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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.08.22

PayPay"デジタル給与払い"年内開始へ
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


「PayPay"デジタル給与払い"年内開始へ」

吉田:QRコード決済大手「PayPay」は9日、厚生労働省から給与をデジタルマネーで払う事業者の指定を受けたと発表しました。2024年内に希望するユーザーを対象に給与受け取りのサービス提供を始める予定です。


ユージ:塚越さん、まずは改めて「デジタル給与払い」について教えてください。デジタル給与とはその名の通り、給与の一部を「デジタルマネー(電子マネー)」で支払う制度のことで、去年の4月に解禁になりました。PayPayやauペイなど4社が厚生労働省に申請していて、1年4ヶ月経って、今回PayPayが初めて指定を受けたということです。現在もau PAYや楽天ペイが申請していますし、d払いやメルペイも申請に向けた準備をはじめているので、今後はPayPay以外のデジタル給与払いもできることになると思われます。


吉田:PayPayでのデジタル給与払いは、どのように行われるのでしょうか?


塚越さん:まずPayPayユーザーは会社に対して、PayPayで給与を受け取るための入金用専用口座を伝えます。そして会社が給与を口座に振り込むと、PayPay残高として「PayPayマネーアカウント」にチャージされるというものです。ただ、これには勤務している会社が給与のデジタル払いに対応するために必要な労使協定を締結していることが条件です。またその上で、会社に「PayPayマネーで受け取りたい」といった申請も必要です。さらに、PayPayマネーの給与で保有できる残高は20万円が上限で、さらに細かく色々とあるのですが、基本的に越えた分は設定した銀行口座に振り込まれます。


ユージ:給与を受け取る労働者、振り込む会社側のメリットは何でしょうか?


塚越さん:個人としては、PayPayへのチャージの手間が省けるほか、フリーランスや副業への対応として週払いや仕事ごとの支払い対応ができる可能性もあります。またデジタル給与は、最低でも月に1回は無料で、銀行口座に1円単位でお金を移動できるという決まりもあるので、銀行口座への変更も可能になります。企業のメリットとしては、振込手数料が銀行より安いこと。また、導入する企業がPayPay銀行から給料を振り込めば振込手数料を無料とすると、PayPayがきのう発表しています。従来の銀行口座への給与振り込みと併せ、デジタル給与の導入で二重で手数料がかかることへの対策です。今後銀行と決済アプリの間で競争が進むと、より手数料が下がる可能性もあります。


吉田:では、気をつけなくてはいけないことは何でしょうか?


塚越さん:ここまで聞いていて、使うにしても何か「手続きが多くて面倒だな」と思いませんでしたか?今後は簡単になっていくかもしれませんが、現状では結構手続きが面倒ですし、会社がそれをできるようにしていかなければいけません。さらにいうと、大手のPayPayでも今回の指定まで1年以上かかっていますし、国の審査のハードルは銀行並に高いといった点が挙げられます。要するに事業者にとってもハードルが高いので、その上でどこまで便利にできるか分からないこと。さらに、やはりデジタルマネーは犯罪者の標的にされやすいので、今後何かしらの方法でデジタル給与がだまし取られる可能性も否定できません。新しいものだからこそのデメリットかなと言えますね。さらにいえば、導入企業にとって、結局は現金とデジタル払いに分けての入金なので、手数料無料という話もありましたが、結局手間もコストもかかります。ただこの点は、決済業者が給与計算から支払いまでのシステムを提供する見込みもあるとのことなので、ある程度便利になる可能性もあります。


ユージ:”デジタル給与払い”で、キャッシュレス化は、進んでいくと思いますか?


塚越さん:色々と説明してきましたが、実際のところどこまで進むかは未知数というのが正直なところです。ただ経産省によれば、キャッシュレス決済の比率は去年で39%となっており、政府は2025年までに40%を目指すといっていますのでその目標は達成できそうです。海外は数年前の段階でキャッシュレス比率が5割を超えていることが沢山あります。そういう意味では相対的に遅れているかなと思います。現金というのは色々とコストがかかります。現金輸送やレジ閉めなど、そういったことで野村総合研究所の試算では、現金の取り扱いで生じるコストは、年1兆6,000億円です。新札も作ったということで、これが減るとその分他の仕事もできますし人手不足の解消に繋がります。受け取るお金もキャッシュレスで払いたいというのは進んでいくかなと思います。あんまり一気に進んでいくということになると使い慣れていない人にとっては結構なかなかハードルが高い面もあります。デジタル格差というのが広がりすぎていくのも問題になっています。逆にキャッシュレスの方が煩雑な面もあります。その辺りは、ゆっくりまず考えていく。できるところから少しずつやっていこうというふうにとらえていただけたらなと思います。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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