24.05.13
認知症の高齢者、2040年に584万人

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日はダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。神庭さんが注目した話題はこちらです。
「認知症の高齢者、2040年に584万人」
吉田:政府は先週、認知症の高齢者数の推計を公表しました。2025年は471万人で、65歳以上の人口がほぼピークとなる2040年には、584万人に上り、60年には645万人へ増加、高齢者の17.7%、5.6人に1人になるそうです。
神庭さん:厚労省の研究班によると、認知症の高齢者の数が来年の471万人から15年後の2040年には112万人も増えて、これは高齢者の6.7人に1人という割合です。合わせて認知症の一歩手前の「軽度認知障害」の推計も発表されました。軽度認知障害の人の数は2040年段階で612万人です。認知症と合わせると1,197万人。高齢者の3人に1人が該当するといいます。
ユージ:かなり高い割合ですよね。
神庭さん:いいニュースとしては、9年前にも別のチームが同様の調査をしていて、その時の推計では2040年時点の認知症の人が802万人、5人に1人に達するとみられていました。それが今回は584万人で200万人以上も下方修正されています。
吉田:200万人減ったのは大きいですが、理由は何ですか?
神庭さん:喫煙や高血圧、糖尿病などが認知症のリスク要因になると言われています。調査を担った九州大学の二宮利治教授は喫煙率の低下、高血圧や糖尿病、脂質異常などの生活習慣病管理の改善・健康意識の高まりなどにより、認知機能低下が抑えられた可能性があると指摘しています。減塩が推進されたり、降圧薬や高脂血症治療薬が普及したといった影響もあるといいます。この問題に関しては、大きく3つの課題があります。まず1つ目の課題は、財政的な問題をどうするか。1960年代〜70年代には、10人の現役世代で1人の高齢者を支えていました。平成初頭の1990年にはこの比率が5.8人に下がり、いまは2人の現役世代で1人の高齢者を支えています。これが2040年にはさらに下がって1.6人に1人という割合になります。現役世代は肩に食い込む重みで足腰がプルプルしてきている状況で人間ピラミッド、肩車が崩壊寸前で、さらに介護・福祉を手厚くして社会保険料を引き上げようものなら、ガラガラと崩れてしまう可能性もあります。
ユージ:2つ目の課題は何ですか?
神庭さん:交通など社会全体への影響です。警察庁によると、75歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故は増加傾向で、免許人口あたりで比べると75歳未満の2倍発生しています。ブレーキとアクセルの踏み間違いなどが多いそうです。また、2022年に起きた高速道路の逆走事案は204件で65歳以上の割合が67%を占めます。なかでも75歳以上の割合が高く、免許保有者の8%しかいないのに、逆走事案の45%を占めています。この中には、認知症など認知機能に問題を抱えているケースも多数含まれているとみられています。今後、認知症や軽度認知障害の人が増えていった時に、こうした事故以外にも、線路内への立ち入りや、街中で迷う、行方不明になってしまうといったケースが増加する可能性があります。自動運転や、逆走検知システムの整備など技術で克服できる部分もあると思いますが、過渡期的には対応が必要になりそうです。
ユージ:3つ目の課題は何でしょうか?
神庭さん:介護離職の増加です。2022年に介護・看護を理由に仕事を辞めた人は10万6,000人で、5年前から7,000人増えています。「認知症」「介護」といった時に、まだまだ先のこと、自分には関係ないと思う人もいるかもしれませんが、自分の家族が認知症を発症すれば、当然影響が出ます。現役世代にとっても無縁の話ではありません。経産省によると、2030年には家族介護者のうち4割(約318万人)がビジネスケアラーになる見通しで、仕事と介護の両立困難などによる経済損失は9.1兆円になると予測されています。
ユージ:こういったことを聞いていると、課題は山積みですが解決策はあるのでしょうか?
神庭さん:財政の問題に関して言うと、現役世代の仕送り一辺倒の現状を改めて高齢世代の中でも助け合って支えあう仕組みが必要だなと思います。あとは、これから認知症の人が当たり前に身近にいる環境になってくるわけですから、偏見を減らして共生していくこともとても大切です。1つ心強いのは、認知症の人や家族を支える「認知症サポーター」という制度で、国はこの養成に力を入れていて、3月時点で1,500万人もの認知症サポーターがいるそうです。ただでさえ人手不足のなかで、介護・医療の専門職の人達だけでは、未曾有の高齢化にとても対応できませんから、社会全体で向き合っていく必要があります。高血圧や糖尿病といった生活習慣病の予防・治療によって認知症の進行を抑えられる可能性があるので、今まで以上に中高年の健康づくりに取り組んでいくことも重要かなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンDTREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 13, 2024
テーマは「認知症の高齢者、2040年に584万人」
2040年というのは、16年後なので遠い先の話ではありません。
実際、僕の祖父母も認知症で、会話をしていてもしばらく思い出せないということがたくさんあります。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 13, 2024
実際数字で見ても現段階で、軽度の認知障害の人と合わせると約3人に1人が該当すると言われています。
そのため、認知症の人をサポートする人も多く必要です。
現在、認知症サポーターという制度があり、今年3月時点で1535万人いるそうです。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 13, 2024
しかし、認知症のサポートは社会全体で向き合う必要があります。
自分が高齢者になっても、身近にいる高齢者を助けられる存在でいようという意識を持つといいかなと思いました。#ワンモ