24.11.21
投票にも影響、変化する選挙とSNSの関係

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
引き続きコメンテーターは、情報社会学がご専門の城西大学 助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「投票にも影響、変化する選挙とSNSの関係」
吉田:失職した斎藤元彦前知事を信任するかどうかが問われた兵庫県知事選が週末に行われ、斎藤氏が2位の候補に13万票以上の差をつけて再選しました。今回の知事選では、SNSを活用したことで選挙の流れに大きな変化をもたらし、選挙期間中の支持の拡大に繋がったと言われています。選挙とSNSの関係は今、どう変化しているのでしょうか?塚越さんと探っていきたいと思います。
ユージ:塚越さん、まずは改めて今回の兵庫県知事選挙について教えてください。
塚越さん:皆さんご存知の通り、パワハラの疑い等で内部告発が行われ、今年9月に斎藤さんは県議会86人全員から不信任を議決されて失職。今回は出直し選挙だったわけですが、斎藤さんの獲得票数はおよそ111万票で、2位の前尼崎市長の稲村和美氏に13万票以上の差をつけました。投票率も55.65%と、3年前の知事選に比べて14.55ポイント増えました。
吉田:そして今回、選挙の結果に影響を与えたと注目されたのがSNSの活用でしたね?
塚越さん:そうですね。9月の不信任案には、2021年の選挙の時に斎藤さんを応援した自民党も日本維新の会も賛成しているので、斎藤さんへ政党からの支援はなく、孤立無援で頑張っていました。斎藤さんはYouTubeやXでの発信を行い、SNSの影響で街頭演説に集まってくれる人が増えたということで、Xのフォロワー数も失職直前の9月28日にはおよそ7万5000でしたが、今月18日時点でおよそ21万9000と3倍近くに増えて今は25万を超えています。
ユージ:2ヶ月弱で、フォロワー14万人ほど増えるのは凄い数字だと思いますね。
吉田:では、斎藤氏の陣営はSNSをどのように使ったのでしょうか?
塚越さん:斎藤さんは失職直後から兵庫県内の駅に立っていましたが、告示日には中高の同級生たちが集まり、その中にSNS係がいて、演説動画を編集して発信していました。そのうち様々な情報が飛び交い、斎藤さんは議会や政党、つまり既得権益と戦う人なんだ、といったイメージが飛び交ってボランティアをする人が出てきました。特に重要だったのは、NHK党の立花孝志さんです。立花さん自身も出馬したのですが「自分には投票しないで欲しい」と呼びかけ、斎藤さんを応援するためだということで、擁護する内容を演説をしました。こうした立花さんの発言もSNSで拡散されました。斎藤さんは立花さんの応援に関して直接的に関係はなかったということですが、立花さんの応援の影響もあったと認めています。特に選挙期間中は、テレビやラジオといったメディアは放送法の影響もあり、特定候補者への報道が難しくなる中でSNSが勝ったということになります。
ユージ:選挙に出ている候補者や政党、全て同じように報道しないと不公平になっちゃいますよね?
塚越さん:そうですね。特定の報道が難しい中でSNSはいろんなことがあります。特に斎藤さんは、メディアが攻撃するような悪者ではない、という内容が多く拡散されました。推測を含め、真偽不明なものも多い。そういうと、既存メディアこそ確定されていないパワハラ疑惑を云々という意見も出てきて「何が起きているんだ」と思っている人もいるでしょう。まさに情報が錯綜しているわけですが、私は一点思うのは、やはり亡くなった方が公益通報、告発をメディアに対して行った際に、公益通報者保護法で守られるべき告発者を当初から「嘘八百」と呼んだのは問題だと思います。一方で、数ヶ月前のメディアでは「おねだり」などを苛烈なまでに報道していて、斎藤さんの政策や制度などはあまり扱われなかったのは事実です。こういった報道姿勢への疑問だったり、政策に関する情報をいろんな人がSNSで発信したのも斉藤陣営には強みとなりました。実際SNSの影響は強く、NHKの出口調査では投票するのに参考にしたのは「SNSや動画サイト」が30%で、これはテレビや新聞の24%よりも多いです。また読売新聞の調査では、最も参考にしたのが「SNSや動画サイト」と答えた人の9割弱が斎藤さんに投票したとのことです。つまり、ラジオを含め既存メディアよりもネットが活躍した選挙になったという所は間違いないと思いますね。
ユージ:7月の都知事選の時もそうでしたが、SNSや動画サイトが選挙に与える影響は相当大きくなっていますね。
吉田:塚越さんは、選挙とSNSの関係はこれからどうなっていくと予想されていますか?
塚越さん:そうですね。既存のラジオとかも含めてマスコミとか県庁とかの既得権益だと思われる不満が多くの人にあったのは事実です。そこを立花さんとかがうまく救っていったという所もあると思います。そうするとやっぱりテレビとかメディアは人々のそういった気持ちを受けた上で、特に既存のマスコミとか私達はファクトごとにきっちり、過熱し過ぎずに事実ベースでファクトを積み重ねていくとか、そういった所も重要で、そうやって信頼を獲得するってことも大事だと思います。かといってテレビとかネットだけではなく、様々な所からバランスよく見ていくってこともやっぱり必要なのかなって多くの人が思ったと思いますし、私も強く思いました。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 21, 2024
『投票にも影響、変化する選挙とSNSの関係』
兵庫県知事選挙で、失職した斎藤元彦前知事が再選したことが話題になりました。
当選した理由として、選挙期間中にSNSを活用したことが支持の拡大に繋がったとも言われています。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 21, 2024
確かにSNSの力もあったと思いますが、もちろんそれだけでなく、元から斎藤知事を信頼していた方や政策を評価していた方からの支持も多かったことは間違いないでしょう。
ただ、過去の選挙にも例があったように、SNSは時に大きな力を生み出す武器と言えるのではないでしょうか。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 21, 2024
しかし、政党や候補者を公平に取り扱う等の法整備がされているテレビ、ラジオ、新聞などの既存メディアと比べ、真偽不明な情報が飛び交うSNSはほぼ無法地帯と言えるかもしれません。
SNSも既存メディアに並ぶ媒体の一つとして、同様に法整備が進んでいけば良いと思いました。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) November 21, 2024
大事なのは、多くの媒体がある中でいかにメディアリテラシーを身に付けていくかということです。
一つの媒体から情報を得るのではなく、SNSも含めた様々な媒体から情報をバランス良く得る力を身につけることが今後重要になってくると思いました。#ワンモ