24.08.27
令和の米騒動。品薄状態が解消されるのはいつなのか?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。
「令和の米騒動。品薄状態が解消されるのはいつなのか?」
吉田:「令和の米騒動」について、先週、武村展英農林水産副大臣は、「米の品薄状態は、今後、順次回復していく」との見通しを示しました。また、消費者に対して、「必要な量だけお買い求めいただくなど、落ち着いた購買行動をお願いしたい」と呼びかけました。神庭さん、SNSなどでも「お米が売ってない」と訴える声が出ているようですね。
神庭さん:そうですね。スーパーの売り場に米がないとか、「1家族1点まで」と注意書きがついているといったケースが報告されています。ただ、パニックになる必要は全然ありません。農林水産省も言っている通り、米不足は秋以降、順次解消するとみられているので、落ち着いて、決して慌てないでいただきたいなと思います。
吉田:今回の品薄の原因は何でしょうか?
神庭さん:いくつかの複合的な要因が絡み合っています。1つ目は天候、昨年の猛暑の影響です。2023年、米の作柄の良し悪しを示す作況指数は101と全国的には平年並みだったのですが、新潟で95、秋田で97などの米どころでは「やや不良」となりました。朝日新聞によると、品質の高い1等米ほど、玄米から精米した際に白米として残る割合が高くなるのですが、昨年はその割合が過去最低になりました。猛暑や渇水で新潟・秋田などの米どころで1等米が減少した結果、白米として残る歩留まりが悪化してしまったということです。
ユージ:では、2つ目の原因は何ですか?
神庭さん:供給が落ち込んでいるところに、需要が増えたことです。1つはインバウンド客による米消費の増加。やはり日本に来たら日本食を食べたい。おにぎりブームなどもあり、外食産業での需要が高まっていることがあります。ただ、インバウンド客による米消費の押し上げは3.1万トン程度と推計されています。米の年間消費量が約700万トンであることを考えると、外国人による「米の爆食い」の影響は限定的と言えるかなと思っています。日本人の間でも、パンや麺類などがインフレで値上がりする一方で、比較的安くてお得感のある米の需要が高まったという背景がありそうです。
ユージ:なるほど。供給が減って、需要が増えたら品薄になりますよね。
神庭さん:その通りですね。6月末の米の民間在庫量は156万トン。1999年以降、最低の水準で前年の同時期から約2割、41万トンも落ち込んでいます。ただ、ここまで説明してきた2つの要因よりも大きな影響があったと見られているのが、3つ目の原因です。
吉田:やはり地震ですか?
神庭さん:そうですね。今月8日に「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたことを受け、一部の消費者が買いだめに走りました。日頃から備蓄をしておくことはもちろん重要ですが、メディアやSNSの断片情報を目にして、焦って買いに行ってしまった人も少なくなかったとみられています。コロナ禍で、マスクはともかくトイレットペーパーまでなぜか品切れになるという謎の現象が起きましたが、非常事態になると「あれがなくなるかもしれない」という連想ゲームが始まるのはよくあることです。「自分はすぐに必要ありませんし、賢いから分かっていますが、パニックになった多くの人が殺到するかもしれない、とみんなが考えることで、防衛的に買いだめに動いてしまいます。結果、「予言の自己成就」といって、不安が現実のものになってしまう。なので、先ほどから繰り返しパニックにならないで欲しいとお伝えしています。
ユージ:「今後、1週間は注意」のようなことを言われたことがありませんでしたので、やはりみなさんの心情的にはああいうふうになってしまうの分かります。確かにここは冷静になるべきです。
神庭さん:8月はもともと端境期で、米の在庫が少なくなる季節です。そこに運悪く、臨時情報がぶつかったと。地震だけでなく、台風に備える動きもあったでしょうし、加えて米を配送する業者がお盆休みに入り、商品の搬入や補充が停滞し、品薄になったとみられています。
吉田:それでは、今の米不足はいつ頃、解消されそうでしょうか?
神庭さん:すでに早期米は出回り始めていますが、9月から新米の出荷が本格化するので、品薄状態は徐々に解消されていくとみられています。実際に店頭にお米が並んでいる様子を見れば、パニックになっていた人も落ち着くと思います。品薄によって米の価格も高騰しています。値上がりに関しては、もう少し長く尾を引くかもしれません。
ユージ:今回の「令和の米騒動」を受けて、どんな対策が必要だと思いますか?
神庭さん:気候変動の影響なのか、ここのところ毎年のように酷暑になっています。なので、暑くてもしっかり育つ、玄米から白米に精米した際の歩留まりが落ちないような品種を増やさないといけません。少し生産量が落ちただけで、途端に米不足に陥ってしまうようでは、食料安全保障の面からも心配ですよね。政府は2018年に減反政策を廃止しましたが、米以外に転作した農家に補助金を出すなど、いまだに米の生産調整を続けています。こうした硬直的な農政が、今回のような事態を生んでいるのではないかと思います。ダイヤモンド・オンラインによると、「マイコス米」という米を使って、田んぼに水を張らず稲を育てる方法が広がり始めています。このやり方だとコストを抑えながら、生産量を大幅に増やせます。テクノロジーの力をうまく取り入れながら、米の安定供給を図る。守りではなく攻めの農業で、海外への輸出も視野に入れて頑張っていけるといいと思います。
ユージ:実際に、お米に関しては我が家でも買えなくて妻の両親がお米を届けてくれました。確かに、米不足がまだ続きそうですがすぐに安定するよ。というお話しですね。ありがとうございます。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 27, 2024
今朝は「米の品薄状態」について、原因や解消時期などを取り上げました。「令和の米騒動」と呼ばれることもある、この問題。僕自身も店舗で購入できないことから、親族がストックしていた分を譲ってもらうなど、自分事としても大きな問題です。 #ワンモ
#ユジコメ ②…
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 27, 2024
#ユジコメ ③…
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) August 27, 2024