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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

25.01.13

Metaがファクトチェック廃止、日本はどうなる?
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番組コメンテーターと気になるニュースを読み解きます。

ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『Metaがファクトチェック廃止、日本はどうなる?』

吉田:先週、アメリカのIT大手『Meta』は、FacebookとInstagramで、第三者による投稿内容の『ファクトチェック制度』をアメリカで廃止すると発表しました。今後は、表現の自由度を高めた新たな仕組みに切り替えるということなんですが、この廃止、日本にはどのような影響がでてくるのか?神庭さんに解説してもらいます。


神庭さん:そもそも、『ファクトチェック』とは情報の真偽を検証することです。災害や選挙の際などに誤情報が拡散すると困るので“客観的にエビデンスをもって情報を検証しましょう”ということです。政治家の発言、SNSの投稿、メディアの発信など、あらゆるものが対象なんですが、Metaの場合は政治家の発言や有名人のゴシップなどはもともと対象外ということなんですね。それに、誤情報だけを対象にするわけではなくて、調査した結果「事実」と確認されることもあれば、「一部事実だがミスリーディング」と判定されることもあります。『国際ファクトチェックネットワーク』は、「党派性を持たず公平にチェックする」、「読者が自分でも確かめられるように情報源を可能な限り明示する」、「資金源を明示して透明性を保つ」といった原則を定めています。


ユージ:具体的にはどういうふうに進めるものなのでしょうか?


神庭さん:私が2017年の衆院選の際に、当時、総理大臣だった安倍さんが「国連の選挙監視団を拒否した」「投票用紙を改ざんして20万票の無効票をつくり出した」という情報のファクトチェックをしました。明らかに荒唐無稽な話なんですけど、その時点でFacebookでもTwitterでもかなりシェアされていました。これって「デマです」の4文字で済みそうなことですが、ファクトチェックとしてはそれではダメで、客観的に検証しないといけません。そこで、国連広報センターや投票箱・投票用紙のメーカーに取材して、明確な否定コメントを得たうえで「偽情報」と判定したんですね。


ユージ:なるほどね。ファクトチェックは大事なことだと思うんですけど、Metaが廃止する狙いはなんなんでしょうか?


神庭さん:Meta側はこんな風に説明しています。
「2016年に第三者によるファクトチェック・プログラムを導入した結果、正当な政治的言論までチェックされるようになった。押し付けがましいレッテル貼りが横行し、“検閲”の道具になってしまった」
「多くの無害なコンテンツが検閲され、誤って“フェイスブック刑務所”に収監されている」
そうした状況を変えて、表現の自由を取り戻すためにファクトチェックを廃止すると主張しているんですね。もちろん、表現の自由はとても大切なんですけれども、それだけが理由ではないとみられているんです。


吉田:他に理由があるということですか?


神庭さん:これはトランプ次期大統領への露骨なすり寄りなんですよね。2021年の議事堂襲撃事件を受けて、MetaはトランプさんのFacebookのアカウントを2年間凍結しました。ところが最近、大統領選に当選を決めるや否や態度を一変させて、マーク・ザッカーバーグCEOがトランプさんに約1億5000万円寄付するなど、“お近づき”になろうと躍起になっているということで。トランプさん側もMetaの誤情報対策を批判したり、ザッカーバーグを敵視してきたので、これ以上ニラまれたくないという判断だと思います。Metaだけでなく、AmazonやOpenAIも寄付を計画してますし、マクドナルドは多様性目標を廃止すると発表しました。Metaの動きは、こうした大企業のトランプシフトの1つと言えるのかなと思います。アメリカもだんだん、開発独裁の国に近づいてきているのかなというような感じがしますね。


ユージ:ファクトチェックが正しい情報もチェックされるようになってきちゃった…というのはわからなくもないんですけれども、ただこれを廃止しちゃうと、これからどうなるんでしょうか?


神庭さん:Xが実施しているような『コミュニティノート』に移行します。誤解を招く投稿に対して読者が注釈をつけられる機能なんですけど、専門家ではなく、一般ユーザーがコメントできるのが特徴です。アメリカではファクトチェックを廃止してコミュニノートへ移行することが決まっていますが、日本では現状、ファクトチェックを継続する方針だということです。


ユージ:Metaのファクトチェック廃止を神庭さんはどう受け止めましたか?


神庭さん:コミュニティノート自体は非常に優れた仕組みだと思いますし、Xでもある程度は機能していると思うので、どんどんやった方がいいと思います。ただ、ファクトチェックも並行してやればいいのに…とも思いますね。あと、朝日新聞と毎日新聞がMetaのファクトチェック廃止を1面で大々的に取り上げていたんですけど、それに関しては、「いや、どれだけMetaに期待してたの…?」と感じました。どういうことかというと、Metaは前澤友作さんや堀江貴文さんの詐欺広告を放置して、提訴されているような企業なんですよね。ある意味、「表現の自由」以前のことが全然できていないということで、最近は、若者のFacebook離れとか、高齢化が課題になっていて、言ってみれば、「まあ、そういう会社だよね」と僕は思っています。あと一方で、ファクトチェックが「検閲」「言葉狩り」のように受け止められているというのは、その時点で、ブランディングに失敗している気もするんですね。不偏不当を謳いながら、残念ながらリベラル系、左派系のメディアや団体の方がファクトチェックに積極的に見えると。これは保守層からしたら面白くないことなわけですよね。「あいつら俺たちの言論ばっかり取り締まっているんじゃないか!」というふうに見えちゃうと…。ファクトチェックは別に左派の専売特許じゃないですから、本来であれば、右から左まで様々なメディアや団体がファクトチェックに参加して、時にはお互いにチェックし合う方が健全ではないかというふうに思いますけどね。


ユージ:僕も並行してどちらもやったらいいじゃないと思いますし、逆に言うと、今までファクトチェックやっていたんだ…とちょっと引っかかりましたね。


神庭さん:やってて“アレ”だったんだ…っていう考え方もできますよね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。





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