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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

26.09.15

消費者庁が「ダークパターン」の規制強化へ

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
コメンテーターはダイヤモンド・ライフ編集長、神庭亮介さんです。
神庭さんが注目した話題はこちら


「消費者庁が『ダークパターン』の規制強化へ ダークパターンによる被害と対策」

吉田:ネット上で消費者が意図しない選択へ誘導する「ダークパターン」をめぐり、消費者庁は10日、規制強化へ向けた中間取りまとめを公表しました。今朝は、中間報告の内容や、望まれる改善策について神庭さんに解説してもらいます。


ユージ:番組でも何度か取り上げてきましたが、改めてダークパターンについて教えてください。


神庭さん:あの手この手でユーザーを欺く、オンラインサービスの罠のことです。「通販サイトで金額などの重要な情報がわざと隠れて目立たないようになっている」とか、「1回きりのつもりが定期購入の契約をさせられていた」「ホテル予約のサイトで『いま何人の人がこの商品を見ています』と煽ってくる」「『残り3室』などの表示やカウントダウンタイマーを出して焦って買わせようとする」、あとは「退会しようとしたらしつこい元カレばりに引き止めてくる。退会方法がわかりにくくて、なかなか解約できない」といった経験があるという人も多いかと思います。最近だと、×印がどこにあるかわからない広告ですね。「ウォーリーかよ!」と言いたくなるものもあります。


吉田:「クローズ(ボタン)」みたいなね。ありますよね。


神庭さん:小さく斜めに書いてあったりする。あれも典型的なダークパターンかなと思いますけど。


ユージ:どれも納得いくというか、経験があります。本当に小さすぎてクリックできなくて、結局リンクに飛んでしまって。


吉田:退会が見つからなくて、Q&Aに退会の方法が書いてあるとか。わかりづらくされている。


ユージ:あとは、カスタマーセンターにつながらないとか。


吉田:やはりダークパターンの被害は多いのでしょうか?


神庭さん:非常に多いですね。一般社団法人ダークパターン対策協会の調査によると、一般消費者の約3割がダークパターンによる金銭被害を経験しています。損失経験者のうち32.3%が5万円以上、6.8%が50万円以上の被害を受けています。被害総額は年間で約2.4兆円から約3.2兆円規模にのぼる可能性があり、2年前の調査から推定額が2倍に増えています。高齢者の場合、気づきにくくて長期化しやすい。一方で若年層では相談できず被害を抱え込みやすいなど、世代ごとに傾向の違いもあるということも調査で指摘されています。

ユージ:今回の中間報告ではどんな対策が打ち出されたのでしょうか?


神庭さん:ダークパターンの手法は様々で変化も激しいので、あらかじめすべての手口を列挙するのは難しいです。そこで中間報告では、包括的な規制をかけることを検討すべきだと指摘しています。具体的には、「支払い金額や分量、契約期間など、一般的な消費者がその内容を正確に認識できない虚偽や不明瞭な表示」、あるいは「口コミや利用状況、在庫情報、タイムセールなど商品の性能や内容に関連する虚偽の表示」「脅かすような文言で消費者に契約の申し込みをさせようとする表示」などを規制対象として列挙しています。また、実際には広告なのに広告ではないように見せるような表示も禁止すべきだとしています。


吉田:他にはどんなことが中間報告に書かれていますか?


神庭さん:何がダークパターンにあたるかの基準が不明確だと、まっとうな事業者まで萎縮してしまいます。そうならないように、法令やガイドラインで違法なダークパターンのブラックリストや、問題のないパターンのホワイトリストを示すなどして、判断基準を明確化すべきだということも書かれています。


ユージ:一方で課題もまだまだありますよね。


神庭さん:やっぱり時間がかかりすぎているんですよね。「ONE MORNING」で最初にダークパターン問題を取り上げたのは2021年で、今から5年以上前になります。その時から法規制を考えていくべきだとお伝えしてきましたが、いまだに包括的な規制が実現していません。この間、特定商取引法や消費者契約法など個別の法律の改正はありましたけれど、「定期縛りなし」とか「いつでも解約可能」といった表示で誤解させて、定期購入を申し込ませてしまうといったトラブルは近年も急増しているんです。


吉田:どうしてダークパターンがなかなかなくならないのでしょうか?


神庭さん:本来ならサービス提供者側が自覚を持って改善する必要がありますが、それはすなわち「利益を減らせ」という話になってしまうので、なかなか進まないです。東京科学大学(旧・東京工業大学)の2023年のレポートによれば、日本向けの200のアプリのうち、93.5%でダークパターンが使われていました。ほとんど野放しですよね。事業者の自主規制には限界がありますから、やはり包括的なダークパターン規制法をつくるべきだと思います。


ユージ:法整備が間に合うまでは自分たち自身を守っていくしかないですけど、私たちにできる対策には何がありますか?


神庭さん:消費者庁はネットショッピングの注意点として、「①商品の購入回数や契約の継続期間を確認する」「②支払い金額を確認する」「③解約条件や解約方法を確認する」「④利用規約を確認する」「⑤最終確認画面のスクリーンショットを撮る」という5つを挙げています。正直そんなの百も承知だけど、時間をかけて利用規約とか読んでいられないという人も多いと思います。私は最近、買い物にAIを活用しています。AIに注意点を伝えておけば、ダークパターンを巧みに回避して、おすすめ商品を教えてくれます。そのうち、AIを騙す高度なダークパターンが出てきてイタチごっこになるかもしれませんけれど。定期的にクレジットカードとか電子マネーの明細をチェックしてください。「いつの間にか500円とか1,000円とか引かれているけれど、これなんだろう」みたいなことがあります。サブスクの解約漏れがないかをチェックするのも大切ですね。

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