24.06.18
都知事選、政策面以外の注目ポイント

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。
「都知事選、政策面以外の注目ポイント」
吉田:7月7日投開票の東京都知事選が、20日木曜日に告示されます。すでに50人以上が立候補の意向を表明しており、3選を目指す小池百合子都知事と蓮舫参院議員も先週、記者会見しました。神庭さん、まずは今回の都知事選の注目ポイントを教えてください。
神庭さん:本当は具体的な政策・公約について論じられれば1番良かったですが、小池さんも蓮舫さんもお互いに批判や真似されることを恐れているのか、なかなか具体的な公約を出してきませんでした。小池さんは「無痛分娩に助成する」「保育料無償化を拡大する」と言っていて、蓮舫さんは、「反自民・非小池」「明治神宮外苑の再開発は一度立ち止まるべき」と話しているくらいです。なので、今日は「政策面以外のポイント」をいくつかお話ししたいなと思います。
吉田:1つ目のポイントは何ですか?
神庭さん:「政党との距離感」です。小池さんは自民党、蓮舫さんの場合は共産党との関係がプラスにも、マイナスにも働き得ると思います。自民党は今回、独自候補を立てずに小池さんを支援する方針です。小池さんは記者会見で自民の支援を「大変心強い」と話していたのですが、裏金問題や最近の地方選挙の動向などを見ていると、逆風につながる可能性もあるかなと思います。一方、蓮舫さん。先日離党した立憲民主党は、党として推薦や支持はしないものの「自主的に」支援するということです。共産党も全面的に支援しています。「オール東京」を掲げる割に左に寄っているんじゃないのかということで、保守層は「立憲共産党」と批判しています。2人とも既存政党との距離の取り方、さじ加減が無党派層の投票行動に影響しそうだなと思います。
ユージ:なるほど。興味深いですね、2つ目のポイントは何でしょうか?
神庭さん:「労働組合の中央組織である【連合】の動向」です。連合東京は、前回の都知事選に続いて、今回も小池さんを支持します。連合は立憲民主党の最大の支持母体でもあり、本来であれば蓮舫さんを支持しそうなものですが、小池さん側につくということです。背景にあるのが、先ほど説明した共産党との距離感です。連合の芳野友子会長は「連合は共産と考え方が全く違う」と話しています。じゃあ熱烈に小池さんを支えるのかというと、そこも不透明です。東京新聞は立憲の衆院議員のこんな証言を紹介しています。一部の組合員は『勝手連』的に蓮舫支援に動くだろう」「連合は表向きは1つにまとまって小池氏をやると言うもしれないが、半分弱くらいの組合員は蓮舫氏をやってもおかしくない」と言っています。
吉田:なかなか複雑になってきました。3つ目のポイントは何でしょうか?
神庭さん:「小池都政8年間の通信簿という側面」です。小池さんは初当選の時に「7つのゼロ」を公約に掲げました。このうち「待機児童ゼロ」はほぼ達成、「ペット殺処分ゼロ」は達成しましたが、「介護離職ゼロ」「都道電柱ゼロ」は全くの未達成です。「満員電車ゼロ」に関しては、改善が進んでいるもののコロナ禍の影響が大きくて、「小池さんのおかげ」と言えるかは微妙なところです。一方で、高校授業料無償化の所得制限撤廃など、子育て世帯にウケのいい政策も打ち出してきました。私自身は生徒を私学に誘導して、公教育の空洞化を招きかねないリスクがある政策だと考えていますが、一般的には「家計が助かる」「ありがたい」と支持している人が多そうです。小池さんは、やっている感のプロなのでセルフプロデュースが上手です。ですので、様々なプラスマイナス含めて有権者が小池都政に「よくできました」のハンコを押すのか「がんばりましょう」のハンコを押すのか、通知表としての意味もあるのかなと思います。
ユージ:東京都知事選、神庭さんはどう見ますか?
神庭さん:小池さんと蓮舫さんはバチバチなようで共通点も多いです。ともに女性、元キャスターで発信力がある。国会議員や大臣、政党代表の経験がある世襲議員ではない部分も共通しています。だからこそ注目を集めると思いますが、1947年に初めて都知事選が開かれて以来、これまで現職が負けたことは1度もありません。チャンピオンの小池さんに、チャレンジャー蓮舫さんが挑む構図です。ただ最近の衆院補選や地方選挙では、自民が支援する候補に厳しい逆風が吹いているのも確かです。国政の構図を重視して「自民にお灸を据えてやろう」と考える有権者が多ければ、蓮舫さんが有利になります。逆に投票率がそれほどで、「国政の構図を都政に持ち込むのではなく、あくまで都民のための政治をして欲しい」と思う人が多数を占めるなら、小池さんに有利に働くと思います。
吉田:そして、小池さんと蓮舫さん以外にもたくさんの立候補者がいます。こちらはいかがでしょうか?
神庭さん:どうしても小池さんと蓮舫さんの2人が目立つので、目が行ってしまいがちですが都知事選には50人以上が立候補の意向を示しています。その中には、居眠り議員を批判して「恥を知れ」と一喝した広島県・安芸高田市、元市長の石丸伸二氏や2014年の都知事選で4位の61万票あまりを集めた元航空幕僚長の田母神俊雄氏、AIエンジニアでSF作家、一部では「日本版オードリー・タン」とも言われている安野貴博氏など様々な人がいます。都知事選の有権者数は1,100万人です。都の予算は16.6兆円でチェコやマレーシアの国家予算すら上回る規模です。有権者は候補者の政策をしっかり見比べて、東京の未来を考える機会にして欲しいです。東京以外にお住まいの方も、これだけ大きな選挙はそうそうないですから、ぜひ首都決戦の行方に目を凝らしていただければなと思います。
ユージ:やっぱり、大きい都市ですからね。ある種、日本を代表する都市といっても過言でもないので皆さんも注目してください。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 18, 2024
#ユジコメ②…
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 18, 2024