24.05.09
高速道路の料金を時間帯などで変える”ロードプライシング”全国で実施へ

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
本日は、情報社会学がご専門の城西大学助教、塚越健司さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!
「高速道路の料金を時間帯などで変える”ロードプライシング”全国で実施へ」
吉田:政府は高速道路の渋滞対策として、料金を時間帯に応じて変動させる「ロードプライシング」を2025年度から順次、全国で導入する方針です。6月にとりまとめる「骨太の方針」で考え方を盛り込む方向で調整、この夏以降、国土交通省が開く審議会で高速道路各社などと料金体系について協議を始めます。そこで今朝は、”全国に拡大するロードプライシング”について塚越さんに解説いただきます。
ユージ:塚越さん、まずロードプライシングとは、どんなものでしょうか?
塚越さん:ロードプライシングとは、特定の道路や地域・時間帯での自動車利用に課金することです。自動車利用の合理化や交通行動の転換を促し、交通量の抑制を図る施策ということですが、アミューズメント施設や宿泊施設でも、状況に応じて値段を変える「ダイナミックプライシング」がありますよね?簡単にいえば、あれの道路版だと思っていただければいいです。
吉田:では、ロードプライシングでどんな効果が期待できるのでしょうか?
塚越さん:まずピーク時間帯に交通量が減少して渋滞が緩和すること。それによって車のアイドリング時間も減って脱炭素につながる。さらにバスなどの公共交通機関も時間通りの運行がしやすくなるので、交通需要が調整できれば物流の効率化や環境負荷の低減、観光需要の喚起なども期待されています。
ユージ:ロードプライシングといえば、2021年の東京オリンピック、パラリンピックの期間中に大会関係の車両がスムーズに移動できるようにと、首都高速道路で実施されて賛否がありましたね。現在日本で行われている社会実験の状況はいかがでしょうか?
塚越さん:現在は千葉県木更津市と川崎市を結ぶ東京湾アクアラインで、去年7月から2024年度末まで実験的に行われています。具体的には、通行料がETC搭載の普通車で800円のところ、土日祝日の川崎・東京方面に向かう上がり線で13〜20時は1,200円と高くして、逆に20〜24時は600円と値段を下げています。実際の効果について、今年の頭に千葉県庁で中間報告会が開催されています。それによると、土曜は値段が上がる13〜20時で交通量が3%減少。日曜は交通量が全体的に増えているのですが、値段が高くない夜の時間など利用の時間帯が分散している傾向があるということが分かりました。アクアラインの通過にかかる「所要時間」に関しても、土曜はおよそ31%、日曜はおよそ21%減少していて、これは渋滞が緩和されたからだとみられています。
ユージ:じゃあ、ロードプライシングの効果が出ているようですね。
塚越さん:そうですね。さらに別の効果も出ています。アクアライン経由で千葉県を訪れた観光客の平均滞在時間が、導入前に比べて2割増えました。これは渋滞が緩和したことで観光の時間が増えたということ。ひとつの施設ではなく、別の観光施設に立ち寄る割合も増加したり、帰宅時にアクアラインを利用するピーク時間が分散化したという効果もあったということです。交通だけでなく、観光業をはじめとした地域活性化にもつながり、当然利用者にとってもメリットが出ていると言えます。
吉田:これから全国へと拡大していく予定ですが、課題は何でしょうか?
塚越さん:まずアクアラインのロードプライシングの効果が時間の経過とともに減少傾向にあり、実験開始直後の去年7月と比べると、11月の土日祝日は混雑時の交通量の減少率が少なくなっているというデータがあります。これに関しては、11月で日没が早くなったからといった理由や、コロナからの回復で物流の増加など、いろんな理由が考えられます。その上で今後の対策として、まずはロードプライシングの認知度向上が挙げられます。この中間報告を報じたNHKの記事で、千葉県の担当者はロードプライシングの認知度が35%程度と述べています。効果を増やすためにも、まずはドライバーの認知度向上が必要。みなさんも「ロードプライシング」という言葉、覚えていただければと思います。他にもETC専用の料金所を増やすといった、システム面でもやるべきことはあります。
ユージ:塚越さんは、ロードプライシングの全国での導入をどう思いますか?
塚越さん:効果は出ているので、全国で導入すればさらに認知度が広がっていくと思われます。一方で仕方ないとはいえ、いわゆるみんなが使いたい時間にはお金がかかったり、導入してもしばらくは、逆に混雑する時間がわかりづらくなるなどの混乱もあるので、地域ごとの事情も考慮する必要もあります。平日休みを増やすなど、ロードプライシングだけではなくて休み方も分散させて交通だけではなくて様々なところで分散化させる必要があるかなと思います。ユージさんどうでしょう?
ユージ:僕は、車の種類も違うのかなと思いますが、ETCを利用しても金額が分かりません。だから、いつも通り高速に乗って気付いたら後からの請求で高い時間だったと気づくので、それがハッキリと乗る前に伝わらないとあまり効果出ないと思います。認知度を上げる必要があるのと、代わりに1番高い時間帯に乗ったとしてすごい渋滞してたらお金返して欲しいです。
塚越さん:そうですよね。そこの調整もこれから結果をもとに分析してやって欲しいですね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 9, 2024
『高速道路の料金を時間帯などで変える”ロードプライシング”全国で実施』…
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 9, 2024
高速道路は料金を支払うことで早さを享受できるという考えが僕の中の認識としてあります。ピーク時間帯に価格が上がるシステムには納得できますが、高い料金を支払った上でもしも渋滞に巻き込まれた場合、ユーザーから不満の声が上がるのではないでしょうか。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) May 9, 2024
したがって、AI技術を最大限駆使して道や時間帯ごとの渋滞予測を細分化したり、逆に「需要が少なく空いている場合には料金が安くなる」などといった、料金の上下を柔軟に変動できるシステムがあれば良いと感じました。#ワンモ