24.06.17
Appleが発表した生成AI “Apple Intelligence”

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。
【Appleが発表した生成AI “Apple Intelligence”】
吉田:生成AIをめぐる「覇権争い」が激しくなるなか、アメリカのAppleは先週、iPhoneなどに搭載する独自の生成AI「Apple Intelligence」を発表しました。神庭さん、改めてどんなものなのか?教えてください。
神庭さん:Apple Intelligence(略してAI)です。たとえばメールの文面を書いた後に、「もっと親しみやすく」「プロフェッショナルに」などトーンを調整できます。あとは、文法や単語のミスなどを校正してくれたり、音声ガイダンスのSiriも大きく進化しまして「母親の飛行機が到着するの何時だっけ?」と聞くと、Siriは母親が誰かをすでに知っていて、メールからフライト予定を参照して、到着時間を教えてくれます。これまでのSiriはやや力不足な感じもあったのですが、今後は複数のアプリをまたにかけて「かゆいところに手が届く」ような働きをしてくれるようになるかもしれません。
ユージ:すごいですね。Siriに「来週の27日に予定があるけど、何だっけ?」というと答えてくれるんですね。他には、どんなことができますか?
神庭さん:AIが通知の重要度を判断して表示したり、絵文字を自由に生成したり、フォトライブラリから子どもの運動会の写真を抽出して動画をつくるといったこともできるようになります。ただ、日本で使えるようになるのはまだ先です。まず秋にアメリカで使えるようになり、日本語対応は来年以降です。また、全てのApple製品で使えるわけではなく、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max、などハイエンドモデルに限られます。そして今回の最大のニュースがChatGPTとの連携です。
吉田:ChatGPTの件はネットでも盛り上がってましたよね?
神庭さん:大きなニュースではありますが、少し誤解もあります。イーロン・マスクはAppleの発表を受けてXに「もしAppleがOSレベルでOpenAIを統合するなら、私の会社ではAppleのデバイスは使用禁止になるだろう。それは容認できないセキュリティ違反だ」と投稿しました。確かにChatGPTとは連携するのですが、iPhoneの情報がChatGPT、OpenAIに全部筒抜けになるみたいな話ではありません。日経新聞によると、Apple Intelligenceはまず端末内で情報を処理し、より複雑な処理はAppleの自社サーバーで行います。それでも対応できないような専門的な情報などを参照する場合に、ユーザーの許諾を得たうえでChatGPTにつなぐということです。端末、自社サーバー、ChatGPTという3層構造にすることで、できるだけプライバシーを保護しようとしています。
ユージ:AppleはOpenAIと組んで、Googleに対抗しようとしていますか?
神庭さん:そういう見方もあります。どうやら、そういうことでもなさそうです。今回のAppleの発表の席には、OpenAIのサム・アルトマンCEOも参加していたのですが、登壇することはなかったと報じられています。参加するけど、登壇まではしないという絶妙な距離感が、そのままAppleとOpenAIの距離感を示しているかなと思います。ASCII.jpの石川温さんの記事「Appleは『AIスマホ』でどこまで競えるのか?」によると、Appleの上級副社長は「今は発表することはないが、将来的には、Google Geminiとの統合を楽しみにしている」と発言しています。またAppleは過去に検索に関して、初期設定でGoogle検索を使えるようにすることで、Googleから約2兆7,000億円もの大金を受けとっているということです。石川さんは「生成AIによる検索でも、こうしたビジネスモデルが成立するのであれば、AppleとしてもすぐにChatGTPからGoogle Geminiに初期設定状態での接続先を変更するのではないか」と指摘しています。非常に興味深い見立てです。
ユージ:本当ですね。可能性ありますね。このApple Intelligenceについて神庭さんはどう思いますか?
神庭さん:キーワードは「磨き上げ」と「落とし込み」だと思います。今回発表された内容が劇的に新しいテクノロジーかというとそんなことはなく、もともとあった技術がほとんどです。ただ、Appleはそうした既存技術を組み合わせるのが非常にうまいです。UX、ユーザー体験を磨き上げ、具体的な日常のシーンで「何がどう便利になるのか」を落とし込むことに長けています。Apple Intelligenceもまさにそうで、AI競争に出遅れたAppleですが、ChatGPTやGoogle Geminiなどが「こんなに早く動くよ」「こんなにたくさん情報を処理できるよ」というスペック競争を繰り広げているのを尻目に、まったく違う土俵で勝負をかけてきたなという印象を受けます。本当に演技力のある俳優さんは視聴者に「演技がうまいな」なんて感じさせません。意識させずに、ただただ物語に没入させると思います。それと全く同じことが、AppleのUXにも言えると思います。ユーザーに「これ便利すごい!」だなんだと意識させずに、ただヌルヌルサクサク動くのがAppleです。いまのところ、生成AIをたくさん使っているのは流行に敏感なアーリーアダプターと呼ばれる人たちです。キャズムを超えて一般ユーザーにまで広く浸透するにはもうひと伸び必要だなと思っています。世界のスマホシェアの2割を占めるAppleの「磨き上げ」のAI戦略がそこに大きく影響してくるのではないかなと思います。
ユージ:確かに、ChatGPTも知名度が高くて、今ではみんなが知っている言葉になりましたが、みんな使っているかというともうひと伸び必要だなというのは確かに感じます。今後に注目ですね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンDTREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 17, 2024
テーマは「アップルが発表した生成AI “Apple Intelligence」
Apple独自の生成AI で、特に注目しているのはChat GPTと連携され活用されるという事です。
僕はすごくいいと思いました。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 17, 2024
批判的な意見もあって、情報がApple側に提供され過ぎてしまうのではないか心配だという人もいます。…
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 17, 2024
この機能は上位モデルから搭載されると発表されています。
どうしても嫌な人は、過去のモデルでも性能はすごく高いので、搭載されないモデルを買うのもいいのではないでしょうか。#ワンモ
#ユジコメ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 17, 2024
また、この機能はユーザーの承諾を得た上でChat GPTと連携されます。
使いたい人は使う、使いたくない人は使わないという住み分けができるので、どんどん技術が進んで便利になっていくのでいいことではないでしょうか。#ワンモ