24.12.23
政令市で全国初!神戸市の公立中で部活動終了、背景と影響は?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は、ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
「政令市で全国初!神戸市の公立中で部活動終了、背景と影響は?」
吉田:兵庫県神戸市は、再来年2026年の8月末をめどに部活動を終了し、地域のクラブ活動に移行すると発表しました。平日も含めた全面的な地域移行は、全国の政令市でも初めての試みということです。そこで今朝は、神戸市の取り組みの背景や影響について、神庭さんに解説してもらいます。
ユージ:そもそも、中学から部活動がなくなって大丈夫でしょうか?
神庭さん:これは大丈夫です。学校が丸抱えする形での「部活」という形態がなくなるだけで、子どもたちが一切スポーツや文化活動をできなくなるわけではありません。神戸市の場合、地域のクラブ活動「KOBE◆KATSU」が新たな受け皿となります。具体的には、スポーツ団体や文化芸術団体、大学、民間企業、NPOなどの団体が活動主体になる予定です。活動時間の上限は、平日が夕方4時から8時半までの2時間ほど。休日は18時までの日中の3時間ほどになります。学校の体育館やグラウンドに加えて、地域の施設なども活用するということです。
吉田:KOBE◆KATSUに移行するとはいえ、部活がなくなるってすごいことだと思いますが、神戸市がこれに踏み切った理由は、何かありますか?
神庭さん:子どもたちのためという部分が強調されているのですが、教員のブラックな働き方にメスを入れるというのが1番大きいと思います。部活動は、長時間労働の温床になっており、しかも教員は残業代もつかないので全てサービス残業です。全日本教職員連盟のアンケートによれば、部活動が原因で退職を検討したことのある教員が23.8%もいたということです。部活終了で、こうしたブラックな環境を改善することが期待されています。
ユージ:他には、どういった目的がありますか?
神庭さん:子どもたちの選択肢の確保があります。少子化によって、神戸市内の公立中学校では休部や廃部が相次ぎ、人数が足りず単独で大会に出られないようなケースも増えています。野球部やサッカー部すらない学校、運動部と文化部が1種類ずつしかないような学校もあるそうです。一方で、生徒や保護者のニーズも多様化しています。アンケート調査では「やってみたい活動」としてダンスやドッジボール、釣り、料理、Eスポーツ、プログラミングなどが並びましたが、いずれも今の神戸市の公立中では対応できていないということです。KOBE◆KATSUであれば、学区を超えて自分に合った活動に取り組めるようになるということです。学校の部活動では、およそ半数の教員が自分が経験したことのない競技を素人だけど、種目の顧問をしている部分があります。生徒が指導を受けるのがなかなか難しかったですが、KOBE◆KATSUでは、より専門的な指導が受けられるようになります。
ユージ:先生も大変でしたよね。学校の先生は、KOBE◆KATSUには一切関わらないということですか?
神庭さん:神戸市教育委員会のQ&Aによると、部活の顧問としての関わりはなくなるものの、指導を希望する教員については兼職兼業の許可を与えたうえでKOBE◆KATSUに参加できるよう、制度を整える予定だということです。部活動に熱意のある先生であれば、そういう形で関わることもできるかもしれません。
吉田:神戸市の部活終了、他の地域にも広がっていきそうですか?
神庭さん:間違いなく広がっていくと思います。部活動の地域移行は全国的な課題です。文科省・スポーツ庁・文化庁が休日の部活動の地域移行を推進していて、2023年度から2025年度までの3年間が改革推進期間にあたります。神戸市の場合は、休日だけでなく平日も含めた全面移行というのが特徴です。休日はともかく、平日は教員の本来の勤務時間の中で部活の指導をできるんじゃないの?と疑問を持つ人もいるかもしれません。ただ、平日と休日で運営主体が変わると、責任が不明瞭になりやすく、そこに不安を感じる保護者や教員も多いです。神戸市という先行事例が出てきたことで、今後は一歩踏み込んで神戸市スタイルを目指す自治体も増えてくるのではないかと思います。
ユージ:部活動の地域移行、神庭さんはどう考えますか?
神庭さん:素晴らしい取り組みだと思います。先生方の負担感がだいぶ軽減されます。全国的に教員のなり手が減って、採用試験の倍率も下がってきています。それだと優秀な人材が確保できないですから、政令市の中でいち早く部活動の地域移行を打ち出したことで、今後ホワイトな神戸市で働きたいと考える教員の卵の方も増えると思います。もちろん、課題もあります。1番はお金の問題。これまで生徒側は実費として部費だけを払っていたわけですが、地域移行後は月ごとの会費を払う必要が出てきます。神戸市の場合は、中学校の施設を活用することでコストを抑えて、できる限り会費を安くするように各団体に働きかけていくということですが、インフレもあるし、今よりは高くなるかもしれません。家庭の収入格差によって子どもが習い事や課外活動をできなくなる「体験格差」が問題化しています。貧困家庭でも地域でのクラブ活動ができるように、諦めなくてすむように適切な支援をして欲しいなと思います。事故やパワハラ、セクハラを防ぐため運営団体をしっかり審査して、研修・講習をやっていくことも重要だなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンDTREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 23, 2024
テーマは「政令市で全国初!神戸市の公立中で部活動終了、背景と影響は?」
これは再来年2026年の8月末を目処に学校としての部活動を終了し、
その代わりに地域のクラブ活動に移行するというものです。#ワンモ
#ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 23, 2024
自分の学校の限られた部活から選ぶのではなく、
それぞれがやりたいクラブに入ることができ、
子供達は専門家や詳しい人に教えてもらうことができます。#ワンモ
#ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 23, 2024
また、これまでは学校の先生が顧問をしていて部活動のために勉強をしたり、
サービス残業のような形で土日も部活動に参加する必要があることで先生の負担も大きかったので、先生たちにとってもいいことなのではないでしょうか。#ワンモ
#ユジコメ ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) December 23, 2024
個人的にお金の面で心配な点もあります。
習い事のようになって会費が割高になった場合、
収入などによって体験できるものに格差が生まれるおそれがあります。
そのため行政が中学の間だけでも金銭的な支援をすることで、子供達がいろいろな体験ができるようになるといいと思いました。…