network
リポビタンD TREND NET

今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

24.08.20

企業のAI活用は2割未満、AIの課題
nullドイツ生まれの翻訳AI「Deep L」(ディープエル)もGoogle翻訳以上に精度が高く、重宝しています。

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。


今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。


「企業のAI活用は2割未満、AIの課題」

吉田:文章の作成や要約などができる生成AIを業務で活用している国内企業は、2割未満にとどまることが帝国データバンクの調査で分かりました。神庭さん、2割未満というのは、低いのかなと思うのですがいかがでしょうか。


神庭さん:まだ足踏みしている企業も多いようです。帝国データバンクが6~7月に実施した調査によれば、AIを「活用している」企業は17.3%。「活用していないが検討中」も26.8%ある一方で、「活用しておらず予定もない」企業が48.4%と半数近くを占めました。また、何がネックになっているのか?というところですが、AI活用に関する懸念点を聞いたところ「AI運用の人材・ノウハウ不足」(54.1%)「情報の正確性」(41.1%)「生成AIを活用すべき業務が不明確」(39.1%)といった課題が浮かび上がりました。


ユージ:導入すべきかどうか、まだ悩んでいる感じですか?


神庭さん:だと思います。「何かしなきゃいけない気がするけど、何をすればいいのか分からない」という企業側の焦りが見え隠れする調査結果です。


ユージ:AIの活用の仕方が少し分からないという感じですね。


神庭さん:AIはあくまで道具です。具体的に改善したい業務内容があって、そこに活用できないのかを考えるのが本来の順番です。「何でもいいからとにかくAIを使えないか」だと本末転倒だと思います。帝国データバンクの調査では、AI導入に積極的な経営層とさほどでもない一般社員の意識のギャップも浮き彫りになりました。上司に「流行りのAIで何かやれ!」と言われて、右往左往している現場社員の方もいるかもしれませんね。


吉田:AIの導入に積極的なのは、どういった業種でしょうか?


神庭さん:この調査によれば、トップは「サービス・その他」(28.0%)、次いで『小売』(20.4%)という結果です。一方、「運輸・通信」(10.4%)「建設・不動産」(9.4%)ということであまり活用が進んでいません。裏返して言えば、肉体労働やブルーカラーの仕事の方がAIに置き換わりづらい、より人間に優位性があるという言い方もあります。


ユージ:ちなみに神庭さんはどうでしょう。ところで、神庭さんはお仕事でAI使ってますか?


神庭さん:そうですね。誤字脱字や文章表現の誤りなどを指摘してくれる校正AIはかなり便利で、頻繁に使っています。あとは、ドイツ生まれの翻訳AI「Deep L」(ディープエル)もあります。


ユージ:俺も使っています、知っています!有名ですよね!吉田さん、知ってる?


吉田:知っています。私がユージさんに伝えた気がします。(笑)


神庭さん:忘れてるじゃん!(笑)Google翻訳以上に精度が高く、かなりいいです。あとはAI検索に関しては、先日塚越さんも紹介していたPerplexity(パープレキシティ)がかなり使い勝手が良くてオススメです。この番組のリサーチにもたまに使っていますが、GoogleやChatGPTだと出典が分からなかったり、回答がいい加減だったりすることがあります。Googleの英語版のAI検索では「ピザからチーズが落ちないようにするにはどうしたらいい?」と聞いたら「ソースに接着剤を入れると粘着力が増しますよ」と返すなど、トンチンカンな回答が話題になりました。その点、Perplexity(パープレキシティ)はある程度、信頼性のおける出典を明記してくれるので結構助かります。リサーチに行き詰まった時に「その方向性があったか!」とヒントになることもあります。


吉田:文字の媒体や放送業界はAIがどんどん入ってきそうですね。神庭さん的に、AI関係で気になるニュースはありますか?


神庭さん:そうですね。最近みたのは、《AIが人間のふりをする「ヒューマンウォッシング」が始まっている》というWIREDの記事です。記事の名前からして危ないですが、消費者サポートや営業電話をAIで自動化する「Bland AI」というサービスに関して、WIREDの記者が実際にテストしてみたところ、AIのボットがウソをつきはじめて、「自分は人間だ」と主張し始めたというちょっと怖いニュースです。こんな風にAIを人間に見せかけることを「ヒューマンウォッシング」と言うそうです。日本のコールセンターでも、最近AIによる自動応対が広がり始めていますが、消費者がAIだと分かるように明示することを義務づけないとまずいかなと思います。人間と見分けがつかないほどに進化しているとなると、特殊詐欺などへの技術の悪用も懸念されます。


ユージ:それは少し怖いですね!そういったことも含めて、これからAIを活用する時の課題は何でしょうか?


神庭さん:メディアやネットでAI、AIと騒がれて期待値が上がりまくっている一方で、「思ってたのと違う!」というミスマッチがそこかしこで起こっているのが現状だと思います。数ヶ月前、アメリカ在住の作家のこんなSNS投稿が話題になりました。《私は、AIに洗濯や食器洗いをさせて、私が芸術や執筆をできるようにして欲しいのであって、AIに芸術や執筆をさせて、私が洗濯や食器洗いをできるようにして欲しいのではない》本当にそうだなと思うのですが、今のところ洗濯や食器洗いをサクサクやってくれるAIはありません。私たちがAIに期待することと、AIが実際にできることのギャップが埋まるには、まだまだ時間がかかるのかなと思います。思ったようにAIの活用が広がらず、「AIのありがたみを感じられない」という人が少なくないのも、そんなところに原因があるのかもしれないですね。いろんな技術に期待がかかる一方で、少し怖さがあるなと思います。


ユージ:自分が人間ですと言い出したらどうしようと思いますね。ウソをつきはじめるのはやめてくれないかな。


神庭さん:怖いですね。


ユージ:ただ、便利になる部分もあるとのことで良い方向での期待をしたいですね。


そして、今日の #ユジコメ はこちら。





過去の #ユジコメ を音声でCHECK!!

  • X
  • Facebook
  • LINE
Top