプキンスやメル・ギブソン、パリス・ヒルトンらセレブも自宅が全焼する被害に遭っています。
吉田:甚大な被害ですね。アメリカの火災保険がピンチということですが、保険は支払われますか?
神庭さん:先ほどの43兆円というのは全体の被害総額で、保険損失としては7.8兆円ほどになるとみられています。今後、火災の広がり次第で、さらに膨らむ可能性もあります。被害に遭った人のなかには無保険の人も多数いるのではないかと報じられています。背景には、山火事などリスクの高いエリアで、保険会社が契約を拒否するケースが増えていることがあります。CNNによれば、保険会社は2020年から2022年にかけて、カリフォルニア州の住宅所有者の契約280万件の更新を拒否しました。その中には、火事が猛威を振るっているロスの53万件も含まれていました。何で、こういうことが起きているかというと、民間の保険会社が山火事のリスクを負いきれなくなってきています。2017年と2018年にあった山火事で、保険会社は10年分の利益が吹き飛んでしまったそうです。
吉田:ということは、契約を更新できなかった被災者は1円も貰えないということですか?
神庭さん:そういうわけでもありません。実は、カリフォルニア州がつくった「FAIRプラン」という最後の砦のような保険の仕組みがあって、民間保険で弾かれた人も加入することができます。ただ、民間保険よりも保険料が高く、保証範囲も狭いので、多くの場合、さらに高額な追加補償を購入する必要があるとCNNは報じています。保険でカバーされるから安心というわけではなく、保険料がどんどん上がってしまうと、結局最後はユーザーが負担をかぶることになるわけです。
ユージ:ちなみに今回の山火事は、海を越えたカルフォルニアの話ですが、日本への影響はありますか?
神庭さん:ブルームバーグが報じた、SMBC日興証券の村木正雄シニアアナリストのリポートによると、ロス山火事による日本の大手損保3社の損害は合計900億円を超えると試算されています。火災を受けて、日本政府は約3億円の支援を表明。日本企業も支援に動いていて、ソニーは約7億8,000万円の寄付を発表。ユニクロも約1億5,000万円の支援金と、衣料品を被災地に寄付するそうです。大谷翔平選手もInstagramに《LAでの火災にあたり私達のために戦い続けてくれている消防士の皆さんに心から感謝します》と投稿。およそ7,800万円、寄付することを明らかにしています。
ユージ:ちなみに、日本の火災保険事情はどうなっていますか?
神庭さん:気になるところですよね。ロスの火災は対岸の火事ではなく、相次ぐ自然災害で日本の火災保険の収支も悪化しています。損保大手4社は昨年10月、火災保険料を10%程度引き上げました。朝日新聞によると、2019年から4回目の引き上げで、この5年で4割ほども上昇しています。築30年の一戸建ての場合だと、年間保険料が、この間に約3万1,000円から4万7,000円まで5割も上がっているということです。インフレの影響も大きいです。保険会社は、再保険と言って、別の保険会社に保険料を払うことで、地震やテロなどの巨大なリスクに備えているのですが、この再保険料が世界的に上昇しています。世界にとってもそうですが、家計にとっても頭の痛い問題です。日経新聞の《火災保険料、負担増を抑える》という記事では、「5年契約の一括払いで保険料を抑えよう」、「水害リスクの低いエリアでマンションの10階以上に住んでいる場合などは、水災補償を外すのも選択肢」、「子どもの独立で家財が少なくなる際に、家財補償を見直す」といった節約術を紹介しています。日本は災害大国です。先日発生から30年を迎えた阪神大震災では783億円の地震保険が支払われました。東日本大震災ではケタ1つ違って1兆2,896億円。この機会に、火災保険・地震保険も含めて、改めて補償内容などしっかり見直して、災害時のリスクに備えていただきたいなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンDTREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 20, 2025
テーマは「ロス山火事でアメリカの火災保険がピンチ、日本は大丈夫? 」
アメリカのロサンゼルスで発生した山火事は広範囲にわたって被害が拡大し、死者や行方不明者も出ています。#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 20, 2025
僕が特に気になったのは火災保険についてです。
火災による被害額が大きく、保険会社が全額を賄えない可能性があるということです。
保険は万が一に備えるものなので賄えないとなった場合、今後の保険制度の見直しが必要になるかもしれません。#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 20, 2025
自然災害の多い日本でもこのような可能性は想定できるため、保険料が上がってしまったとしても保険会社がしっかりとカバーし、生活がしっかり守れるようにしてほしいと思いました。#ワンモ
#ユジコメ ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) January 20, 2025
また、今回の報道が家族で備えや対応方法を改めて話し合うきっかけになったのではないでしょうか。
山火事は遠い国での災害でしたが、決して他人事ではなく教訓として学び備えを進めていくべきだと感じました。#ワンモ