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26.09.01

知っておきたい「災害後」のこと。もしもの時に役立つ法律とは?

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターはダイヤモンド・ライフ編集長、神庭亮介さんです。
神庭さんが注目した話題はこちら


「知っておきたい『災害後』のこと。もしもの時に役立つ法律とは?」

吉田:記録的な大雨を受け、石川・富山・福井の3県は、県内の14市町に「災害救助法」の適用を決定しました。そこで今朝は、災害発生時に役立つ法律について、神庭さんに解説してもらいます。


ユージ:まずは、今回の大雨や、先日の令和8年熊本地震(熊本地震)で適用が決まった災害救助法について、基本的なことを教えてください。


神庭さん:災害救助法というのは、大規模な災害が起きた時に、被災者の命と当面の生活を守るために国や自治体が緊急の支援を行うための法律です。1947年に制定されました。住宅が損壊したり、住民が被災したりして、多数の人の生命や身体に危害が及ぶおそれがある場合に、都道府県知事が適用を判断します。適用されると、避難所の設置、応急仮設住宅の提供、炊き出し、食料・飲料水の提供、衣類、寝具など生活必需品の提供、医療・助産、被災者の救出、壊れた住宅の応急修理、学用品の提供、埋葬といった支援が行われます。国と県がすべての費用を負担するので、被災した市町村も過度に財源を心配することなく救助に動くことができるようになります。


吉田:災害救助法は去年改正されていますが、どのように変わったのでしょうか。


神庭さん:福祉サービスの提供が加わりました。これまでも福祉関係者による支援は行われてきましたが、高齢者や障害者、子ども、妊婦さんなど、避難生活で特別な配慮を必要とする人への支援を法律に明記して、公費で支えやすくしました。東日本大震災や令和6年能登半島地震など過去の災害では、どうしても避難所中心のサポートになりがちで、在宅や車中泊での避難を余儀なくされた人たちへの支援が課題になっていました。この法改正を受けて、市町村の福祉職員による巡回に加え、災害派遣福祉チーム「DWAT」が在宅避難者や車中泊避難者を訪問することも想定されています。


ユージ:なるほど、それは助かりますね。


神庭さん:自宅が完全に倒壊していなくても、水道や電気が止まって生活できない人、ペットや家族の事情で避難所に入れない人、障害や認知症などで大人数の避難所で過ごすことが難しい人など、被災者の方はそれぞれ事情があります。これまでは避難所という場所に着目して支援してきましたが、「場所の支援」から「人の支援」へ切り替えていこう、ということですね。


吉田:具体的にはどんなケースが想定されていますか?


神庭さん:たとえば、80代の母親と自宅で避難しているとします。家は倒れていないが断水中。母親は足が悪くて、体育館の避難所ではトイレに行くのも難しいといったケースです。「避難所に行っていないから支援の対象外」と考えて家族だけで抱え込まないでください。自治体に在宅避難していることを伝えれば、福祉職員や支援チームによる相談、福祉避難所への移動といった支援を受けられるかもしれません。福祉以外の領域でも、自宅避難者へのきめ細かい支援が期待されています。たとえば、豪雨で自宅が浸水して、エアコンの室外機が故障したとします。自宅には住めるものの冷房がなくて、猛暑で熱中症になる危険が高いといった場合です。必要性が認められれば、工事なしですぐに使えるスポットクーラーなどを貸し出してもらえます。実際、熊本地震でもスポットクーラーが貸与されています。


ユージ:かなり細かくなっていますね。他に覚えておきたい法律はありますか?


神庭さん:「被災者生活再建支援法」です。先ほど紹介した「災害救助法」が災害直後の生活を支える法律だとすれば、「被災者生活再建支援法」は、その先の住まいをどう建て直すかをサポートする制度です。大きな災害で大きな被害を受けた世帯に対して、生活や住宅の再建のための支援金を支給します。支給額は複数人の世帯で自宅が全壊して、新たに建設・購入が必要になる場合で最大300万円。補修なら最大200万円、賃貸なら最大150万円です。半壊でも、被害の程度によっては再建方法に応じた支援があります。「半壊だから対象外だろう」とあきらめないでください。罹災証明書で「半壊」扱いになっても、やむを得ない事情で住宅を解体した場合には「解体世帯」として全壊世帯と同じ支援を受けられることもあります。


吉田:それ以外にも被災者への支援はありますか?


神庭さん:大きな災害で死亡した人の遺族には、災害弔慰金法(災害弔慰金の支給等に関する法律)に基づいて弔慰金が支給されます。亡くなった方が生計維持者であれば500万円、それ以外の方は250万円です。著しい障害が残った場合の災害障害見舞金もあり、こちらは生計維持者が250万円、それ以外の方は125万円です。「災害当日に亡くなったわけではないから対象外だろう」と家族だけで判断せず、市町村に対して災害関連死や災害弔慰金の対象になるか相談したほうがいいです。例えば、断水などの不自由な生活で持病が悪化してしまい、それで亡くなったとか、避難所と自宅の往復による身体的負担が肺炎につながって亡くなってしまった、であるとか、あるいは、避難生活でがん患者の死期が早まった、こういったケースでも、因果関係が認められれば、「災害関連死」に認定される可能性があります。災害前の備えも大事ですが、いざ起きてしまった後も法律が助けになります。自治体が独自の支援メニューを用意している場合もありますから、「自治体名+被災者支援」「自治体名+支援金」などのキーワードで検索をして調べていただければと思います。

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