24.06.19
中学校の部活でヒップホップ禁止令 SNS上で議論に

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「中学校の部活でヒップホップ禁止令 SNS上で議論に」
吉田:中学校がダンス部に対して出したという「ヒップホップ禁止令」が物議を醸しています。朝日新聞デジタルによりますと、東京都千代田区立・麹町中学校のダンス部の部活動をめぐって、学校側による事実上の「ヒップホップ禁止令」に生徒や保護者らが反発しているということです。塚越さん、まずはこの問題の経緯を教えてください。
塚越さん:朝日新聞が保護者らに取材した記事によりますと、まず麹町中のダンス部ではここ数年、5月の体育祭と10月の文化祭でヒップホップダンスを披露していました。部員は週に2回、ヒップホップ専門のコーチから指導を受けていたということです。それが去年になって学校側が「今年から体育祭でダンス部のヒップホップ発表の場は設けない」と決定。さらに今年3月には、秋の文化祭でもダンス部の発表はしないと決定しました。4月からは活動内容を「創作ダンス」に変更すると学校が決定したということです。これにショックを受けた部員およそ20名が「ヒップホップを踊りたい」と訴えたが決定は変わらず、保護者たちが学校に抗議するということになりました。その結果、3年生が引退する一学期末の7月までは、ヒップホップの自主練習を週一回だけ認めましたが、その後は自主練習も不可となり、退部する生徒もいるということです。朝日新聞によれば、麹町中学校の校長は取材に対して、「体育祭や文化祭でダンス部がヒップホップを踊ることに対し、様々な意見があった」。そして「ダンス部は運動部なので公式の大会を目指すべきだと思い、創作ダンスに変更した。ヒップホップは部活でなくてもいいと思う。方針を変更するつもりはない」などと答えたとのことです。これに対して保護者の方々は、部活動は生徒の自主的な活動とする千代田区の「運動部活動ガイドライン」があり、学校の対応はこれに反するとして、千代田区の教育委員会に対して、7月12日までの回答を求めているとのことです。ちなみに、ダンスが中学校の保健体育で必修になったのは2012年です。ヒップホップは創作ダンス、フォークダンスとともに「現代的なリズム表現のダンス」として新学習指導要領の「中学保健体育科」の資料にも掲載されています。
吉田:この中学校は、一部、報道内容を否定していますよね?
塚越さん:そうですね、麹町中学校は6月13日に学校のHPで「本校ダンス部に関する報道について」という文章を公表し、学校の考えや活動実績と報道内容を異なると述べています。保護者向けに経緯などが書かれていますが、簡単に言えばコロナ禍で活動が縮小したのですが、ダンスは運動部に位置づけられているので、今年度からは少人数ではなく団体活動、団体演技への挑戦を目指す方針になったとのことです。自由演技は生徒と相談しながら行えるとのこと。また指導者は公式大会の指導経験があり、さらにヒップホップダンスの指導経験がある専門性の高いコーチが指導しているとのことです。そして「5月より、専門性の高いコーチが着任し週2日の活動が始まっています。ヒップホップダンスに特化した練習及び多様なダンスに対応できる基礎基本の練習を実施しております」とHPに書いています。これを読むと週2日練習をしている点など、特に朝日新聞の報道は間違っていると思うかもしれませんが、朝日新聞はこのHPの発表を受けて、さらに保護者に取材をした記事を書いています。それによれば、部員たちは実態と全然違うと言っており、保護者によれば毎週火曜と金曜のダンス部の練習日のうち、ヒップホップの自主練習が許されているのは火曜のみで、「部活が終わる前に自主練習の成果をコーチに見せ、アドバイスを少しもらう程度」とのことです。
ユージ:あくまで自主練習の結果なんですね。
塚越さん:2日間のうち、1回しかも自主練習です。金曜は創作ダンスの練習のみで、3年生の参加は認められていないということです。ヒップホップを指導しているって文章と異なる気がしますね。なので、保護者や何より生徒の人は、このHPの文章をみてどう思うのか?と思います。学校のHPには今回の件について取材は一切受け付けないと書かれているのですが、私は取材を受けて、もっと丁寧に学校が説明してもいいと思いました。
ユージ:この「ヒップホップ禁止令」かなり話題になっていますが、SNS上ではどんな意見が出ていますか?
塚越さん:やはりSNSでは大きく議論になっています。私が気になったのは、友人でもあるラッパーのダースレイダーさんが、朝日新聞の「コメントプラス」という識者が記事にコメントする機能で述べていることです。ダースレイダーさんの発言を簡単に言うと、まずヒップホップは世界中のヒットチャートの大部分を占めているということ。これを否定するようにみえる今回の件はどういうことか、を考える必要がありますよねと。また、ヒップホップ・カルチャーにとって大事な言葉は「抵抗」で、権力や圧力に対する抵抗の言葉が重視されているとも述べています。ヒップホップの歌詞が一人称なのも、「自分は戦う」ということを明示しているわけです。こう考えれば、まさに生徒のみなさんが、ヒップホップの精神、主体性をもって抗議の声をあげて行動していると思います。僕は、生徒のみなさんが自主的に色々考えてやって保護者もそれに乗っているのかなと思います。もし、この解釈がおかしいのであれば、学校側はやはり説明することも大切なのかなと思います。
ユージ:理由がいまいち納得できないというか説明が不十分かなと思います。
塚越さん:外から色々言われていると思うかもしれませんが、それはこれだけ反対の意見があるということなのでちょっと考えていただけたらと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 19, 2024
『中学校の部活でヒップホップ禁止令 SNS上で議論に』について…
#ユジコメ②…
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 19, 2024
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 19, 2024
学校側の意見も尊重しますが、もう少し丁寧に考えを説明しないと生徒たちには伝わらない部分もあると思います。在学する生徒はもちろん、今後 入学する学生や、保護者の方たちの信頼にも影響してしまうため、しっかりと対応してほしいと感じました。#ワンモ