24.08.29
ふるさと納税のポイント禁止で自治体や利用者にどんな変化が

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
【ふるさと納税のポイント禁止で自治体や利用者にどんな変化が】
吉田:総務省は、ふるさと納税制度による寄付総額が、2023年度に初めて1兆円を超えたと発表しました。仲介サイトによる特典ポイントも寄付を後押しする形となっていますが、総務省がふるさと納税におけるポイント付与の禁止を発表したことも大きな話題になっています。
ユージ:塚越さん、ふるさと納税の寄付総額1兆円を超えましたね。
塚越さん:ふるさと納税制度による2023年度の寄付額は、前の年と比べて2割増えて、およそ1兆1,175億円です。4年連続で過去最高を更新しています。1兆円を超えたのは初めてです。また、2023年度にふるさと納税の控除を受けた人は、前の年から107万人ほど増えます。1千万人となり、これも11年連続で過去最多を更新しています。ちなみにもっとも寄付を集めたのは、宮崎県の都の193億円で2年連続トップです。その他、上位20の自治体は大体前年度と同じです。全体の2割にあたる2千200億円あまりを集めています。総務省が指定した、ふるさと納税を行う自治体は、去年9月の時点で1,785あります。その中の20の自治体が全体の2割を占めているので、かなり寄付が偏っているなという感じです。
ユージ:人気が集まっているという感じですね、一部の自治体に寄付が偏ってしまうのは、正直、問題でもありますね。
塚越さん:そうなんですよね。特に都市部では税収の流出が問題となっています。東京都は特に流出が増えて、2024年度の減収額は、全体で1,899億円となっています。制度開始以降、累積の減収額は9,452億円となっており1兆円も目前です。例えば東京都の練馬区は2024年度、およそ50億円の税金が流出するのですが、これは「学校1校を建て替える費用」ということです。
ユージ:本来、そこに抑えられるはずの税が外の県に行っているということですね。
塚越さん:地方交付税を受け取る資格のある「地方公共団体」の場合は、流出額の75%を国が補填するのですが、東京23区などの「不交付団体」の場合はこの補填が受けられません。こうした事情もあるので、東京23区の特別区長会は7月に、制度の廃止を含めた抜本的な見直しを求める要望書を総務省に提出しています。
吉田:そんな中、総務省は来年2025年10月から仲介サイトによる特典ポイントの寄付を禁止するとしています。狙いは、何でしょうか?
塚越さん:色々仲介サイトを利用する方も多いと思いますが、そのサイトがそれぞれ寄付に応じて独自のポイントを付与しているのですが、その競争が激しくなっています。一方、ふるさと納税の本来の目的は、納税者が寄付先を選ぶことで、税の使われ方を考えるきっかけとすることや生まれ故郷やお世話になった自治体、応援したい地域への貢献だったり、あるいは自治体も国民にアピールして競争することで、地域のあり方を改めて考えてもらうというのが目的でした。ただ現状は、返礼品やポイント目当ての寄付といった制度本来の目的から離れているということです。これを是正していく目的で、まずは仲介サイトのポイント付与を2025年10月から禁止することになりました。
吉田:ポイント付与が禁止される、仲介サイトの反応はいかがでしょうか??
塚越さん:会社ごとに色々な反応がありますが、楽天グループは「各地域の努力を無力化する」と反発し、ポイントの原資は手数料ではなく楽天が自分達で負担していると説明しています。ポイント禁止に反対するネット署名も集めて、今月上旬には185万件を超える署名が集まったとのことです。一方「さとふる」は、この制度が安定的に運用され、健全な発展につながるとして賛成しています。また、大手サイトの中で唯一ポイントを扱っていない「ふるさとチョイス」は、ポイント目当てで自治体の名前も覚えてもらえないという問題意識があったということで、ポイント制度を行ったのですが、半年ほどでやめたということです。
ユージ:自主的にやめたということですね。
吉田:ポイントの禁止、寄付をする利用者や自治体への影響はどうでしょうか?
塚越さん:自治体は仲介サイトに支払う手数料が減る可能性が指摘されており、絶対とはいえませんが、手数料が減る場合は自治体に残る寄付額が増えます。寄付する私たちにとってはあくまで付加価値というものです。そういうことに関係なく本来の観点から見ていこうと思いますね。
ユージ:塚越さん、どうですか?ふるさと納税のポイント禁止についてどう思いますか?
塚越さん:競争過熱しているので、一回禁止してもう1回ゆっくり見ましょうよということを考えた方がいいと思います。
ユージ:本来の目的からズレていますよね。
塚越さん:そうですね。例えば、能登半島地震で石川県では寄付額が増えています。返礼品を求めないものも増えていて、こういうのは素晴らしいと思います。もう1回、制度をまだまだ時間をかけてゆっくり考えていくことも必要かなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 29, 2024
『#ふるさと納税 のポイント禁止で自治体や利用者にどんな変化が?』
ふるさと納税の当初の目的は、応援したい自治体への寄附や、返礼品によって自治体の魅力をアピールすることができるというもので、画期的な制度だと思っていました。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 29, 2024
ところが、住んでいる自治体に本来納めるべき税金が、他の自治体に流出していることが問題となっています。
加えて、自治体ごとの格差や税収減で困っている自治体が出現し、すべての自治体にメリットがあるわけではないということが明らかになりました。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 29, 2024
今回フォーカスしたポイントに関しても、仲介サイトが寄付に応じて独自にポイントを付与することで利用者がポイント目当てとなってしまい、制度本来の目的から離れている状況となっているそうです。
根本の制度の在り方と異なっているのであれば、ポイント禁止もやむなしだと感じました。…
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 29, 2024
今年の能登半島地震で被害を受けた石川県への、返礼品を希望しない純粋な「応援寄付」も多かったそうですので、やはり制度本来の目的に立ち返って、そういった純粋な考えで寄付するのがいちばん良い形だと思いました。#ワンモ