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24.11.04

“手取り増”、実現の可能性は?
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番組コメンテーターと気になるニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。


【“手取り増”、実現の可能性は?】

手島:今、国会で注目を集めているのが、国民民主党が選挙の時に掲げていた手取り増のための政策です。先週末には、自民党・公明党と野党第3党の国民民主党は、国民が掲げる所得税の「年収103万円の壁」の引き上げも含め、政策ごとに協議する方針で一致しました。神庭さん、改めて、国民民主党の政策について具体的に教えてください。


神庭さん:国民民主は衆院選でこんな政策を掲げていました。
・実質賃金が持続的にプラスになるまで消費税を5%に減税する
・所得税の基礎控除を103万円から178万円に拡大し、「103万円の壁」を引き上げる
・ガソリン税のトリガー条項の凍結を解除し、ガソリン価格を下げる
・現役世代の社会保険料負担を軽減する
他にも、年少扶養控除の復活とか、教育無償化などいろいろ掲げていましたが、主だったところではこんな感じです。今まで日本で大型の減税って実現したことがほとんどありませんから、どれか一個でも実現できたら記念碑を建てて顕彰していいレベルではないかなと思います。


ユージ:ということは、実現の可能性はかなり低い…と思ってしまうのですが。


神庭さん:全部やったら相当な減税効果なので、財政は大丈夫なの?という懸念も当然出てくるとは思います。国民民主としても、全部いっぺんに実現できるとは思っていないはずです。玉木雄一郎代表は財務省出身なので、何をどこまで要求するかのバランスは心得ていると思います。実際は、「103万円の壁」の引き上げとガソリン税のトリガー条項の凍結解除に絞って、1点突破か2点突破くらいを狙っていくのではないでしょうか。
自公の過半数割れを突いてキャスティングボートを握り、予算や重要法案を人質に取りながら、この2つ、特に103万円の壁の方を与党に丸呑みさせることができれば御の字なのかなと思います。


ユージ:103万円の壁の見直し、具体的にどういうことなのでしょうか?


神庭さん:所得税は、所得全体にまるっとかかるわけではなく、「所得控除」といって、一定額を差し引いたうえで課税します。控除によって税金がかかる「分母」の金額を小さくできるわけです。このうち基礎控除が48万円、給与所得控除が55万円で合計103万円になります。つまり年収103万円までなら所得税が発生しませんが、この壁を超えると所得税がかかり始めるので、主婦やパート労働者の働き控えにつながっているのではないか?という議論があります。国民民主党はこの103万円の壁を178万円に引き上げると主張しているんですね。


手島:なぜ178万円なのでしょうか?


神庭さん:控除には、生活保障的な意味合いがあります。生活のために最低限必要な金額にまで課税してしまうと税負担が大きくなりすぎてやっていけません。103万円の壁ができたのは1995年ですが、物価や賃金は上昇し、最低賃金は当時の1.73倍になっています。103万円に1.73をかけると178万円。そこで控除を178万円まで拡大することを求めているんです。
ただし、ややミスリードな面もあって、103万円の壁は実は大した壁じゃないという説もあります。仮に1万円超えたとしても税金の額は数百円しか増えないんですね。それよりは、パートナーの扶養から外れて社会保険料を自己負担する必要がある130万円の壁(従業員数によっては106万円の壁)の方がずっと影響が大きいんですね。103万円の壁と違ってこちらはガクッと収入が落ちてしまうんです。


ユージ:ということは、「103万円」の効果は薄いということでしょうか?


神庭さん:そうとも言い切れません。確かに「103万円の壁」は壁ボスの中では最弱の部類ですが、実際にはなんとなく「103万円は超えちゃマズイ」という都市伝説というか共同幻想があるわけです。「178万円まで引き上げる」とぶち上げることで、共同幻想が解除されるという効果はあると思います。もっと言うと、控除の引き上げはパートで働く主婦や学生に限らず、すべての働き手の手取りを増やす効果があるんですね。
玉木さんのブログによると、給与所得が200万円の人なら年間8.6万円、300万円なら11.3万円、500万円なら13.2万円、600万円なら15.2万円、800万円、1000万円なら22.8万円の減税効果があるということです。


手島:課題はあるんでしょうか?


神庭さん:政府は早速「そんなことをしたら7.6兆円も税収が減るぞ!」と試算を出して脅しをかけています。他の野党からは「高所得者ほど減税額が大きくて不公平だ」という声も出ています。ただ、そもそも賃金の上昇幅以上に多くの税金を取られていたのが大問題であって、ある種、盗まれていたものを取り返すという話なんです。税収は4年連続で過去最高を更新して上振れていますし、財源に関しては、10万円のお金配りだとか高齢者の医療費9割引をやめれば、すぐ捻出できますよね。減税による消費の活性化も期待できるのではないかなと思います。高所得者ばかり得でズルいというのもミスリードで、年収に対する「率」で見れば低所得者の方が恩恵は大きいです。ほぼ全国民が得をする制度であり、与野党が協力してスピーディーに実現していただきたいと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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